夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

ゼロの執行人 感想

こんばんは、紫栞です。
名探偵コナン ゼロの執行人』を観てきました~。

300ピース ジグソーパズル 名探偵コナン ゼロの執行人-劇場版青山先生直筆原画ポスターVer.-(26x38cm)

ので、少し感想をば。

 

 

大人気
公開から三週間ほど経っているにもかかわらず、地元ではどこの映画館も一日七回上映していました。一日で七回の上映ってことは、すなわち一日中、朝から夜までずっと上映しているってことで・・・あらためてコナン映画の人気の高さを実感。
どんなメンツで観に行ったのかというと、高校生なんぞすべてガキに見えてしょうがない大人女子三人組で行ったのですけども(三人とも共通して知っている作品がコレしかなかった^^;)劇場でコナン映画を観るのが初めて・・・と、いうかアニメーション映画を劇場で観るのが10年ぶりとかなので、「学生ばっかだったらどうしよう」とか「大人三人は浮くかも」とか若干の心配をしていたのですが、まったくの杞憂でした。
観に行ったのがゴールデンウィーク中日とはいえ平日のお昼だったからか、それとも映画の内容のせいか、子供・学生がいませんでした。大人しかいない。そして女子率が高い。安室さん効果ですかね~。

 

以下若干のネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スペクタクル
コナン映画は大きな爆破があるのが毎度のお約束みたいになっていますよね。この映画もご多分に漏れず爆発していますです。
最初の方にテレビの中のアナウンサーがデカイ建造物のアレコレを説明するシーンがありまして、もうですね観ているこちらとしては「あああ~。この建物、爆破されちゃうんでしょぉ~」と、思ってしまう訳ですよ。で、思った矢先、すぐに爆破!五分後位に。危うく映画館で吹きそうになりましたね(笑)
爆破シーンもそうですが、アクションも事件も大変スケールが大きいものでした。実写の邦画でやられるとしらけるかもですが(ハリウッドならちょうど良いのかも)、アニメならこれくらいやっちゃった方がいいのかもしれないですね。
アクションシーンは色々と物理法則無視でツッコみたくなっちゃいましたけど(^^;)コナン映画、近年はアクションに力を入れている印象強いですね。映画だとホント、コナンの身体能力が超人レベルになる。映画以外ではそんなことないのに・・・。
後半は安室さんとコナンが二人で奮闘しています。アクションのヤマ場が何度もあって面白かったですよ。

 

 

監督と脚本
今作は長年コナン映画の監督をされていた静野孔文さんから、新たに立川謙さんに交代になっているのだとか。今までのコナン映画を全て観ている訳ではないので細かな違いを的確に指摘することは出来ませんが、今までのものより登場人物達の心象風景というか、感情の揺れ動きの表現が強めに、劇的になっているように感じました。アクションシーンもアドレナリンがでまくっている感じ。


脚本は櫻井武晴さんですね。櫻井さんは


『絶海の探偵』

 

 

『業火の向日葵』

 

 

純黒の悪夢

 

 

と、近年のコナン映画の脚本を何本か手掛けていますね。

櫻井さんは、かつてはテレビ朝日のドラマ『相棒』シリーズの主要脚本家の一人で(『相棒』は複数の脚本家が持ち回りで脚本を書く制作方法。ちなみに、他に『相棒』で代表的な脚本家は輿水さんと戸田山さん。櫻井さんと戸田山さんはシーズン13からは『相棒』の脚本は書かれていませんが・・・)他に、同じくテレビ朝日の『科捜研の女』など、ミステリドラマを多く手掛けている脚本家さんです。

私はミステリドラマばっかり観ている人間なので(『相棒』もずっと観てるし)、少なからず馴染みのある脚本家さんなのですが、今作『ゼロの執行人』はコナン映画では珍しく(と、いうか初?)裁判もので公安もの。って、ことで、もう櫻井節が全開でした。
警察内部のややこしい話、体制への不信感、違法捜査・・・・・・もはや『相棒』だよ(笑)


特に上戸彩が声を担当している弁護士・橘境子のセリフは全体的に櫻井さん臭かったですね。ラストの言い返すところとかも。立場的に説明セリフが多いキャラクターなんですが、映画観ながら「今、検察庁って言った?警察庁って言った?」って感じで(^^;)公安の説明が結構こんがらがります。お子様はついて行けないと思う・・・と、いうか、私も私の友達も「はぁ~ん」と流しちゃっていました。
阿笠邸で灰原がやっていることは科捜研みたいだし(阿笠邸の面々の働きは凄すぎた。「おまえらミッション:インポッシブルか」って感じだった)、全体的にテレ朝ミステリドラマ的雰囲気が漂っていましたね。


しかし、公安にたいしての描き方はもはやファンタジーですね。これでは公安は違法捜査しかしないみたいな誤解を招くというか。日本の警察ものは公安に夢見過ぎですよね。前読んだ某小説なんて公安の捜査員はみんな催眠術が使えるなんて書いてあったし(^^;)いや、ホントのところはどうか知りませんけど・・・。

 

 

 

降谷零
今作はとにかく安室さんを全面に推しているストーリー。安室さんは探偵・安室透、「黒の組織」メンバーのバーボン、公安警察の降谷零(本名)と、三つの顔を持つ人物で概要を聞くとなんとも忙しそうなキャラクターでして(でも原作だと意外と暇そう)。安室さんメインってことは「黒の組織」も関係してくるのかなぁ~とかちょっと考えたりもしたのですが、今作は「黒の組織」のバーボンはまったく関係無く、公安警察の降谷零”としての一面が描かれています。


映画見終わった後、開口一番友達が

「安室さんって赤井さんいないとちゃんと仕事するんだね」

と(笑)。

これは『純黒の悪夢』をうけての言葉だと思いますが

 

www.yofukasikanndann.pink

 

私も

「そうだね。原作でも安室さんって赤井さんの追っかけしてる印象しかないもんね」

と返したんですが。

 

今作はまぁ追っかけもせずに(笑)公安警察として大奮闘していました。アクションシーンはかっこよかったですよ。安室さんの顔のアップのセル画にはやたら力が入っていましたしね。


実はよくよく考えると子供相手にかなりえげつない事しているんですが(コナンはもっと安室さんにガチギレしてもいいと思うんだ。あと毛利家にも謝れ)その事実を忘れさせるくらい後半のアクションと画はかっこよかったです。安室さんファンは絶対に観るべしっ!な映画。

カーアクションが多くって安室さんの愛車のRXが大活躍でした。

戦車ばりに頑丈なRX(空飛んでましたからね)、RXのスピードと平行走行できるコナンのスケボー(安室さん、乗せてやれよ)、そのスケボーのスピードに何故か身体が飛ばされないコナン(これは今更かもですが)などなど。ツッコみたい箇所がたくさんありますが、それもまた愉しいところ。映画館で観るのも迫力があって良いですが、家で友達とワチャワチャ言いながら観るのも楽しい映画だろうなと思います。事件部分のストーリーが入り組んでいるので、何度も観るのに適しているかもですね。

 

なんやかんや面白かったです。興味のある方は是非是非。

 

ではではまた~

 

名探偵コナン ゼロの執行人 (小学館ジュニア文庫)
 

 

 

 

 

零 -ZERO-

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