夜ふかし閑談

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『金田一少年の事件簿』 ノベルス(小説版)まとめ

こんばんは、紫栞です。

今まで何個か『金田一少年の事件簿』のまとめ記事を書きましたが

 

www.yofukasikanndann.pink

 

 

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今回は『金田一少年の事件簿』ノベルス(小説版)のまとめをしたいと思います。

 

漫画シリーズの小説版というのは漫画本編には関与していない作家さんが書いているケースが多いですが、『金田一少年の事件簿』の場合は本編の原作者である天樹征丸さんご自身が書かれています(そこが良い!)。1994年から2001年の間に8作品刊行されました。本編の第1期(オペラ座~決死行まで)が連載されていた期間ですね(だいたい)。

 

 

1『オペラ座館・新たなる殺人』

 

金田一少年の事件簿〈1〉オペラ座館・新たなる殺人

金田一少年の事件簿〈1〉オペラ座館・新たなる殺人

 

 

 漫画本編の第一作目『オペラ座館殺人事件』の続編。漫画で「オペラ座館」オーナーの黒沢和馬さんが意味ありげに言っていた「まぁ・・・・ここも色々あったからなぁ いーことも そうでないことも・・・・」“そうでないこと”の詳細が明らかにされるお話。

1996年公開のアニメ映画の原作。テレビシリーズより前なので、これが『金田一少年の事件簿』の初アニメ作品でした。初のアニメ作品で続編にあたるお話をやるのはどうなんだ?って感じもしますが・・・まぁそれ位この作品単独でも楽しめる作りになっております。原作と映画では真相部分が少し違いますね。犯行動機のテープの内容が映画の方だとなんだかぼかされています。映画観て釈然としなかった人は原作読みましょう!(大人は察しろって感じもしますが)

 

2『幽霊客船殺人事件』

  

金田一少年の事件簿〈2〉幽霊客船殺人事件 (マガジン・ノベルス)

金田一少年の事件簿〈2〉幽霊客船殺人事件 (マガジン・ノベルス)

 

 

 オカルト界では有名なマリー・セレスト号(メアリー・セレスト号)事件がモチーフのお話。船員が忽然と姿を消したというアレですね。都市伝説的に流布されている「温かい朝食が手付かずで、人が消えて・・・」という状況をトリックで再現出来るのではないかのとの試みがなされています。船上での殺人事件ってのは『金田一少年の事件簿』内ではちょっと新鮮。お話的には派手派手しさはないですが、“本格ミステリー”にだいぶ特化している印象ですね。 天城さんのあとがきにも書かれていますが、漫画本編の『悲恋湖伝説殺人事件』で使われていたネタがこのお話にも出て来ます。

 

3『電脳山荘殺人事件』

 

金田一少年の事件簿〈3〉電脳山荘殺人事件

金田一少年の事件簿〈3〉電脳山荘殺人事件

 

 

インターネットの仮想現実を大々的に取り入れつつ、舞台はミステリーでは古式ゆかしい雪山の山荘で展開されるお話。このミスマッチ感は意図してのもののようですね。

ノベルス版の最高傑作だと言っていいでしょう。私個人もノベルス版で一番好きな作品です。閉鎖空間、ハンドルネーム等々を最大限に利用した小説ならではのトリックはホント素晴らしいです。アニメ化もされていますが、コレは是非「ノベルスで読んで~!」と声を大にして言いたい。動機に繋がるお話の導入部分の事件も凄く凝っています。(これだけで一本のお話書けそうなくらい・・・)

 

4『鬼火島殺人事件』 

金田一少年の事件薄〈4〉鬼火島殺人事件

金田一少年の事件薄〈4〉鬼火島殺人事件

 

 

孤島で、サナトリウム跡を利用して作られた不気味な洋館が舞台・・・もはや恐怖体験が目的で来たのか?って感じですが・・・(いつものことですがね^_^;)

ノベルス、漫画含めて、シリーズ屈指の力業トリックが拝めます。『水曜日のダ◯ンタウン』でもネタにされてましたねぇ・・・。読んだ時点で「無理じゃね?」だったんですが、なんと!このお話、2014年に山田涼介主演のドラマシリーズで実写化されました。ビックリしましたね。「この話を!実写で!!」と。観ましたが、実写でみるとよりいっそう“無理感”が伝わってきて・・・ある意味分かりやすかった(笑)シリーズ史上、一番疲れるトリックだと思います。ムキムキじゃないとダメだな・・・。

 

5『上海魚人伝説殺人事件

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説殺人事件   マガジンノベルス

金田一少年の事件簿 上海魚人伝説殺人事件 マガジンノベルス

 

 

1997年の実写映画(堂本剛版)の原作本。実写映画化が前提で書かれているだけあって、色々と制約を感じる・・・ような気もする(笑)

上海が舞台って事で、シリーズ初の海外物ですね。映画は当時、劇場まで観に行きました。友達と、結構な人数で。もう20年前になるんですね・・・ハハハ。せっかくの上海なんで、街中を駆け回ったり何なりと色々冒険しています。映画ではローラーブレードで駆け回ってましたね(ジャニーズだからか?)中国が舞台でカタコトのキャラクターが何人かおり、カタカナ・漢字が多く、御丁寧に全てにルビが振ってあるので他のノベルスに比べると文章がゴチャゴチャしている印象を受けるかも知れません。小龍(シャオロン)と李(リー)刑事はこのお話が初登場ですね。

 

6『雷祭殺人事件』 

金田一少年の事件簿―雷祭殺人事件    マガジン・ノベルス

金田一少年の事件簿―雷祭殺人事件 マガジン・ノベルス

 

 

村で起こる事件で、舞台設定・人間関係・犯行動機・結末も含め、日本古来のミステリーですね。横溝正史風というか。『金田一少年の事件簿』だとよくある雰囲気のモノですが、このお話は悲壮感やもの悲しさが強いですね。ノベルスの表題作の中では一番短いお話です。中編になるのかな?動機面などをみると、ノベルス版は漫画より大人向けに書いているのかなぁ~と感じます。

この本には漫画版『金田一少年の事件簿』の短編集1巻に収録されている『共犯者X』、同じく短編集2巻に収録されている『迷い込んできた悪魔(デモン)』が再収録されています。どちらもかなりの良作ですよ~。私はどっちも短編集ですでに読んでいたので「何だよ、ページ稼ぎかよ」とか当時はチト思ってしまいましたが・・・(^_^;)書き下ろしの表題作が好みのお話だったので良しとした(笑)

 

7『殺戮のディープブル』 

金田一少年の事件簿―殺戮のディープブルー〈上巻〉

金田一少年の事件簿―殺戮のディープブルー〈上巻〉

 

 

 

金田一少年の事件簿―殺戮のディープブルー〈下巻〉

金田一少年の事件簿―殺戮のディープブルー〈下巻〉

 

 

ノベルス版の中で一番長いお話。マガジン・ノベルス版だと上下巻に分かれています。こちらは同じ題名で1999年公開のアニメ映画第二弾がありますが、お話も登場人物も違うので別作品だととらえた方が良いと思います。後にテレビシリーズの方でノベルス版よりのアニメをやったみたいですね。

題名が金田一少年シリーズの中では異質ですね。同様に、お話もいつもの金田一少年風”とはだいぶ異なっています。拳銃持ったテロリスト相手に右往左往する話ですからね。アクションシーン多め。なので、金田一少年世界での戦闘要員・小龍(シャオロン)が大活躍します。あと、ノベルス版では珍しく明智さんが登場します。椅子に座って女の子とのハッキング対決してますよ。地味ですが、こちらも大活躍。(漫画界だと優秀なヤツは皆ハッキング出来るよね)

 

8『邪宗館殺人事件』 

金田一少年の事件簿 邪宗館殺人事件   マガジンノベルス

金田一少年の事件簿 邪宗館殺人事件 マガジンノベルス

 

 

軽井沢が舞台の事件。“邪宗館”ってのは、とある文学作品の『邪宗門』から取られています。余り細かいことを書くとネタバレになるので書けませんが・・・。

お話の雰囲気は一ちゃんの幼少期の思い出が絡むところなど、漫画版の『雪影村殺人事件』にだいぶ近いです。ノスタルジックでセンチメンタルな内容ですね。すれ違いが哀しいお話。『雪影村』には美雪が不在ですが、このお話では一ちゃんが心配で(無理やり)ついてきます。作中、美雪が「わたしがついてきてよかったでしょ?」と、言うシーンがありますが、『邪宗館』は一ちゃんにとってだいぶ辛い事件だったので、美雪がいて良かったなぁとしみじみ思います。ラストは特に。

このお話で出てくる井沢研太郞ですが、漫画版の『黒魔術殺人事件』で再登場していますぞい。

 

 

私が所有しているのは全てマガジン・ノベルス版なんですが、文章の下にパラパラ写真がついていまして、コレが個人的に好きでした。ちょっと恐いんですけどね。『殺戮のディープブルー』からは“写真”じゃなくって可愛らしい普通のパラパラ漫画になってしまったんですが・・・。

あと、本格ミステリらしく、毎回『読者への挑戦状』が真相の章の前に入っているんですが、『雷祭殺人事件』と『邪宗館殺人事件』では省かれています。作品雰囲気が崩れるからとの事です。まぁ確かにね・・・。

 

『邪宗館殺人事件』のあとがきで、作者の天城さんは

「忘れないで待っててくださいね。必ず、書きますから。 ということで、またノベルスで会いましょう! 二〇〇一年四月」

と、書かれていますが。残念ながら、二〇一七年の今日まで『金田一少年の事件簿』のノベルス作品は出ていません・・・まぁお忙しいでしょうからね(^^;)気長に待ちます。

 

漫画版しか読んだことがないって人や、推理小説を読んだことが無い“ミステリ初心者”にもオススメです(私も当時は活字全然読まない人間だったんですが、このシリーズはすんなり読めた)。

 

金田一少年の事件簿』ファンならとにかく読むべし!!

 

 

ではではまた~