夜ふかし閑談

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『金田一37歳の事件簿』4巻 あらすじ・感想 ”ベタ”がてんこ盛りの華道家事件

こんばんは、紫栞です。
今回は2019年6月21日に発売された金田一37歳の事件簿』4巻をご紹介。

金田一37歳の事件簿(4) (イブニングKC)

 

今回も今までと同様に限定版と通常版での二形態での刊行ですね。
通常版は680円。

 

金田一37歳の事件簿(4) (イブニングKC)

金田一37歳の事件簿(4) (イブニングKC)

 

 

限定版は金田一キャラクター扇子」「特性京風小箱」がついて1998円。

 

 

なんだかまたかさばる物つけたなって感じですが・・・。

今巻に収録されている事件は京都が舞台なので京都風味な特典のようです。小箱はボール紙で出来た引き出し付きのもの。うぅん。やっぱり通常版の倍以上の値段というのはお高いんじゃないかなぁという気が(^^;)。

今回は通常版と限定版で色味の違いが今までと比べるとちょっと分りづらいですかね?背景の青っぽい方が通常版で、紫っぽいというか暗い方が限定版。

 


収録内容は前巻からの「タワマンマダム殺人事件」

 

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が1話と、他は新章の「京都美人華道家殺人事件」が全てを占めています。

「タワマンマダム殺人事件」ですが、やっぱり後1話のみでしたね。1話だけならやっぱり前の巻で入れちゃった方が良かったのでは?と思います。
頭が固いので、殺人の犯行動機がギャグっぽいのはあんまりよろしくないなぁとなってしまいますな。真面目な方(?)の犯行動機はお受験の合否関係。受験の合否関係での動機って金田一少年の事件簿「血溜之間殺人事件」でもありましたね。

 

 

最後に真壁先輩が金田一を飲みに誘っているのがホッコリする。真壁先輩、丸くなったもんだ・・・。20年取ればてば角も取れてくるもんですかね。

 


さて、今巻は「京都美人華道家殺人事件」がメインですね。
では簡単にあらすじを・・・

 

音羽ブラックPR社の営業部主任・金田一一と部下の葉山まりんは、インバウンド向け京都伝統文化イベント企画のために京都の有名な華道家である赤池流家元・京極家を訪れた。
色々と複雑な事情がありそうな京極家の離れに都合により泊めてもらうことになった金田一とまりんだったが、その夜、金田一枯山水の中庭が見える風呂場の窓から庭石の上に横たわっている死体を発見する。枯山水に残っていた足跡は被害者のものだけ。はたしてこれは自殺なのか、それとも“足跡なき殺人事件”なのか。
一同が困惑に包まれる中、さらに謎を深める第二の事件が発生して――。

 

 

 

 

 

 

てんこ盛り
タイトルに“美人”ってついているの、なんだか週刊誌の見出しっぽい(笑)。
華道の名家、複雑そうな人間関係、双子、足跡なき殺人、首なし死体、見立て殺人・・・・・・と、色々とてんこ盛りで本格推理好きはワクワクするワードが目白押しですね。このベタな感じ、私は好みです。
古式ゆかしいミステリの雰囲気ではありますが、“リベンジポルノ”という近代的(?)な単語も出て来ます。しかし、この裸の画像の絵、もっと綺麗にというか丁寧に描いて欲しいですね。ほぼ一ページ使っての画なのだし・・・(^^;)。

 

今作ではコミックス第1巻特装版付録の「容疑者になれる権」の当選者の名前が作中で使われています。

 

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仲働きの浪風千紘として登場。京都らしい名前で今回の事件にあっていますね。
この千紘さんと板前の辻森さんですが、いくら話の都合上とはいえ、客人である金田一とまりんちゃんにベラベラ家の内情を喋りすぎですね。喋るだけではなく、リベンジポルノの画像だと言って、さっき対面した人のあんな身体のすべてが丸写しになっている写真見せるとか・・・・・・人として良識がなさすぎるんじゃ。それほど雇い主に鬱屈が溜まっているということなんでしょうか。

 

 


双子
本格推理もので双子が出て来るからにはトリックやらどっかしらに双子なのを利用した仕掛けがあるはず。
今のところ見当がつくのは、リベンジポルノの画像の主が妹の桜子ではなく姉の薫子の方なのかなぁぐらいですかね。薫子は精神的に追い詰められていた描写もありますし。
双子の美人姉妹で華道家って、金田一少年の事件簿の短編集2巻に収録されている「½の殺人者」と設定が被っていますね。

 

 ※文庫版の方だと短編集1巻に収録されているようです↓

 

 

姉の方がおとなしい性格で、好き勝手している妹の方が生け花の才能があるというのも同じ。そういや、茅さんは37歳の事件簿の方には登場してくれるのだろうか・・・。

 

 


ヒント
犯人特定のヒントとしては犯人が右腕を被害者に噛まれている点。

ハエ叩きのシーンがわざわざ描写されているのも腕を見せるためですかね。だとすると妖しいのは弟弟子の黒樹ですけど。電話掛ける際に丁度犯人が噛まれたあたりの腕部分が肘当てみたいなので隠れていましたしね。


あと、宗家の雁流が口走った「サイコやないか?」ですね。多分このセリフを聞いたから犯人は雁流を殺すことにしたんだと思うんですけど・・・。京都弁の独自の言い回しかなにかでしょうか?言う前に咳き込んでいたのがヒントなんでしょうけど、これはサッパリ見当もつきませんね。花粉とか香とかかな?

 

 


期待したい
4巻は犯人が雁流を殺そうとしているところで終わっています。この事件は結構長くなりそうな予感。次の5巻を丸々使って終わるかどうか微妙なところですね。

今巻ではまだ美雪は相変わらず金田一とライソで連絡とっているのみです。真壁先輩に「七瀬さんとはどうなったの?」と聞かれていますが、「その話はやめましょうよ!ね!」とはぐらかしています。(真壁先輩こそ鷹島さんとはどうなったんだろう・・・)
金田一は益々まりんちゃんに揺り動かされている御様子。大丈夫だろうか(-_-)やっぱり美雪に早く出て来てもらいたいところですね。

 

少年時代からの登場人物は今巻では新たには登場しなかったのですが、次巻では誰か出て来るかなぁ。京都府警の山科刑事金田一の場慣れ感を気にしている様子なので、どこかに素性確認して20年の間にあった“何か”の新事実が少し出て来るかも。なんにせよ次巻に期待ですね。


5巻は2019年10月発売。楽しみに待ちます!

※出ました!詳細はこちら↓

 

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ではではまた~

 

金田一37歳の事件簿(4) (イブニングKC)

金田一37歳の事件簿(4) (イブニングKC)