こんばんは、紫栞です。
今回は『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』11巻について感想を少し。
『金田一少年の事件簿』のスピンオフコメディ漫画であるこちら、2020年に刊行された10巻で完結していたのですが、
この度【金田一少年の事件簿】シリーズ連載30周年記念ということで、単行本一冊分だけ復活。まさかの11巻発売です。※本編も30周年記念で復活しています。
復活の11巻も相変わらずのパロディで楽しませてくれていまして、この表紙はKCコミック「錬金術殺人事件(上)」のパロディ。
あらためて見るとこの表紙絵の金田一、なんかよくわからないポーズしてる・・・。
外伝復活記念で「やはり暴力」Tシャツを抽選で100名様にプレゼント!ってことで、単行本の帯に応募券が付いています。シリーズファンじゃない人は「やはり暴力Tシャツって何?」でしょうが、これは7巻で桐江想子が言っていた「やはり暴力・・・・!!暴力はすべてを解決する・・・・!!」という名台詞(?)ですね。
今回収録されているのは「剣持警部の殺人」「錬金術殺人事件」「ゲームの館殺人事件」の三つ。書き下ろし漫画などはなし。一度連載終了した後に復活したシリーズの後ろ三つで本編の順番通り。・・・・・・と、いっても、この説明じゃわかりにくいですね(^_^;)。本編漫画のシリーズ順番についてはこちらを御参照下さい↓
復活ばっかりしていて訳が分からんのだ・・・(-_-)。
「剣持警部の殺人」
犯人:毒島陸
本家の「剣持警部の殺人」は被害者たちがクズすぎて発端となった事件も胸糞悪いしで、個人的に再読が厳しくってあまり読み込めていないのですが、この『犯人たちの事件簿』は本家でのそんな辛さはおくびにも出さずに笑わせてくれるので流石だなと思う。
高遠さんプロデュース事件。思えば指名手配中のくせに素顔のまま少年院にくる高遠さんからしてぶっ飛んでいましたが、昼間っから公園でガタイの良い中年男性背負って運べとか、襲われたと偽装するために自らの耳と肩撃ってダッシュしろとか、いくらなんでも高遠さんのムチャブリが過ぎた計画だった。ま、高遠さんプロデュースはいつもこんなもんかもしれませんがね・・・。
「錬金術殺人事件」
犯人:神丘風間
「錬金術殺人事件」は本家を読んだ当初もトリックが大変すぎるというか、職人すぎてビックリした記憶。夜のうちの数時間で完璧な溶接するって・・・なんだよ(^_^;)。
後、トイレで用を足したとこで殺されるって凄く嫌だなぁとも思った記憶。犯人男性だし。良い訳対策でストーカーじみたオタクのふりするのは周到だなと。アレで読者も騙された。
最後に多岐川さんが言う「2回目・3回目の殺人で使っていた剣はどう用意してどう処分したのかとか繭村をどう運んだのかとか」は、確かに読者の気になるところ。だって1回目の殺人で“凶器をどうしたか”をメイントリックの一つとして説明していたくせに。「細かいことは気にするべからず!」か・・・・・・。
「ゲームの館殺人事件」
犯人:麦林美佳
娘の借金返済のため、お金が欲しくってすることにしたわりには、やたらとお金が掛かる殺人計画だなぁと本家を読んだ時に思った「ゲームの館殺人事件」。テレビショー的な展開は新鮮で面白かったですけど。
毒針をびっしり仕込むって、この間のドラマのピンポン球でもやっていましたけど、犯人的に用意するのは地味に大変だよね、やっぱり。
麦林さんが金田一の事を「昔のテレビの匂いがする・・・・」というのが妙に可笑しい。それを受けての「金田一・・あんたはいつだって今をときめいているのね・・・・とんだなにわ男子だわ・・・・」が今のドラマに繋げていて上手い締めだなと。
また復活しそう
上記した三つの事件の犯人の他、ベテラン犯人(ベテラン犯人って何だ)の有森、的場先生、かほるさんの三人が要所要所で登場しています。もはやこの三人は『犯人たちの事件簿』の顔なんですねぇ。
最後に有森が「犯人たちに・・・・最終回なんてないんだ!!また会おう!!」と宣言してこの巻は終わっています。
帯に“名探偵がちょこちょこ復活するなら、犯人だってちょこちょこ現われる”と、あるように、本家漫画同様に『犯人たちの事件簿』も今後また復帰があるのだろうなと。
またの復活を楽しみに待ちたいと思います。
ではではまた~