夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

2021-01-01から1年間の記事一覧

『アヒルと鴨のコインロッカー』小説・映画 ネタバレ解説 タイトルの意味とは?

こんばんは、紫栞です。 今回は伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』をご紹介。 あらすじ 大学新入生の椎名は、引っ越してきたばかりのアパートでボブ・ディランの『風に吹かれて』を口ずさんでいた最中に隣人の青年・河崎に声をかけられる。河崎…

『後巷説百物語』6編 あらすじ・解説 シリーズ第三弾。百介の百物語、完結!

こんばんは、紫栞です。 今回は京極夏彦さんの『後(のちの)巷説百物語』をご紹介。 “あれ”から四十年後 江戸時代を舞台に、御行の又市率いる一味が公には出来ぬ厄介事の始末を金で請け負い、妖怪譚を利用した仕掛けで八方丸く収めていく一話完結型の妖怪小説…

『人間昆虫記』ネタバレ・解説 手塚治虫が描く悪女の生き様

こんばんは、紫栞です。 今回は手塚治虫さんの『人間昆虫記』をご紹介。 あらすじ 恒例の芥川賞の授賞式がプリンスホテルで行われた。受賞したのは十村十枝子(本名、臼場かげり)。十枝子の堂々とした美しい姿がテレビで放送されているのをみながら、彼女の本…

『スウェーデン館の謎』あらすじ・感想 雪の夜、館で起きた哀しい事件

こんばんは、紫栞です。 有栖川有栖さんの『スウェーデン館の謎』をご紹介。 あらすじ 小説の取材で雪深い福島の裏磐梯のペンションに宿泊していたミステリ作家の有栖川有栖は、童話作家・乙川リュウの館、地元の人間がスウェーデン館と呼ぶログハウスに招か…

『私の頭が正常であったなら』8編 あらすじ・感想 失った者たちの奇談集

こんばんは、紫栞です。 今回は山白朝子さんの『私の頭が正常であったなら』をご紹介。 『私の頭が正常であったなら』は2018年に刊行された短編集。2021年1月に文庫版も発売されました。文庫版だと宮部みゆきさんの解説が収録されているようです。 私の頭が…

『イニシエーション・ラブ』小説・映画 ネタバレ解説 ”最後二行”で全ては変貌!仰天恋愛小説

こんばんは、紫栞です。 今回は乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』をご紹介。 あらすじ・概要 『イニシエーション・ラブ』は2004年に刊行された恋愛小説。乾くるみさんは【タロウ・シリーズ】というタロットをモチーフにしたシリーズを書かれているの…

『続巷説百物語』6編 あらすじ・解説 シリーズ第二弾!敵は”死神”

こんばんは、紫栞です。 今回は京極夏彦さんの『続(ぞく)巷説百物語』をご紹介。 『続巷説百物語』は江戸時代を舞台に、御行の又市率いる一味が公には出来ぬ厄介事の始末を金で請け負い、妖怪譚を利用した仕掛けで解決させていく妖怪小説のシリーズ【巷説百…

木内一裕 『ドッグレース』矢能シリーズ第4弾!今度はヤバい人捜し!

こんばんは、紫栞です。今回は木内一裕さんの『ドッグレース』をご紹介。 あらすじ ドラッグ密売人の児島康介は、ある日顧客の一人であるガスからドラッグ料金の代わりとして高級腕時計とネックレスを受け取った。翌日、人気俳優・松村保と歌姫・夏川サラが…

『復讐の協奏曲(コンチェルト)』あらすじ・感想 シリーズ5作目。明かされる洋子さんの謎!

こんばんは、紫栞です。 今回は中山七里さんの『復讐の協奏曲(コンチェルト)』をご紹介。 あらすじ 三十年前、十四歳のときに5歳の少女を惨殺し、〈死体配達人〉と呼ばれて少年院に入った過去を持つ弁護士・御子柴礼司。〈この国のジャスティス〉と名乗るブ…

『騙し絵の牙』ネタバレ・感想 映画化される”あてがき”小説!

こんばんは、紫栞です。 今回は塩田武士さんの『騙し絵の牙』をご紹介。 あらすじ 出版大手の薫風社でカルチャー誌「トリニティ」で編集長を務める速水輝也。憎めない朗らかな笑顔と、才知に長け、瞬時に場を和ませるユーモラスな会話。“天性の人たらし”とい…

『巷説百物語』7編 あらすじ・解説 シリーズ開幕の第一弾!

こんばんは、紫栞です。 今回は京極夏彦さんの『巷説百物語』をご紹介。 江戸時代を舞台に、御行の又市率いる一味が公には出来ぬ厄介事の始末を金で請け負い、妖怪譚を利用した仕掛けで解決させていく妖怪小説のシリーズ【巷説百物語シリーズ】。『巷説百物…