こんばんは、紫栞です。
今回はCoccoの書籍について、まとめてご紹介。
Coccoは主にシンガーソングライターとして世間的には認知されているとは思いますが、実は本も結構な数を出していまして、エッセイ・絵本・小説と作家活動は多岐にわたっています。
私個人は元々歌手としてのCoccoのファンで、流れるように絵本やエッセイ集にも手を出した次第。音楽の素晴らしさは勿論ですが、Coccoは文章も凄く上手いんですよね。楽曲の歌詞からうかがい知れることではあるのですが、言葉選びのセンスが良いです。謎に包まれたCoccoの過去や私生活が垣間見られたり、文章の内容によっては特定の楽曲の丁寧な解釈が書かれていたりもするので、ファンは必見。個人的には歌手のCoccoを知らない人にもオススメできる作品ばかりです。でもやっぱりその後、歌も是非聴いてくれと言っちゃいそうではありますが・・・(^^;)。
エッセイ集
●『想い事。』
2007年 毎日新聞社(単行本)
2006年4月から2007年3月までの一年間、「毎日新聞」で毎月1回連載されていたものを著者・Coccoが撮り下ろした沖縄の写真と共にまとめられた一冊。連載終了時に読者から「きっと本にして下さい」といったお便りが殺到したことよって生まれた本なんだそうな。当たり前ですが、新聞連載は新聞をとっていないと読むことは難しいので、ファンとしては「本にしてくれてありがとう」と感謝の気持ちを抱きます。
このエッセイでは、ジュゴン、普天間基地、平和の礎、ひめゆりの塔・・・などなど、Coccoの沖縄への想いが主軸に綴られています。
文章と写真に加え、文章に添ったイラストやCoccoが15歳の時に描いた自画像や書き留めた詩が掲載されていたりと盛り沢山で、色々愉しめる一冊です。
2011年に幻冬舎から文庫版が刊行されています。
●『こっこさんの台所』
2009年 幻冬舎
タイトルに“台所”とある通り、こちらは食を通じて日々を語るエッセイ集。帯に俳優の妻夫木聡さんのコメントが載っているのが結構な驚き。
刊行時には発売を記念してこの本から生まれた楽曲4曲が配信され、後にCDで発売されました。
- アーティスト: Cocco,堀江博久
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2009/09/16
- メディア: CD
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この本は季節に添ったものになっていて、楽曲も春夏秋冬それぞれの季節をイメージした4曲となっています。
この本ではエッセイに加えて、Coccoによるお料理レシピが載っています。料理を習ったり資格を持っている訳ではないが、作るのが好きで周りにも好評なので、調子に乗せられて本にしてみたとのこと。レシピは全体的に乾物と野菜がメインの、彩りが綺麗でヘルシーそうなメニュー。料理の写真はもちろん、この頃のCoccoはイギリスと沖縄と東京を行ったり来たりする生活だったので、各場所の写真や食文化、風土の違いなども書かれています。
ファンの間では周知の事実ですが、Coccoは長年摂食障害を患っています。この本を制作中は病状が酷く、殆ど食べない生活をしていたようです。食べるためじゃなく、“食べてもらう”ためのみで料理を作っている状態だったんですね。本の担当者さんは病状改善になればという想いもあってこの本に取り組んでいたようですが、結果は芳しくなかったようです。詳しくはこちらの『papyrus』のインタビューで語られていますが↓
papyrus (パピルス) 2009年 10月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 雑誌
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このインタビューを読むと『こっこさんの台所』の捉え方が大きく変わりますね。
●『コトコノコ』
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2012年 幻冬舎
こちらはCocco初主演映画『KOTOKO』を受けてのエッセイ集。
映画のワンシーンや製作風景の写真などと共に、映画の内容を想起させるCocco自身の体験や思考が書かれています。一部、写真に衝撃的なものがあったりしますが、映画のワンシーンが衝撃的なのであって、実際の場面ではないので御安心(?)下さい。
映画の『KOTOKO』自体が、監督の塚本晋也がCoccoから聞いた実体験を元に製作したものなので、このエッセイは今までにないほど突っ込んだ内容になっています。“母親になる”ことによる葛藤や苦悩が痛切に描かれていますね。文章量は前二作ほど多くないのですが、題材が題材だけに、より突き刺さるものがあります。個人的にお気に入りな一冊。映画を観たなら、是非このエッセイも読んで欲しいと思います。
作中に映画の中で歌っていた曲の歌詞が載っていますが、いまだにどの曲もCDに収録されてないですね・・・。
●『東京ドリーム』
2013年 ミシマ社
ミシマ社創業7周年記念企画として刊行されたエッセイ集。タイトルからも判る通り、今作は東京での暮らしや想いが綴られています。この頃、Coccoは東京在住だったのさ。
刊行にあわせて同タイトルの楽曲が配信でリリースされました。後にミニアルバム『パ・ド・ブレ』に収録されています。
他のエッセイ集とは違い、こちらはカラー写真などもなく、ほぼ文章で36の断章形式。「沖縄タイムス」に連載されていた文章が6つ掲載されていますが、他は書き下ろしですね。
沖縄県出身であることに強い意識を持っているCocco。それ故、沖縄について多く語ってきていた印象ですが、今作では東京への想いがクローズアップされているのが少し新鮮。これを読んで、そういえば、Coccoは今までの文章でも東京を悪く言っていたことなかったなぁと気づきました。震災のことなどにも触れられています。『コトコノコ』から息子さんのことを書くことも多くなったなぁという印象。
フォトブック
『大丈夫であるように-Cocco終わらない旅-』
2008年 ポプラ社
2008年12月に公開されたドキュメンタリー映画のフォトブック。
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フォトブックなだけあって、とにかく写真が良いです。個人的に、この『きらきら』の頃のCoccoの髪型が可愛くって好き。本の最後の方に監督の是枝裕和さんの文章とCoccoの詩が載っています。どちらも直筆の形で、監督の字が凄く綺麗でビビる(笑)。フォトブックなので文量は少ないのですが、Coccoの詩も抜群に良いです。手書き文だと伝わり方がまた違いますね。
『コトコノコ』と同等にお気に入りでオススメな一冊。何度も見返してしまいます。こちらも出来れば映画とセットで。
小説
『ポロメリア』
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2010年 幻冬舎
ついに出た(?)な、書き下ろし長編小説。一応架空の物語りとなっていますが、私小説ととらえてほぼ間違いないかと。中学一年になったばかりの「私」の特別な一週間が描かれています。詳しくはこちら↓
絵本
絵本は三冊刊行されていて、どの作品もタイトルが「南の島の~」から始まっていて、人魚が登場する点も同じなので、シリーズものだと考えて良いのだと思います。
絵は三冊とも、紙にクレヨンを何度も重ね塗りした後に、上から先のとがったものでひっかいて削って描く「スクラッチ技法」が用いられたもの。アルバム『ラプンツェル』のジャケットもこの技法で描かれたものですね。
手間がかかり、手がとんでもなく汚れる技法ですが、この技法ならではの色彩が美しいです。
●『南の島の星の砂』
2002年 河出書房新社
Coccoは2001年に一度活動中止しているのですが、この絵本はその活動中止期間に描かれたもの。絵本がというか、本を出したの自体がこの作品が初です。
活動中止直前のシングル『焼け野が原』を彷彿とさせるような内容。文章には英語の対訳が載っています。
●『南の島の恋の歌』
2004年 河出書房新社
こちらもまだ本格的な活動再開には至っていなかった頃の作品。しかし、購入者限定で新作CDが購入出来るという企画付きのものでした。絵本の中に入っている特別応募用紙に記入して送ると「ガーネット」「セレクトブルー」の2曲入りCDが購入出来る仕組み。
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絵本ももちろん良いのですが、CDに強く惹かれて購入した記憶が。活動中止中でファンとして餓えていたので・・・(^_^;)。
「ガーネット」の歌詞の一部が絵本の一節に使われています。1作目にくらべると、色調が明るくなっているのと、絵の技術の向上がみられる。こちらも文章には英語の対訳つき。
●『みなみのしまのはなのいろ』
2019年 径書房
2019年9月に出た15年ぶりの新作絵本。出版社が変わったせいか、子供が読みやすいようにするためか、前二作と違い、タイトルも中身もすべて平仮名表記で英語の対訳もついていません。
10月に発売されたアルバム『スターシャンク』の1曲目「花爛」がそのままといった内容。
※『スターシャンク』めっちゃ良いアルバムなんで聴いてくれ・・・・・・!
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- アーティスト: Cocco
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2019/10/02
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受ける印象は絵本と曲でだいぶ違いますけどね。
絵の色彩に関しては1作目に立ち戻るように黒が主体になっています。
写真集
『8.15OKINAWA Cocco』
2006年 NHK出版
「Cocco沖縄ゴミゼロ大作戦ワンマンライブスペシャル2006」でのステージ上のCoccoを撮影した写真集。こちらはホントにカラー写真のみで文章とかは無いですね。結構大判の本で重さもあります。
と、まぁ、以上が今現在刊行されている“Coccoの本”ですね。
私は普段は好きな歌手だからといって楽曲以外の作品にまで手を出したりはあまりしないのですが、Coccoは別格。書籍も映画も演劇も出れば買うし、読むし、観るし・・・です。
Coccoに至ってはもう、何かしら活動してくれるだけで嬉しいんですよね(^^;)。生涯ファンとして活動を追っていく所存なので、今後また発売されたら常時更新したいと思います。
ではではまた~