夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

『ドクターホワイト』ドラマ には”あの”衝撃事実がない!?原作との違い ネタバレ・解説

こんばんは、紫栞です。カンテレ・フジテレビ系の月曜10時枠の連続ドラマ『ドクターホワイト』が終了いたしましたね。

 

【Amazon.co.jp限定】ドクターホワイト DVD-BOX(L版ブロマイド付)

 

樹林伸さんによる原作小説は2022年現在で3冊出ていまして、前にこのブログでまとめ記事を書いたのですが↓

 

www.yofukasikanndann.pink

 

今回は、ドラマを観終わっての感想と原作との違いについて少し。

 

 

※以下、ドラマのネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放送前から予想していた事ではありますが、全体的な流れは原作の通りではあるものの、ドラマはかなりオリジナル要素が足されていましたね。ま、原作のボリュームがさほどではないので、足さないと連続ドラマとしては難しい。

 

細かいところを挙げるとキリがないのでアレですが、一番目立つ違いは医療診断チームに研修医の佐久間新平(高橋文哉)がドラマオリジナルキャラクターとして登場していたところでしょうか。

回を追う中で白夜(浜辺美波)と同年代の医師が成長する過程を描きたかったってことでしょうかね。

確かに原作には白夜と同年代の人物が登場しないので、年齢が近い人物が診断チームの中にいるのは、チームと白夜との距離を縮める架け橋的存在となっていて良かったと思います。白夜のような特殊な環境下で育った人物でなくとも、周りが皆10以上年齢離れているってなるとなかなか溶け込めませんよね。

 

佐久間先生がいることで第4話の恩師にまつわるオリジナル話もうまれて、ドラマとして面白さが増していたと思います。ドラマを視聴後、佐久間先生目当てで原作を読むといなくてガッカリことになるので要注意です。

 

他、診断チームのメンバーである高森麻里亜(瀧本美織)、西島(片桐仁)、仙道(高橋努)、夏樹(勝地涼)は原作にもそのままの役割で登場しているのですが、原作ではページ数が少ないため、どの人物も“キャラクター付け”が薄くて物足りない感じでした。ドラマでは各キャラクターが際立ってやり取りも存分に描かれていて楽しかったです。

 

キャラクターの描写だけでなく、ドラマは原作よりも全体的にコミカルで観ていて楽しい雰囲気になっていましたね。

主人公の白夜も原作よりも明るくって可愛さが前面に押し出されていたなぁと。特別編、なんか最後に“今までの白夜のかわいいコレクション”やってたし(^_^;)。

 

 

 

最近のフジテレビドラマの、最終回後に総集編めいた特別編やるあの流れって何なんですかね?謎。

 

上記したように、原作は現在シリーズが3冊出ているのですが、ドラマでは白夜の秘密が明らかになるシリーズ2作目「神の診断」の内容までに留まっていました。特別編では最終回の“その後”が描かれるとあったので、3作目の「心の臨床」の内容も少しやるのかと思ったのですが、まったくやりませんでしたね。

 

2作目の「神の診断」での診断話はドラマの8話でやっていたのですが、原作での民間治療に関してのアレコレはほぼ省かれていましたね。民間治療はいたずらに推し進めるには危ういところがありますので、まぁそうだろうなぁと。原作読んでいても「大丈夫かなこれ・・・」って感じでしたからね。

 

ドラマは白夜が海江田朝絵のクローンだと明かされるところまでで終了していましたが(朝絵さんは40手前のはずなのですが、ドラマはめっちゃ若かったですね・・・)原作ですとシリーズ3作目の「心の臨床」で、ALSだとされている朝絵さんの病状についてのアレコレが描かれていまして、このシリーズらしいオチがついています。ドラマでも最後の最後に「それ、誤診です!」ってやるかなと思っていたのですが、やりませんでしたね。

 

後、白夜の名前の由来がドラマでは誕生日からとったとされていましたが、原作では「108番目の胚で作られたクローンだから」という由来でした。

何とも乾いているというか、酷い話ではありますが、読んでいたときは一番印象深くって「なるほど」とも思った由来でしたので、変更されていて少し残念。

 

 

ドラマでは恋愛話が盛り込まれてすぎだった印象ですかね。

患者さんの診断、白夜に関しての謎、高森院長(石坂浩二)の病気、失踪中の高森勇気(毎熊克哉)、狩岡将貴(柄本佑)の妹・晴汝(岡崎紗絵)の病気などなど、トピックがやたらとあるストーリーですので、恋愛まで大々的にいれんでもいいでしょうに。

 

原作では将貴が白夜に恋していまして、個人的には30後半の男性が中身赤ん坊同然の十代女子に恋しちゃうのはちょっとなぁと思っていました。ドラマだと最初将貴は麻里亜のことが好きって設定になっていたので(原作だと麻里亜のことは恋の対象としてみたことはない) 、やっぱりここに関しては原作みたいにしないんだなと安心していたのですが、終盤で結局ああいうことに・・・うーん(-_-)。

 

 

私は3作品の中だと「心の臨床」が一番ミステリ色強くて好きなので、いつかスペシャルドラマとかでやってくれたらなぁ~と思う。

3作目の「心の臨床」では6年の月日が経ち、白夜は24歳の医学生に。実習生として高森総合病院に戻ってきて~と、いうお話になっています。朝絵さんの病状だけでなく、今までとはまた違う“事件”が描かれていますので、ドラマ観てその後が気になった方は是非。

 

 

 

ではではまた~