夜ふかし閑談

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『今からあなたを脅迫します』原作小説 シリーズ紹介・ドラマと原作との違いなど

こんばんは、紫栞です。
今回は2017年10月15日から日本テレビ系で放送が開始されるドラマ『今からあなたを脅迫します』の原作小説を紹介しようと思います。

今からあなたを脅迫します (講談社タイガ)

ドラマのあらすじをネットで見て面白そうだと思い、購入して読んでみました。

“脅迫屋シリーズ”と銘打たれているシリーズで現在『今からあなたを脅迫します』『今からあなたを脅迫します 透明な殺人者』の2冊が刊行されています。今月19日にシリーズ第3弾の新刊『今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点』が発売されるみたいですね。

 

小説の作者は藤石波矢さん。私はこの本読むまでまったく存じ上げなかったのですが、本の〈著者紹介〉によると
“1988年栃木県生まれ。『初恋は坂道の先へ』で第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞を受賞し、デビュー。軽妙なセリフ廻しと卓越した物語構成が持ち味。エンターテインメント小説の未来を担う、要注目の新星。”
ほうほう。
まだデビューして3・4年の駆け出しの作家さんなんですね~。デビューしてほんの数年で著作がドラマ化・・・凄いですな。


シリーズ1冊目『今からあなたを脅迫します』

 

今からあなたを脅迫します (講談社タイガ)

今からあなたを脅迫します (講談社タイガ)

 

あらすじ
私が帰宅すると、郵便ポストに白い封筒が届いていた。五〇七号室の自室に入り、封筒の封を切ってみると、中に入っていたのは一枚の紙切れとメモリーカード。逡巡しつつもパソコンにメモリーカードを挿入すると、動画が再生された。映し出されたのは殺風景な部屋、椅子に縛り付けられた男、その男に銃を突きつける覆面の男だった。
覆面の男は自身のことを「脅迫屋」だと名乗り
『ある依頼主からの依頼で俺は君たち、振り込め詐欺犯を脅迫する。命が惜しければ被害者から騙し取った金を払うこと。ナオコさん。拒んだら君の元カレ、サトウさんは明日には死ぬ』
と、脅迫してきた。
私は酷く混乱した。振り込め詐欺?脅迫屋?サトウの命?何がどうなってるの?何よりも、
「ナオコって誰よ」
私の名前は金坂澪。大学生だ。断じてナオコじゃないし、サトウなんて知らないし、恋人なんていたこともない。
この覆面男、脅迫する相手を間違えている――!?

 

 

 

と、この人違いから物語りは始まる訳ですね。
普通ならこの後警察に連絡するなり、無視するなりするところなんですが、主人公の澪は極度のお人好しで無駄にお金持ち。赤の他人のサトウの為に要求金額の三千万を払うとアホなことを言い出し、思わず脅迫屋も困惑。『またこちらから電話する』と言い残して電話を切られた翌日、脅迫の本来の相手・葛城菜穂子の遺体が発見されて~・・・・・・で、澪は事件に巻き込まれていき、気づけばテロ事件の渦中へと追い込まれていく――ってのがシリーズ1冊目の大まかな流れ。

出だしの“人違い場面”の二人の応酬がなんとも面白いです。ドラマでどのように再現されるのか楽しみですね~(^_^)
読む前はドラマの紹介などのイメージから「コンビもの」を想像していたのですが、実際に読んでみての印象としては「コンビもの」って感じとはちょっと違いますね。脅迫屋を始めとした“裏家業”の世界に善良な女子大生が関わっていく、いわば“冒険もの”の印象が強いです。


このシリーズ1冊目、三百ページちょっとで五話構成。一~三は一話完結型でお話が進んで、四・五話目でそれまでのストーリーが繋がる構成なんですが、ページも話数も少ないので終盤に向かっての澪の心境の変化になんだかついて行けないと感じてしまいました。ドラマではここら辺の違和感が払拭されたら良いなぁと思います。


原作とドラマとの違い
ドラマでの主要人物のキャストは
千川完二(脅迫屋)―ディーン・フジオカ
金坂澪武井咲
目黒(泥棒)―三宅弘城
栃乙女ハッカー)―島崎遥香
轟雄之介(澪の祖父)―近藤正也

ですが。


現在わかっている原作との大きな違いは千川さんの年齢ですね。原作だと二十代前半ですから。お話上、別段若い必要はないかとは思いますが、千川さんの飄々とした感じがドラマではどう表現されるのか大いに気になるところです。


あとドラマの公式ホームページを見ると、「隣に引っ越してくる好青年」「BAR青龍の二人」やら、オリジナル要素・キャラクターが追加されているみたいです。まぁ原作の内容量が少ないですからね、連ドラでやるにはお話追加したり・膨らましたりが必要なのだと思います。

※追記。ドラマ第1話を観て判明した違いはこちら↓

 

www.yofukasikanndann.pink

 

 

 

シリーズ2冊目『今からあなたを脅迫します 透明な暗殺者』

今からあなたを脅迫します 透明な殺人者 (講談社タイガ)

あらすじ
怪しいナンパ師・スナオと澪が公園の植え込みから生えた自転車の謎を追ううちに、闇金業者と対決することに。しかし、対決相手は謎の事故死を遂げ、その現場では澪の前から姿を消した脅迫屋・千川の姿が目撃され――。

 

 

シリーズ2冊目ですが、この本ドラマでやるのかどうか微妙なところですね。それというのもお話上、脅迫屋である千川さんの出番が少ないんですよ。お話の大部分は澪とナンパ師・スナオの二人が事件を追う流れですからね。千川さんは後半でやっと出てきます。ドラマでやるにしてもキャストの都合上、大きな変更が必要なんじゃないかと。(ディーンさんが不在じゃ色々と問題だよね^^;)


私は一作目よりもこのお話の方が好みです。些細な自転車の謎から闇金業者との対決になっていく過程が面白いです。各章の間にある「幕間」が解明部分で一気に繋がるところも良いですね。


エンターテインメント作品で“脅迫”をして解決させるお話だというので、もっとスカッとするストーリー展開を予想していたのですが、結末部分は割とモヤモヤが残る読後感ですね。悪いヤツが野放しみたいなのも結構あります。シリーズ今後への繋ぎなのかもしれないですが。


原作小説の『脅迫屋シリーズ』は2冊目の段階では「これから面白くなっていく途中」って感じです。発展途上。今月19日にでるシリーズ第3弾ではどうお話が展開されるのか楽しみですね。読んだらまた記事書きたいと思います。

※新刊、読み終わりました~。まとめはこちら↓

 

 

www.yofukasikanndann.pink

 

※一話試し読み出来るみたいです↓

 

 

 

今からあなたを脅迫します (講談社タイガ)

今からあなたを脅迫します (講談社タイガ)

 

 

 

今からあなたを脅迫します 透明な殺人者 (講談社タイガ)

今からあなたを脅迫します 透明な殺人者 (講談社タイガ)

 

 

※新刊はこちら↓ 

今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点 (講談社タイガ)

今からあなたを脅迫します 白と黒の交差点 (講談社タイガ)

 

 

ではではまた~