こんばんは、紫栞です。
今回は、今までに私が号泣した作品をジャンル問わずにご紹介しようかと。
とはいえ私、ヒューマンや感動物はさほど鑑賞しようとしない人間なのですけども。なんと言いますか、これ見よがしに泣かせようとしてくる作品が苦手といいますか。「そんな思い通りに泣いてやらないぞ!」精神といいますか。何と戦ってんだって感じですけど。
十代の時はパソコンも持ってなくて、映画やらを観るときは必然的に親と一緒に居間のテレビでだったので、「人前で泣きたくない」という意識が働いていたんですよね。子供心にからかわれたくないってのがあったので。今も基本的には人前で泣きたくないんですけども。
長じてからはミステリエンタメ系の血生臭いものばっかり好んで観たり読んだりでますます遠ざかっている訳ですけど、それでも予期せず号泣する作品に出会うことはあるものでして。
今回はそんな、私が不覚にも号泣した作品を小説・映画・ドラマ・アニメからまとめて紹介しようかと思います。
●『ほんとうの花を見せにきた』
2014年に刊行された桜庭一樹さんの中篇小説集。竹から生まれた吸血鬼・バンブーと人間との交流が描かれる。
収録されているのは「ちいさな焦げた顔」「ほんとうの花を見せにきた」「あなたが未来の国に行く」の3編。
号泣したのは最初の「ちいさな焦げた顔」で、収録作の中では一番長い物語。途中の展開があまりにも辛くって残酷でこの時点でもう泣きたいですが、最後のシーンがとにかく良くてボロボロ泣いてしまう。
正直、「ちいさな焦げた顔」の出来が良すぎるので、後の2編は印象が薄いですね。
●『BANANA FISH』
2018年のアニメで全24話。「バナナ・フィッシュ」という謎の言葉を巡ってのハードロマンサスペンス。1985年~1994年に連載された吉田秋生さんの伝説的漫画が原作のものですが、私は原作未読です。
やはり泣けるのは最終回の24話「ライ麦畑でつかまえて」。手紙読むところからもう“やられて”しまう。「手紙読むとか、卑怯だぞ!泣いちゃうじゃんこんなの!」って感じだった。録画してあるのですけど、哀しすぎてもう一度観ることが出来ず、今日まで再生できずじまいになっている。でも消すことも出来ない・・・。
実は最終回を観る前からある程度の結末は知っていたのですが、それでも泣いちゃいましたね。
●『ヒトごろし』
2018年に刊行された京極夏彦さんの超長編小説。新選組副長・土方歳三の血に塗れた生涯が描かれる。
前にこちらの記事でも長々紹介したのですが↓
タイトルからは泣けるなんて想像出来ないでしょうが、終盤の馬で駆けるところから涙が溢れて止まりませんでした。殺しに行くとこで泣くような場面じゃないのでしょうけどね。自分でも何故泣いているのか読みながらよく分らなかった。文章に圧倒されたということでしょうか。最後のシーンが更に良くってますますボロ泣きした。
●『砂の器』(映画)
1974年に公開された映画。
この映画についても前に記事で紹介しましたが↓
1961年に刊行された松本清張の小説が原作で今でも度々ドラマ化される有名作ですが、原作含め、どのドラマも結局この映画版を超えることは出来ていないのが現状ですね。
古い作品なので原作読んだ後に「とりあえず」って感じで軽い気持ちでレンタルして観たのですが、原作とは主軸を変えた親子の物語に感動してボロ泣きしてしまった。脚本や演出の大胆さもすべて良い方に作用している日本の名作映画ですね。
原作以上に多くの人に観てもらいたい映画なのですが、ハンセン病というセンシティブなものを扱っているため、テレビ放映されないのが残念なところ。
●『俺の家の話』
2021年にTBS系「金曜ドラマ」で放送された宮藤官九郎さん脚本の連続ドラマ。全10話。
元々宮藤官九郎さん脚本のTBS金曜ドラマが大好きで(一番好きなのは『うぬぼれ刑事』)、このドラマも笑いながら楽しく拝見していたのですが、まさかまさかの最終回でやられちまいましたね。なかには察しがついていた人もいたようですが私はまったく予想出来てなくって、最終回は開始五分で“気がついて”ずっと泣いていました。
笑えるシーンもちょこちょこ入るのでその度涙が引っ込むのですけど、父親役の西田敏行さんが喋る度に涙がぶり返して、鼻をすすってで、まるで一時的に花粉症になったような状態に(^_^;)。あんな1時間ずっと泣いていたのは初めてですね。
いきなりの哀しい展開には文句言いたくなるところですが、完璧な脚本で文句を付けたくても付けられないのが悔しい。
以上、今のところ思い付くのはこの5作品ですね。普通に泣いてしまったっていうのでしたらもっとあるのですが、ここではあくまで“号泣した作品”に絞って紹介しました。私はそんなに作品数を観たり読んだりしている訳ではないですし、紹介しているものは好きな作家のものだったりと偏っているんですけども。もちろん世の中にはもっと号泣作品があることでしょう。
こうしてあげてみると、個人的に“完成度の高いラストシーン”に弱いのかなという感じ。このラストのために今まで積み上げてきた物語があったのだなぁ~と、創作者への感服の想いと相まって涙が溢れるといいますか。
実感するのは、年々涙もろくなっていることですね。子供の時は言われても半信半疑だったものですが、「歳をとると涙もろくなる」って本当なんだなぁと。
これからも“意図せず”号泣作品に出会っていけたらなと思います。
今回紹介した中で気になったものがあった方は是非。
ではではまた~