夜ふかし閑談

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『dele(ディーリー)』小説 まとめて紹介 ドラマの原作ではなく”原案”小説?

こんばんは、紫栞です。
今回は本多孝好さんの『dele(ディーリー)』『dele(ディーリー)2』をまとめてご紹介。

dele (角川文庫)

dele2 (角川文庫)

2018年7月27日からスタートするテレビ朝日系連続テレビドラマの原案(?)小説ですね。


あらすじ
「死後、誰にも見られたくないデータを、その人に代わってデジタルデバイスから削除する。それがうちの仕事だ」
フリーランスガキの使い』を自称し、その時々に仕事をしてきた真柴祐太朗は、次の仕事として『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』を選び、採用された。仕事内容は所長であり、唯一の所員である坂上圭司の“足”として動く小間使い――主に依頼人の死亡確認をする事。
淡々と依頼をこなす圭司に対し、祐太朗は死者の記録をこの世から消し去るような仕事に割り切れなさを感じていた。
仕事をする中で、二人は思わぬ真相や事件に直面していく。死にゆく者が削除(dele)を願った記録(データ)。依頼に込められた想いとは?記録と記憶をめぐる、驚愕と感涙のミステリ。

 

 

 

 

文庫
2017年7月に単行本『dele(ディーリー)』が刊行され、

 

dele ディーリー

dele ディーリー

 

 

今年2018年5月に加筆修正の上、文庫化。続けて6月に続編として『dele(ディーリー)2』が文庫で刊行されました。2の方は最初から文庫での刊行なので単行本は無し。一般文芸でも最初から文庫での刊行って最近多いですよね。単行本より文庫の方が気軽に買いやすいですから、本屋に2冊並べて置いてあると、ドラマで気になった人は「ちょっと読んでみようか」となりやすい・・・・・・てか、私もまさにソレで読んだんですけど(笑)


本多孝好さんの作品は前にこのブログで『チェーン・ポイズン』の記事を書きましたが↓

 

www.yofukasikanndann.pink

 

今作も、人と人との繋がりが描かれたヒューマン色が強いミステリとなっております。
連作短編形式で『dele(ディーリー)』は5話、『dele(ディーリー)2』では3話収録。“2”の最後の「チェイシング・シャドウズ」は昔、新薬の治療中に死んだ祐太朗の妹・鈴(りん)についてのお話となっており、他のお話より3倍ほど長いです。

 


新感覚と王道と
“死者のデジタルデータの削除”という題材はなんとも現代的です。今のご時世パソコンに秘密を隠し持っている人も多いですからね。設定も頷けるなぁと。
要は「あの日記だけは誰にも見られたくない!」の、デジタル版ですよね。「アレを処分しないと死ぬに死ねない!」と、いうのを第三者に委託してやって貰えるビジネス。

しかし、パソコン上で操作するだけで削除できるのなら小説としてお話が広がらないし、ミステリにならないじゃん。って感じですが、このお話は依頼人が設定した一定期間、指定したデバイスが操作されないと『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』のパソコン(作中では「モグラ」と言われています)に信号が届いて削除依頼を実行する仕組みなんですが、たまたまの手違いでデバイスが操作されなかった場合、依頼人がまだ生きているにも関わらず削除してしまうと色々と問題が発生するので、確かな死亡確認をアナログでする必要がある。

この死亡確認の過程で思いがけない事件や真相に直面していく訳なんですね。ここら辺の設定が巧だなぁと思いますね。事件捜査以外で依頼人が死んでから動き出す仕事”というのもミステリの中では新鮮かと思われます。

現代的で新鮮な題材を扱ってはいますが、主要人物の二人、真柴祐太朗坂上圭司はコンビ・バディものの典型型です。

クールでビジネスライクな圭司と、喜怒哀楽がハッキリしていて情にもろい祐太朗。性格が真逆。知性派と行動派。静と動。これぞまさに王道ですね。
この作品では圭司が車椅子に乗っている設定なので、より静と動が強調されて感じられます。圭司は車椅子でも大立ち回りが出来る人間ですけどね。でも基本的には圭司の指示で祐太朗が動き回る形。お話の中でクールな圭司が祐太朗に影響受けたり、祐太朗が徐々に圭司に気を許すようになっていったり・・・・・・と、いったコンビものの醍醐味の展開もちゃんとしてくれます。

いやぁ、やっぱり王道は良いですよね(^^)

私はコンビものミステリが大好きでして、色々なパターンのものを観たり読んだりしているんですが、コンビものといえば「性格真逆の二人が、反発しつつも欠点を補い合う」これですっ!(笑)
『dele(ディーリー)』の二人も個人的に凄く好みで気に入りました。ギャグがいっぱいのどつき漫才してくれるって感じではないですが、少しクスっとするような掛け合いがあったりして面白かったです。コンビもの好きにはオススメ。

 


ドラマ
キャストは以下の通り


坂上圭司山田孝之
真柴祐太朗菅田将暉
坂上麻生久美子


坂上舞は圭司の姉で弁護士。「坂上法律事務所」の所長で『dele.LIFE(ディーリー・ドット・ライフ)』の信用保証を担っています。たまに顧客紹介もしたり。
小説版同様、ドラマも主要人物はこの三人のみで、他キャストは毎回ゲストという形だと思います。

さて、この『dele(ディーリー)』なのですが、いまこの記事で紹介している小説はドラマの原作本ではありません。
ドラマは小説版の作者である本多孝好さんが原案・パイロット脚本に初挑戦とのこと。ここで注目したいのが“原作”ではなく、“原案”となっているところですね。どうやら設定と主要キャラクターを引き継ぐだけで、各話のお話の内容は小説版とはまったく別物になるみたいです。


ドラマ制作でのお話が先にあって、そこから小説版を書いたということなんだそうな。小説は派生作品?って事なのですかね。ドラマ企画は何でも二年前からのプロジェクトなのだとか。制作側の気合いを感じますね!

 

そして、脚本も本多さんが一人で書かれるのではなく、金城一紀瀧本智行青島武渡辺雄介徳永富彦などの方々が各話担当されるのだとか。他、監督や音楽も著名な方々が担当されるそうです。
小説で描かれている設定を基盤として、1話完結の人間ドラマを描く形式のようです。完全に小説とドラマは別物で楽しむ作品のようですね。しかし、各話脚本家さんが違うってことですと1話ごとに結構雰囲気が変わるのかもしれないですね~。ドラマ制作的にも新しい試みらしいので、もはや違いを楽しむ趣向なのかな?
ここ近年、テレ朝は深夜枠のドラマ攻めていますよねぇ・・・・・・。

 

以下若干のネタバレ~

 

 

 

 


続編
が、あったら良いな~と思ってしまうのですが・・・・・・・。


うぅん。でも2でお話としては綺麗に終わっている感じなので無理かな・・・(-_-)

 

上記したように、読んでいて個人的に主要人物2人の事がかなり好きになってしまっていたので(^^;)『dele(ディーリー)2』での最終話の終わり方はせつなくて寂しくて・・・(T_T)

 

いつか遠くない未来に・・・・・・

 

の、その未来が見たいんですけど!と、なってしまう訳なんですが。
タイトルに“2”ってついているだけで、文庫の帯や裏表紙の説明書きにも“完結”とは書かれていないので少~し期待してしまうのですよ・・・・・・!もし続編が出るなら絶対に読みます!・・・でも、やっぱり無理かしら(^^;)

 

最終話のお話、驚きの真相もさることながら、終盤の締め方は感動的で少しウルッと来ちゃいました。圭司との事はもちろんですが、祐太朗が妹との思い出を遙那と話しているシーンが切なかったですね。この会話部分に“記憶”と“記録”をめぐるお話である今作の“想い”が詰まっていると感じます。


そういえば、小説版には祐太朗の亡くなった妹の友人だった「遙那」が登場するのですが、ドラマでは登場するのでしょうか?公式サイトを見ても名前が見つからないのですが・・・。あと祐太朗が飼っている猫の「タマさん」も気になるところ。
登場しないとなると、ドラマでは祐太朗の妹のお話自体やらないのかもしれないですね。ストーリーはもう完全オリジナルなのかも。


小説とドラマはまったく別物だとしても、パラレル的感覚で楽しむ事が出来ると思います。ドラマとかもう一切関係なく、普通に小説単体で十分に面白い作品ですので、色々な方に読んで貰いたいですね~。特にヒューマン、ミステリ、コンビもの好きな人にオススメ。
“記録と記憶をめぐる物語”
是非是非。

 

dele (角川文庫)

dele (角川文庫)

 

 

 

dele2 (角川文庫)

dele2 (角川文庫)

 

 


ではではまた~