夜ふかし閑談

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『犯人たちの事件簿』7巻 感想 Caseシリーズ突入~

こんばんは、紫栞です。
今回は金田一少年の事件簿シリーズのスピンオフ漫画金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(7)』をご紹介。

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(7) (講談社コミックス)

今回はKCコミックの【金田一少年の事件簿】Caseシリーズの第1巻(全体で数えるなら28冊目)の表紙パロディ。

金田一少年の事件簿 (Case1) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (2551巻))

この『犯人たちの事件簿』も前巻でFILEシリーズが終わり、

 

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この7巻からはCaseシリーズに突入です。

コミックスのデザインも本家に合わせてリニューアルですね。デザインがリニューアルされても、やっていることは同じ。今までと何ら変わらずの殺人事件漫画が繰り広げられています。ま、それは本家も同じですが。


本家では、FILEシリーズのときは1つの事件が次の巻をまたぐことがしばしばだったのですが、Caseシリーズでは読んでいてキリが良いように一冊、または二冊きっちりに終わるようになっています。なので、コミックの表紙と背表紙に事件名が大きく書かれているデザインでした。ページの制限があることが事件の詳細を描く上で困難で窮屈だと作者サイドの方で思うところがあったらしく、〈20周年シリーズ〉金田一少年の事件簿R〉の方ではFILEシリーズと同じく事件が巻をまたぐ仕様に戻っています。

※【金田一少年の事件簿】の各シリーズの詳細について、詳しくはこちら↓

 

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この『犯人たちの事件簿』7巻では、「摩犬の森の殺人」「露西亜人形殺人事件」「銀幕の殺人鬼」の3つの事件と、巻末に作者の船津紳平さんの実録漫画「新 外伝煩悩シアター」の四コマ3本収録。デザインの関係上、表紙に「摩犬の森の殺人 他」と書かれていますね。他にも本家のコミックスをパロディした“遊び”が細部にありますので、比べると楽しいです。

この表紙絵、一瞬「後ろの茶髪は誰?」と、思ってしまったのですが、千家ですね。千家は本家ではカラーイラストがなく、アニメだと黒髪でオデコのほくろもなくなっている(それだと見た目的に原作とはほぼ別人じゃんね)ため、原作のトーン髪のイメージを重視して茶髪になっているようです。どちらにしろ、カラーだと別人のようですね。

 


●ケース1「摩犬の森の殺人」(本家では20件目)

 

 犯人:千家貴司

KCコミックではCaseシリーズから巻数の表記を変えていますが、講談社文庫版ではfileで統一されています。本家ではCaseシリーズの1巻ですが、【金田一少年の事件簿】の全体では20件目の事件。ややこしいですよね、ホント・・・(^^;)。

「首吊り学園殺人事件」のときから金田一の友人として登場していた千家が犯人だったことで有名な事件。当時・・・と、いうか、今もこの犯人については色々と言われてしまいますね・・・。
犯人もさることながら、犬をフル活用したトリックというのが斬新でした。実現性は別として。この漫画での千家も犬の躾とエサ代に苦労しています。まぁそうですよね・・・あれだけの犬の数だから・・・。


この事件では本家でも導入部分の悪のりが過ぎていました。美雪、キノコでラリって家に火つけているし。普通に重罪もの。それにしても、当時本家読んだときも思いましたが、キノコ混入がなくとも元々千家は八尾の別荘を燃やす予定だったというのは、あまりにも酷い計画ですよね。目的が単に研究所の医学生たちと自然に合流するためってだけだし・・・。八尾が可哀想すぎる。
最後の犬たちの行動は確かにおかしい。本家だと感動的なシーンなので思わず流されてしまうのですがね・・・。
「と・・とりあえず金田一の横で仲間感出しとくか・・・・」に凄く笑いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

●ケース2露西亜人形殺人事件」(本家では24件目)

 

 犯人:桐江想子

高遠さんが犯人側の人間ではなく、事件に巻き込まれる第三者として登場する作品。

最終的に金田一と高遠さんとで協力して犯人を追い詰めるのですが、二人が仕掛ける罠が二重三重と手が込んでいて、犯人の桐江想子としては戦々恐々だろうな、そりゃ。と、思う・・・。金田一に加えて高遠さんじゃ、分が悪すぎますよね。窓開けっ放しにして人形を濡らしてしまったのと、幽月さんを殺してしまったのが想子さんの最大のミス。でも、行き当たりばったりの犯行にしては、この二人相手によくやったよ・・・と、言いたい・・・。


作中に出て来る、牛乳の膜で睡眠薬入りの砂糖を包むというアイディア?トリック?もなにかと話題でしたね、当時。「そんなに上手く出来るのか!?」と実験してみた読者は結構な数いると思われます。私の家は低脂肪乳しかなかったんで実験出来なかった・・・(^_^;)。

この漫画で想子さんが言っているように、かなりトリッキーな発想なんですが、金田一は腹の立つドヤ顔で難無く実証してみせています。恐ろしい・・・。痴漢から助けるために神明先生にブランデーの瓶を頭めがけて落す金田一は暴力的。本家では軽い描写でしたが、下手すりゃ死んでる。恐ろしい・・・。

 

 

 

 


●ケース3「銀幕の殺人鬼」(本家では21件目)

 

  犯人:遊佐チエミ

これ以上ないくらいに典型的な物理トリックが用いられる事件。

この漫画で遊佐チエミが「自分で考えておいて何だけど・・・・できるか!このトリック!!」と言っているように、普通は人を殺そうってときにこんなトリック考えないし使わない。でも本格推理モノなので、1%でも実行できる可能性があるならあえて奇抜なトリックを使う。夜の学校で何度も練習したというのは本家でも記されていまして、大変な努力だなぁと思った。


被害者が殺される前に説明的な独り言をベラベラ言うのもミステリの“お約束”ですね。
黒河さんみたいにオカルトチックで思わせぶりな発言をする痛々しいキャラクターが登場するのも、ミステリの定番。こうやって考えてみると、この事件は「これでもか!」というくらいにベタベタな本格推理モノだったんですね(比較的、いつもそうかもしれませんが)。しかし、美人だから雰囲気に呑まれるけど、いま読むと黒河さんみたいな先輩がいたら後輩としては確かに恥ずかしいだろうなぁと思う・・・。


あと最後のコップの水の色が変わるヤツね・・・。私も本家読んだとき、何でワザワザ血を連想させる色にするんだよと思った。ホント、犯人いじめなホラーショーですよね。

 

 

 

と、いった感じで、Caseシリーズに突入しても今までと同様にとても面白おかしく、懐かしく楽しい7巻でした。
※本家とセットで楽しみたい方はこちら↓

 

 

次巻、8巻は2020年春頃発売予定で、「天草財宝伝説殺人事件」「怪奇サーカスの殺人」「金田一少年の決死行」が予告ページを見た感じでは収録予定かと。たぶん「雪影村殺人事件」も入ると思うのですが。それだと次巻でCaseシリーズは完結ですね。


ここまでくると全ての犯人たちの苦労を見たいような気になるというもの。このスピンオフ漫画にはまだまだ頑張って欲しいです(^o^)。

 

 


ではではまた~

 

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