こんばんは、紫栞です。
今回は、映画『嘘喰い』を観たので感想をほんの少し。
こちら、2022年に公開された、迫稔雄さんの漫画作品を原作とした実写映画。
作品ジャンルは、特殊な賭博場が舞台のギャンブルデスゲームもの・・・・・・の、はず。
公開前も公開中も色々と言われた映画でして、まあ、前評判も公開されてからの評価も世間的にはよろしくなかったのですが。好きな役者さんが出ていましたし、私、ギャンブルもののドラマや映画を観るのが好きなので、最近AmazonPrimeの見放題に入ったと知って観てみました。原作は未読です。
で、率直な感想はですね、ええ、覚悟はしていたのですけれども、面白くなかったですね。
今まで私が観たギャンブル映画の中では一番酷い。ギャンブル映画というだけでなく、単純に映画としてもダメダメでびっくりしました。つまらない!
まず、ストーリーに説得力がない。ゲームも人間関係もダイジェストすぎて共感もなにもない。ついていけないんですよね。
「どこまでもついて行きます!」とか「さすがバディだ」とか「アンタに五億賭ける」とか「忠誠を誓った」とか、劇中で言うんですけど、どう考えても各人そんなに関係が深まる要素が見当たらないので観ていて「え?なんで?」の連続。
それはギャンブルゲームの方も然りでして、映画内容の説明文には「死のババ抜き」「航空機制圧バトル」「殺し屋からの脱出ゲーム」「悪魔のルーレット」「デスポーカー」と、5つのゲームをやっていると書いてあるのですが、鑑賞後にこの説明文を読んだ瞬間は「嘘だ!そんなにゲームやってないよ!」ってなりました。
しかし、ま、思い直してみるとやってるはやっている・・・ということらしい。
「航空機制圧バトル」「悪魔のルーレット」「デスポーカー」の3つはサラッとほぼダイジェストで流しただけなんですよね。ゲームもルールの説明もさほどなく、だた負けたよ勝ったよの結果がボンヤリ示されて終わり。観ている側としては、こんなの劇中でゲームをしたとはカウント出来ない・・・と、いうか、認めないぞ私は。
観ていて”やってた”と明確に分かるのは「殺し屋からの脱出ゲーム」と「死のババ抜き」だけですね。
「殺し屋からの脱出ゲーム」はホント、森の中で銃持った人達から逃げるってゲームでして。只のサバイバルゲームだとしか思えなかったですね。「いや、こういうのが観たいんじゃなくってさ・・・」と終始ポカンとしてしまいました。
こっちは心理戦や頭脳戦が観たいのよ。しかもサバイバル中に主人公側が仕掛ける罠もことごとく陳腐でどっかで見たことあるようなものばかりだし。
で、最後に「死のババ抜き」なんですけど。これはそれなりにイカサマとか色々あるジャンブル。「や~とゲームらしいゲームし始めた・・・」と思って残り時間見てみたらば、もうラスト40分。観ている側としてはこの映画、最後の40分しかゲームしてないじゃん!なんですよね。
総じて、この映画はギャンブルゲームの見せ方が下手なのではないかと思う。監督の中田秀夫さんはジワジワとした恐怖が迫ってくるジャパニーズホラーで有名な映画監督さんですが、いつもの演出法とギャンブル映画のエンタメが噛み合ってないのかなと。
ギャンブルもの作品でワクワクするのって、ゲーム内容の説明や図解とか、登場人物の心の声とか、印象的な台詞回しとか、役者のオーバーリアクションなんですよね。
『カイジ』『ライアーゲーム』『賭けグルイ』にみられるような、分かりやすさと極端なほどの過剰演出、そしてギャンブルの”ひりつき”。
ダイジェストな脚本もですが、ゲームもの特有の演出が出来ていないのが評価が悪くなってしまった要因でしょうか。
他、もっとも目立ってしまっているのが”ある女性”のミスキャスト感ですね。カジノのオーナってことでドスのきいた声でやっているつもりなのでしょうが、出来てないし似合ってない。『カイジ』の天海祐希が恋しくなる・・・。
ハイブランドコーデでせめて見た目だけでも楽しませて欲しいところですが、カジノのオーナを意識してか関西風(?)の派手派手な格好とヘアメイクでこれまた似合っていない。
これはもうやる前からこの役には合わないだろうことは誰の目にも明らかなので、役者というよりキャスティングした人物が悪いと思う。
そんな訳で、良かったのはB'zの主題歌だけですね。「リブ」が収録されているアルバム『Highway X』は名盤ですので、是非。
ではではまた~