こんばんは、紫栞です。
逢坂剛さんの百舌シリーズ『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』を読みました。
『MOZU』の題名でドラマ化されたシリーズですね。
なんで今さら読んだのかというと今期ドラマの『クライシス』観て連想したからですね(安易)私はTBSで放送された分の『MOZU』は当時チョロチョロ観てましたから(クライシス観てMOZUを連想した人はいっぱいいると思われる・・・)。
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「はて、ドラマとどれだけ違うのじゃろ~」と読み始めましたが・・・ぜんぜん違いますね。ビックリ。
最初の『百舌の叫ぶ夜』は大まかな話の流れはまぁ同じかなぁといった感じですが(でも場面展開や登場人物の数も名前も違うので“面影がある”程度)。続編の『幻の翼』にいたっては完全に別物と言っていいでしょう。
お話は公安警察モノで主に倉木、美希、大杉の3人の捜査官に殺し屋の“百舌”が絡みつつ、事件に隠された陰謀が暴かれていくストーリー。
ドラマでは倉木が西島秀俊、美希が真木よう子、大杉が香川照之、殺し屋の“百舌”を池松壮亮がそれぞれ演じていました。 ドラマでは舞台設定が現代ですが、この原作の『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』も30年ほど前に書かれた作品でまぁ古いです。パソコンとか携帯電話とか出てこないし。不良学生はスケバンだし。当然犯罪形態も今と違うので、現代版でやるとなったら大幅な改変が必要だとは思います。
『幻の翼』の方は北朝鮮の拉致問題が出てくるんですが・・・なるほど、30年前はこの事実はあまり一般には知れ渡ってなかったんだなぁ~と。小泉総理のときに一気に広まったって感じですかね?拉致被害者が多い新潟県ではそれよりずっと以前から県民みんなが知っている行為だったんですけども。私は新潟県民ですが、前に他県の子が「小泉総理が色々言い出すまで拉致問題って全然知らなかった」とか言ってるの聞いて驚きました。大抵の日本人は知ってるもんだと思っていたので。他県ではそうなのね・・・。
あとロボトミーが出てくるのは凄い時代感じる。今じゃ絶対やらない手術ですからね。精神病院が牢獄のように描写されているのも時代のせいかしら(今だって実際のところはどうだかわかりませんが・・・)。
ドラマを観たものからすると、一番の驚きは倉木と美希のラブストーリーがガッツリ展開されるところですねやっぱり。
一作目の『百舌の叫ぶ夜』読んだときも「あら、思ったよりラブが展開するのね~」と思ったものですが、『幻の翼』なんてもう・・・作中で“男に惚れた女にはきをつけろ”と出てきますが、もう、ホントにね(笑)美希の行動力は皆の想定外だった・・・。脱帽じゃよ。
本の説明文見るとサスペンスと書いてありますが、“百舌シリーズ”はハードボイルド小説だと思われます。倉木の人物設定がいかにもハードボイルド的ソレなので。クールでアウトローで屈強な精神を持ち、周りに「コイツはただもんじゃねぇ・・・!」みたいに思わせる威圧感があって、そのくせ優しいところがある――みたいな。
こうした男性が主役のハードボイルド小説だと女性はほんの添え物的に描かれてしまうのが多いですが、この明星美希は良い意味で大暴れしてくれます(恋のパワーでね)。そうした部分のおかげで女性も読みやすい小説だと思いますよ。
ハラハラさせられるストーリー展開はもちろんですが、ミステリーとしての作り込みも精密なので、要素がいっぱいあってジャンル分けが難しいですね。それで“サスペンス”なのかしら。
『百舌の叫ぶ夜』に比べ、『幻の翼』の方は倉木の出番というか、活躍が少ないです。倉木と美希の二人が窮地に追い込まれるので、読者は「大杉警部補~!アンタだけが頼りや~!」となります。結果、大杉警部補を好きになる(笑)
ドラマで長谷川博己が演じていたチャオ東(笑)や伊藤淳史が演じていた鳴宮がいないのは残念ですが(ナイスキャラクターでしたよね)
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小説は小説で別の面白さがあります。シリーズ三作目も本を手に入れたら是非読みたいです(^_^)
ではではまた~