夜ふかし閑談

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『金田一37歳の事件簿』9巻 ネタバレ・感想 オカルト事件決着。フミ登場!

こんばんは、紫栞です。

今回は金田一37歳の事件簿』9巻の感想をまとめたいと思います。

 

金田一37歳の事件簿(9) (イブニングコミックス)

 

前巻の予告では3月発売予定となっていましたが、一ヶ月遅れての4月発売でしたね。

後ろの元気そうな女性や「あ」「や」などの字が気になる表紙。当然ながら、中身を読めば分かるようになっています。ま、女性の正体については帯に書いてあるんだけど・・・。

 

今巻も通常版のみです。こうなると、特装版とかがあったのが懐かしくなってきますね。もうよっぽどのことがないと特装版は出さなそうかな(^_^;)。

 

9巻は前巻からの続きである「騒霊館殺人事件」の解決編が4話と、新章の「綾瀬連続殺人事件」が3話収録されています。

 

 

では、事件ごとにご紹介。

 

以下ガッツリとネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「騒霊館殺人事件」

※事件のあらすじなど、詳しくはこちら↓

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 前巻の終盤、一同を集めてのお馴染みの金田一謎解きタイムがスタート。三つあった謎の提示、

●複数人が見ている眼前で、キャビネットに飾ってあった矢の一本がひとりでに飛んで被害者に刺さった謎。

●扉を開ける直前まで物音がしていた部屋の中で被害者が死んでいた謎。

●内側から板を釘で打ちつけられた密室の中で被害者が死んでいた謎。

 

の、三つの事件の謎のうち、第一の事件である「矢がひとりでに飛んできた謎」が解明され、容疑者が四人に絞られたところで前巻は終了していました。そんな訳で、今巻は第二の事件の謎の解明から。

 

前巻でも金田一の口から「困難の分割」とヒントが出ていた通り、荒らされた部屋や割れた皿はあらかじめセットされたもので(お皿の破片をセットするの、地味に大変そう)、物音はスピーカーからスマホによる遠隔操作で流されたもの(なんでもスマホで出来ちゃう時代ですねぇ・・・)。

被害者の部屋に最初に駆けつけた人物でないとこのトリックは出来ないので、容疑者はさらに絞られて、電報堂の白鳥さんと黒原さんの二人に。ここまでは前の記事で私が書いていた予想通り(^_^)。とはいえ、そもそも被害者たちをモニター企画に参加させたりするのは電報堂側の人じゃないと難しいので「そりゃそうだろ」ではあるんですけど(^_^;)。

 

ちなみに、トリックを施す際は被害者のルームキーを使って、皆と一緒に部屋に入ったときにどさくさに紛れて部屋の隅に投げたらしい。あれ?電報堂の人ならマスターキーも使えた・・・よ、ね?夜中に鍵持ち出しているのがバレるとまずいからってことなのかな?

 

で、第三の事件の密室の謎ですが、内側から打ちつけた板は、いったんドアに打ちつけた板を引っこ抜き、再度軽く打ちつけておいた“はりぼて”で、この“はりぼて板”が落ちないようにそっとドアを閉めて廊下に出た後、ドアの隙間に接着剤を流して固定。翌朝、誰かが体当たりでドアをぶち壊してくれれば密室だったように見せかけられる――と、いったもの。

 

夜中に誰にも気がつかれないようにトンカチでトントンやるのキツいんじゃないかとか、接着剤の跡が残るリスクはどうなのだとか色々ありますが、割と古典的なトリックですね。扉が体当たりで破られる密室トリックの場合は、大抵扉に仕掛けがあるのがオキマリ。一読者として、見破れなかったのが悔しいですね~。

 

その後、失言も発覚して、犯人「ポスターガイスト」は白鳥さんだということに。(どうでもいいけど、「あなたがポスターガイストだ」って、言葉として何やら変ですね・・・)

証拠は電波妨害装置。装置を使って人為的に圏外にしていたのだけど、バッテリー交換のために電源を一回抜いた瞬間があった。そのときに溜まっていた美雪からのライソのメッセージがたまたま金田一スマホに着信し、金田一はこの“不自然なライソ着信”から館で電波妨害装置が使われていることに気がついた――と。

これも、前の記事で書いていたことが当たっていましたね!電波妨害装置が使われていたことまでは見抜けなかったけど・・・。

 

さて、白鳥さんの動機は7年前に騒霊館で肝試し中に失踪した妹の仇討ちでした。実はあの被害者たちに殺されたんだと、そういう訳ですが、この事実を白鳥さんがどういった経緯で知ったのかというと、妹の遺体が埋め込まれた壁に触った瞬間に「バチッ」ときてですね、妹が死の間際に見た映像の断片やらが頭に流れ込んできて、さらにはその後、妹が生きたまま壁に塗り込められて殺される光景を何度も夢にみて知ったと。で、言い逃れされるのも嫌なので殺すことにしたと。こう宣うわけですよ。

最後、金田一に犯行を見破られた末に最後の標的に刃物で襲いかかるのですが、その時、白鳥さんに妹の霊が憑依。犯行を止めてくれる・・・・・・・・・・・・。

!?

え、いや、これは。

私はオカルト大好き人間で、こういった話は大好物ではありますけれど、本格推理でこれは「やっちゃいかんだろ」と。

最後、霊が犯行を止めてくれるのは良いとして(憑依して云々って端から見ると妙な一人芝居になっちゃって滑稽さが漂ってしまうのですけども)、妹の死んだ経緯を知ったのがサイコメトリーと夢というのは。手抜きですよね。知った経緯を考えるのを放棄した書き手の手抜きにしか思えませんよ。

根拠もなく「夢」の内容だけを頼りに三人殺すって無茶苦茶だし。作中で白鳥さんが「“言ったかもしれない”程度の発言で人を殺人犯呼ばわりするのはやめてほしいわね!!」とか言っていますけど、「“殺されたかもしれない夢の内容”程度の理由で人を殺すのはやめてほしいわね!!」ですよ。

最後、オカルト記者の佐熊さんが「本当に不思議なことがあったって別にいいじゃありませんか」とも言っていて、まぁそれはそうでしょうけど、知った経緯に関しては京極堂じゃないですけど、“不思議”で済ましてんじゃねぇ

 

佐熊さんですが、終盤になっていきなりモニターメンバーのうちの4人が7年前の事件の面子でびっくりしたんですわ!とか言い出して「したんですわ!じゃ、ないよ。なんだよ今になって。もっと早く言え!」ってなる・・・(^_^;)。

 

あと、私が白鳥さんの立場だったら妹さんの亡骸、早く壁から出してあげたいと思うよなぁと。妹さんの霊も、どうせなら最初の一人を殺すときにお姉さんをとめてくれたら良かったのに。ま、これは言うのは野暮ですかね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「綾瀬連続殺人事件」

29歳になった金田一二三(フミ)が登場!フミちゃんは今、探偵社に勤めながらミステリ小説を書いているだとかで、この度、書いた小説がミステリ作家の登竜門オソカワミステリ大賞で佳作受賞。そのコネで受賞パーティーの運営を仕切ることになった金田一なんですけども、そのパーティー会場のスクリーンに突如、殺人映像が映し出されて――てなお話。

 

忘れていた・・・訳ではないけども、まぁ少し忘れていたかもしれない(^^;)フミちゃんの登場。コミックスの表紙絵の女性はフミちゃんですね。さすがにもうおさげ髪はしていない。最初に表紙見たとき、「誰だろ?」とか思っちゃったんですけど、もはや少年時代からのキャラクターでこの容姿に該当しそうなのは金田一二三しかいないですね。美雪じゃないなというのはまぁわかる・・・。

フミちゃんが探偵社に勤めながら小説を執筆するようなミステリどっぷりな生活を送っているとはちょっと意外。佳作受賞したのは「緋之川伝説殺人事件」というタイトルで、金田一が過去に遭遇して解決した事件を元にアレンジして書いているらしい。元にしているのはどの事件なんですかね。タイトル的に「悲恋湖伝説殺人事件」かな?

 

 

金田一だとよく他の人の創作犯罪計画メモやらトリックノートやらを元手にミステリ作家になったって人物出てきますけど、毎回思うが、それって狡いのでは・・・。あと、トリックの発想がいくら優れていたって、面白い小説が書けるとは限らないんですからね!

 

話の冒頭にはロン毛の高遠さんが出て来て、文芸誌に掲載された「緋之川伝説殺人事件」を読んでの感想を言っているシーンがあります。事件内容と金田一二三(かねだひふみ)と読み方を変えただけのペンネームで、フミちゃんが書いているのだと高遠さんにも丸わかり。

「人間関係や動機は創作ですね少々つめが甘い・・・!」「こんな理由で人は人を殺しません」とか、高遠さんに言われると色々ツッコミたくなってくる。

冒頭で高遠さん出してくるってことは、今回は高遠さん絡みの事件なんですかね~。

 

 

今回の事件は大賞受賞作の「綾瀬連続殺人事件」のストーリーを再現するように殺人が行われるといったもの。埼玉県蓮田市綾瀬で「あ」で始まる名前の人物が殺され、次に東京都足立区綾瀬でまた他殺体が発見されたところで終わっています。

 

クローズド・サークルものの後は劇場型犯罪かぁといった感じですが、この作中作の「綾瀬連続殺人事件」の内容、なんだか中山七里さんの小説『連続殺人鬼カエル男』を彷彿させる事件内容ですね。

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この「綾瀬連続殺人事件」もカエル男ばりの大どんでん返しがあれば良いが。コミックスの帯には「最難シリーズ始動!!」って書いてありますけど。「騒霊館殺人事件」のときは「シリーズ最高傑作始動!!」と謳っていた。なんにでも”最“をつけるのかな(^_^;)。

 

フミちゃんは独身なものの、現在交際中の作家の彼氏がいて、今作に登場しています。しかしこの彼氏、スマホで事足りるだろうに懐中電灯買おうとか、スタンガン渡してきたりとか、めっちゃあやしい人物なんだけども。

真壁先輩も「タワマンマダム殺人事件」以来の再登場をしています。

 

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やっぱり今後は真壁先輩がこの漫画の警察要員なのね・・・。

 

 

 

 

やりおったな

前巻、予告ページであたかも美雪が登場するかのような場面が載せられていましたが、アレは、フミちゃんでした・・・。

いや、おかしいよね。なんで「はじめちゃん」って普段言いもしない呼び方で起そうとしてんの。これは完全にかまされましたわ。

読者が美雪の登場を待ち望んでいるのを知った上でのこの仕打ち。私達は弄ばれている。

次の巻にも登場しなさそうだしな~美雪が登場しないまま10巻を過ぎそうですかね。玲香ちゃん関連のことが明かされるかもだし、高遠さん絡むかもだし、「綾瀬連続殺人事件」の続きも気になるので次巻も目が離せませんけど。

 

次、10巻は2021年6月発売予定。楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

ではではまた~