夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

清水玲子『秘密season0』5巻・6巻〈増殖〉 感想・あらすじ

こんばんは、紫栞です。

今回は清水玲子さんの『秘密season0』5巻・6巻〈増殖〉の感想をば。

 

秘密 season 0 5 (花とゆめCOMICSスペシャル)

秘密 season 0 6 (花とゆめCOMICSスペシャル)

 

表紙絵がまた美しいですが・・・6巻はともかく、5巻の表紙はなんか誤解を受ける・・・(誤解じゃないのか?)中身が事件捜査ものだとは思えない表紙ですね~。わりと毎度のことですけど(^_^;)

サブタイトルは〈増殖〉で2巻・3巻の〈原罪〉の時と同様に二冊にわかれての同時発売。

私、本屋で間違えて一冊だけ買うところでした(手にとって「あれ?今回薄いな?」と思って横見て気付いた)個人的にはぶ厚くなってもいいから一冊にまとめれば良いのに~とか思っちゃいますが・・・ま、色々出版するにあたっての事情があるんですかね。

 

 

あらすじ

あの映画を見たら死ぬ――。

2067年。ホラー映画祭で上映された「見えないともだち」を鑑賞した人が次々と全国各地で死亡する事件が発生する。MRIで脳映像を見たところ、死亡した人達は皆死の直前に謎の幻覚を見ていた。

映画祭で何らかの「ウィルス」又は「細菌」に感染したのではとの推測から映画祭で出された「ホラーフード」の業者への立入検査が入るも何も異常は見つけられず、原因を究明出来ないまま捜査は振り出しに。SNSでの噂と死者の数だけがふくれ上がっていく――。

 

 

今回も非常に面白かったですね~!『秘密』シリーズは出版が年1ペースなので出たときは毎回意気込んで読むのですが、いつも期待を裏切らない“デキ”で感心します。

※シリーズについて、詳しくはこちら↓

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前巻の〈可視光線〉とはうって変わって今回の話はスリリングな展開が多くてハラハラいたしました。

 

見たら死ぬ・・・・・・って「リング」をすぐに連想しますが(今の十代は連想しないかもしれないが)作中でも「リアル・リング」の通称で噂が拡大していく様が描かれています。この「リングもどき」から話しはプリオン感染、そしてカルト教団へ。

 

 

 

 

 

 

以下ネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プリオン病ふたたびで2巻・3巻〈原罪〉で登場したタジク・シャマールふたたび。この人また出てくんのかと驚きました。アレきりだと思ってたんで。〈原罪〉も今回の〈増殖〉も今後のシリーズの展開に関わってくるのかも知れません。伏線はすでに随所に張り巡らされているのかもかも。

 

序盤、かつての「第九」メンバーが勢揃いで嬉しかったです(モニターごしだけど)なんだかギャグが多かった気がしますね。

阿部定がTVから何かを切りに出て来るとか」って薪さん見た目は若いのに発想が古風だよね。エンタメ作品より史実の事件の方が詳しいということなのか?

青木が薪さんに指図するところ、岡部さんの心情凄くよくわかる(笑)この三人での場面いつも好きです。岡部さんが右往左往している感じが(笑)薪さんと青木だけだと雰囲気が変な方向に行きがちだしね・・・。

また泣いてる青木。また叩かれてる青木。泣くんじゃねー!男だろ。

タジクに「つまらない」「凡庸」言われてだいぶ取り乱してましたけど、過去にそのような理由で女にふられた事でもあるんだろうか。私は青木、全然“普通”ではないと思いますけど。

最強女子・波田野のパワーもあがっていますね。「所長も室長もみなさんスゴイですーっ♡」って言ってるけど、ある意味一番スゴイのはお前だとか思う(笑)

山城にとっては過酷すぎる事件でしたね。読んでて辛かったです。山城、今後大丈夫なんだろうか。仕事続けられるのかな~(-_-) 

 

 

 

エアミストでの感染はお話の初っぱなで「ドライミスト」への言及があるので気付きやすいですね。

後半、事件はカルト教団一色に・・・。私としては「うぁ!カルト教団キタ!」って感じなんですが。ミステリーだとよく題材に扱われますからね。カルト教団ものだと事件内容に洗脳とか入ってきて吐き気がするようなのが多いんですよね~。

カルト教団の教祖のご多分に漏れず、ハーレムを形成していた児玉良臣ですが(ここら辺も吐き気がする)、別に美人を侍らせていた訳ではないらしい。(いや、幹部以外には美人の信者もいたのかもしらんが)ここら辺が妙にリアルですね。

あの両親から光君のような美形が生まれてくるとは思えないのですが・・・それとも若い頃は児玉も美形だったのかな?

 

ラストの子供達が超恐い。ホラー映画のようだ。

カルト教団って実際のところ完全に根絶やしにするのは難しいんですよね。お話で扱う以上は後味が悪くなるのは必須なんだろうなと。園児達はこの後の行き先はバラバラになるとは思うのですが・・・。光君は何年後とかにまた出てきたりするのかな?非常に恐い感じに成長しそう。今だって十分恐いし。

 

児玉を絶命させたの、結局青木が打った弾なのか岡部さんが打った弾なのかわからずじまいですよね。波田野は青木の方だって確定させていましたけど。確かに状況的には青木の方かな~とは思いますが・・・どうなんだろう。今後またこの場面に触れることあるのかな?

 

 

後味は悪い・恐いお話ですが読みごたえたっぷりのサスペンスを楽しめました。

次回のお話は〈冬蝉〉って題名で鈴木が登場するみたいです。また楽しみに1年待つとしますか(^_^)

 

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ではではまた~