夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

『犯人たちの事件簿』6巻 感想 ファイルシリーズ完結!

こんばんは、紫栞です。
今回は金田一少年の事件簿シリーズの犯人視点スピンオフ漫画金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』6巻の感想を少し。

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(6) (週刊少年マガジンコミックス)

この表紙はKC27巻のパロディ。

金田一少年の事件簿 (27) (講談社コミックス (2488巻))

27巻はFILEシリーズの最終巻なので、このような如何にも最終刊っぽい画になっています。(実際はコミックスのデザイン変えて続けてるだけなんですけどね・・・)

 

6巻に収録されている事件は異人館ホテル殺人事件」「墓場島殺人事件」「速水玲香誘拐殺人事件」の三つと、ファイルEXとして短編の「氷点下15度の殺意」とオマケの「オーナーの事件簿」など盛り沢山。「オーナーの事件簿」が描かれているぶん、いつもの著者・船津さんによる実録漫画・「華麗なる仕事場日記」は今巻にはありません。

 

 

 

 


ファイル15異人館ホテル殺人事件」(本家ではファイル7)

 

 犯人:不破鳴美(本名・北見蓮子)
佐木が殺されたり、金田一が一時的にとはいえ逮捕されたりと結構衝撃的な事柄が多いが、何故かシリーズの中では存在感が薄い・・・ような気がする「異人館ホテル殺人事件」。(トリックは割と評価が高いですけどね)


この事件は本家では「麻薬、ダメ!絶対!」というメッセージ(?)が込められたものだったんですよね。発売当時に読んだときは私は幼少で麻薬自体あんまり知らなかったので、危険性とか書かれてもよく分らなかった覚えが。この犯人視点では事あるごとに「シャブやってんの?」と出て来て「やめれ」って感じ(笑)。


キャリアの権力ふかせまくりで金田一もタジタジだった事件ですが、解決編で明智さん呼ぶのは読んでいた当時、私も意外だった。この作中で不破さんも思っているように「あ、権力には権力で対抗するのね」っていう(^_^;)明智さんは本家だと「雪夜叉伝説殺人事件」以来二回目の登場でした。

 

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雪夜叉の時は嫌な人全開で小者感が漂っていましたが、この登場以降ドンドンと存在感のある人気キャラクターに。


解答編のお芝居ですが、これ不破さんもそうですが、美雪が中々白熱の演技を披露していた。

 

 

 


ファイル16「墓場島殺人事件」(本家ではファイル14)

 

金田一少年の事件簿File(14) (講談社漫画文庫)

金田一少年の事件簿File(14) (講談社漫画文庫)

 

 犯人:檜山達之森下麗美
爆弾だのが出て来るサバイバルな状況下で本格推理漫画が展開される事件。共犯モノというのは明らかにされると推理物好き人間は少しガッカリした気分になるものですが、犯人視点だと犯人同士であーだこうだ言っていて面白い。「飛騨からくり屋敷殺人事件」とかもそうですね。

 

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檜山と森下は恋人関係ということで終始イチャイチャしています。うざいくらい(笑)。コントみたいなやり取りを繰り広げている。森下が怒るシーンが可笑しかったですね。女子特有の怒り方ですよ。男性が困るヤツ。
この事件では「犯人はこの中にいる!!」を二回しています。二回目の犯人指摘展開は確かにかなり「ためるじゃねぃか・・」だった。本家のKCコミックスでは次巻に持ち越しシーンだったのさ・・・。

 

 


ファイル17速水玲香誘拐殺人事件」(本家ではファイル19)

 

 犯人:安岡真奈美
本家のFILEシリーズ最後の事件。犯罪コーディネーター高遠が初お目見え回ですね。

高遠さんに振り回される実行犯を安岡さんが熱演。高遠さんに言われるまま金田一連れてきていますが、実行犯にしてみれば正に「名探偵・・・・わざわざ連れてくる必要ある・・・・?」ですよね。金田一連れてこなければ最後に毒殺されることもなかったろうに・・・少し同情する(^^;)。

最後、紅茶飲むのはともかく、砂糖入れて味を調えるのはやっぱ不自然ですよね~。「こんなタイミングで丁寧に砂糖を入れて味を調えた紅茶が飲みたい気分を押さえられない・・なぜ?」ホント、何故(笑)。


毎度の敗因を語る場面で「これでファイルシリーズもできる分は終わったわけでしょ」とのセリフが。ちゃんと“できる分”と言っていますね。そう、本家二作目の異人館村殺人事件」が抜けているのですよ・・・。ぶっちゃけまくりな今作ですが、やっぱり異人館村は大人の事情で無理なんですねぇ・・・。


※「異人館村殺人事件」の大人の事情については詳しくはこちら↓

 

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ファイルEX「氷点下15度の殺意」(本家では短編集1巻収録)

 

 犯人:鈴森笑美
ここに来て短編の事件をやるとは意外。1話のみでのお話ですね。本家の中でもこれ以上ないくらい「めでたしめでたし」だった事件。「人一人殺そうとしたのに良いのかそれで」と当時読んでいた私も疑問だった・・・。
「墓穴からの墓穴・・・・」が可笑しかったです。ほとほと自らヒント与えちゃっている犯人ですよね。短編なだけあって小者感漂う。

 

 

 

 


「オーナーの事件簿」
オマケ的漫画で、オペラ座館の黒澤オーナーが【金田一37歳の事件簿】の「歌島リゾート殺人事件」を読んでワチャワチャやる内容。
黒澤オーナーが言っている諸々の驚きや感想は私が「歌島がまた出て来る」と聞いた時のものとほぼ同じで黒澤オーナーに完全同意です(^_^;)

この記事や、

 

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この記事にも書きましたね・・・。

 

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一人目は照明の下敷きになって死ぬと思っていたのに、絞殺だったときの驚きとかも、ホントそう。「ドラマ化希望だよ!!」は切に願う。日テレ様、お願いします。

 

 

そんな訳で、本家のファイルシリーズは(一作抜かして)すべて終わったこのスピンオフ漫画。この後どうなるのかと思いきや、そのままCaseシリーズの方を引き続きやってくれるそうです。
※FILEだのCaseだののシリーズの別れ方について、詳しくはこちら↓

 

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そして只今、金田一少年の事件簿と犯人たちの事件簿一つにまとめちゃいました。」と、いうタイトル通りの組み合わせ本が電子書籍限定で配信されております。

 

 やっちゃいますか・・・コレを。確かに概在ファンも初読の方もとんでもなく楽しめるでしょうが・・・本家の余韻はゼロになること請け合いですね(^^;)。

 

 

 

次巻7巻は2019年秋発売で「摩犬の森の殺人」「露西亜人形殺人事件」「銀幕の殺人鬼」収録予定とのこと。Caseシリーズも好きな事件一杯ありますので、引き続き読んでいこうと思います!

※7巻の詳細はこちら↓

 

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ではではまた~