夜ふかし閑談

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『金田一37歳の事件簿』10巻 あらすじ・感想 おぞましい小説見立て殺人!

こんばんは、紫栞です。

今回は金田一37歳の事件簿』10巻の感想を少し。

 

金田一37歳の事件簿(10) (イブニングコミックス)

 

この表紙絵、最初見たとき「え?高校生に戻った?」とか一瞬思ってしまった(^_^;)。37歳のシリーズが始まってからは表紙絵もずっとスーツ姿が続いていましたからね。こういう姿だとキャラクターデザインが少年時代とまったく変わっていないのがより伝わる・・・。

作中でこの服着ているのかと思ったんですけど、作中では今回も相変わらずのスーツ姿です。じゃあ何でまた表紙がパーカー姿なんだって感じですが・・・作者の気分ですかね。

 

この漫画シリーズももう十冊目ですけれども、だからといって特にどうということもなく、通常運転で進行しています。今回も特装版などは無しで通常版のみですね。

 

 

10巻は前巻の後半から始まった事件、「綾瀬連続殺人事件」に1冊丸々つかわれています。

 

www.yofukasikanndann.pink

 

「綾瀬連続殺人事件」はこの巻では終わらず、解決編もまだなので、次巻でもまだ結構な話数つかいそうだなと。読者としてはあんまり一つの事件で巻をまたがないで欲しいもんですが、やっぱり難しいのでしょうか。

 

 

●「綾瀬連続殺人事件」

あらすじ

オソカワミステリ大賞の受賞パーティーの運営を、佳作受賞したいとこ・フミのコネで請け負うこととなった音羽ブラックPR社の金田一一

しかし、パーティーの途中で会場に殺人映像が流され、大賞受賞者が行方不明に。流された映像は大賞受賞作の「綾瀬連続殺人事件」で描かれる第一の殺人と酷似しており、場所も作中と同じく埼玉の綾瀬。パーティーに参加していた作家たちが現場に駆け付けると、そこには本当に死体があった。

その後も「綾瀬連続殺人事件」に見立てた第二の殺人が東京の綾瀬で発生。果たしてこれは行方不明である「綾瀬連続殺人事件」の作者・瀬戸倉涼による犯行なのか?それとも――。

 

 

作家となったフミちゃんが登場しての今作。金田一は刑事の真壁先輩に協力する形で事件を追うこととなり、フミちゃんは彼氏である作家・小美野悠人と共に事件に首を突っ込んでいく。

そしてウザいことに、女子大生作家の冬樹アガサが金田一の素性を知って「取材をしたい」とまとわりついてくる。ま、冬樹さんが音羽ブラックPR社のお得意様の社長令嬢だってことで、鶴の一声で金田一が仕事を気にせず事件を追うことが出来る状況にはなったのですけど。しかし、まりんちゃんが「なんてずーずーしい奴!」と思うように、色々と失礼な人物で読んでいていい気はしない(-_-)。

 

1巻の頃から常に助手的な働きをしてきたまりんちゃんですが、今回はフミとアガサさんの存在もあって登場シーンは少なめ。真壁先輩も一緒だしね。

 

 

劇場型犯罪で殺害現場が各地でとんでいるものの、二三日で三つの殺人が立て続けに実行されるとあって、犯行スケジュールが慌ただしい。慌ただしいのはいつものことではあるのですけども、埼玉、東京、神奈川と移動があるので大変だなぁって。犯人が。

 

この事件はアリバイトリックに重点が置かれたものになっていて、死体発見時刻に死亡推定時刻、各人物がその時どこにいたか、何をしていて誰と一緒にいたかなどが事件の謎を解く上で重要なのだろうということは読んでいて分かるのですが、なんせ埼玉、東京、神奈川と遺体発見現場がバラバラで距離があるもんだから、各人物の行動と時間を合わせてみようにも考えがこんがらがってきますね。表を出して欲しいなぁと思う。次巻では出してくれるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりというかなんというか、第一容疑者であった行方不明の作家・瀬戸倉涼は自殺に見せかけた殺人により第三の被害者となり、容疑者は大物作家の間宮理利一、編集者の箕田英輔、作家の小美野悠人、入選受賞者の冬樹アガサの四人の中にいる!ってことに。

「オソカワミステリ推理会議」と銘打ち、カラオケルームを貸し切っての関係者への聞き込みで、金田一が“犯人は誰か”を確信したところで今巻は終わっています。

カラオケルームでお酒を飲みながらの聞き込みというのが何やら新しい。これも社会人ならではですかね。

 

金田一と冬樹が会話していた内容を聞いて黒シルエット犯人(?)が内心焦る描写があるので、冬樹アガサは除外してよいかと。間宮先生は、被害者たちがかつて犯した「木沢加少年リンチ殺人事件」についての説明要員って感じで犯人ではないかなぁ。胸糞が悪い少年犯罪が絡むのは『剣持警部の殺人』と似た印象ですね。

 

 

『剣持警部の殺人』での作中事件は1988年に起こった「女子高生コンクリート詰め事件」がモデルだと思うのですが、今回のは2015年の川崎市中1男子生徒殺害事件」などのリンチ殺人がモデルですかね。いずれにせよ聞いていると胸糞が悪くなる酷い事件。

 

「木沢加少年リンチ殺人事件」の加害者たちと年齢が近いのと、受賞パーティーでの映像差し替えをしやすい立場として編集者の箕田さんも怪しいは怪しいですけど、やっぱり四人の中で一番怪しいのは作家でフミちゃんの彼氏である小美野さんですかね~。

いちいちフミちゃんと行動を共にしたりとか、マネキンを使った見立てを都合良く発見したりとか、「雨が降り出した」とか電話口で言ったり、お酒が出るパーティーに自分の車で来たり、スタンガン持つの念押ししてきたり・・・・・・などなど。疑わしい言動が多すぎる。

 

金田一第二の殺人の時に完璧なアリバイを持っている人物が犯人だと言っていて、その二人目の被害者の死亡推定時刻が、午後6時45分前後から7時45分前後の1時間

小美野さんは自分の車でフミちゃんと一緒に埼玉の綾瀬に向かっていた最中でアリバイがあるってことなのですけれども、7時10分に「懐中電灯を買ってくる」とホームセンターで車を止め、フミちゃんを車に残して刑事に連絡をするよう促している。小美野さんが犯人なのだとしたら、このホームセンターで停車して一人になったときに“なんらかのこと”をしたって事かな?何か『怪盗紳士の殺人』のときのようなトリックの匂いがする・・・気がする。

 

いつでも自分の車で行動しようとするのも犯行の都合上ってことなのか。

 

小美野さんはホームセンターでたまたま見付けたから護身用に買ったと言ってスタンガンを見せてくる訳ですが、そもそも普通のホームセンターにスタンガンなんて売ってないよね?作中誰もツッコまないから「私の住んでいるところが田舎だからか?」とか不安になりますけど・・・え?都会でだってホームセンターには置いてないよね?秋葉原とか、そういった専門のお店でのみの取り扱いだと思うんだけど。それともドンキとかなら売ってるのか?分からん・・・(^^;)。

 

巻末の次巻予告のページで「悲壮な決意を固めるフミ!」という文言と泣いているフミちゃんの姿が描かれているので、犯人は小美野さんに違いないと思うのですが。でも、怪しすぎて逆に違うかも?引っかけ?う~ん。

 

ま、次巻での謎解きを楽しみに待ちたいと思います。この『綾瀬連続殺人事件』は冒頭に高遠さんが登場していたので、アリバイトリックだけでなく、そこら辺の関係性も気になるところですね。

 

次の11巻は2021年10月発売予定。巻数も二桁になりましたし、玲香ちゃんの事件のこととか、美雪のこととか、物語全体の進展も願いたいところですね。

 

 

 

ではではまた~