夜ふかし閑談

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『時計館の殺人』原作小説 ネタバレ感想 やりすぎ!な、本格推理小説

こんばんは、紫栞です。

今回は、綾辻行人さんの時計館の殺人をご紹介。

 

時計館の殺人〈新装改訂版〉(上) 「館」シリーズ (講談社文庫)

 

あらすじ

オカルト雑誌の取材のために中村青司の建築した「時計館」を訪れた新米編集者の江南孝明。

十年前、「時計館」で少女が死んだ。その後、この館に関わる人物たちの死が相次ぎ、館には少女の霊が出ると噂されるようになった。雑誌の企画としてこの館で降霊術を行うことになり、江南は副編集長、カメラマン、霊能者、w**大学の超常現象研究会のメンバーと三日間≪旧館≫に閉じこもることとなったのだが、閉ざされた館の中で次々と人が殺されていき——。

その一方で、江南から話を聞いて興味をひかれた推理作家の鹿谷門美(島田潔)は取材班が≪旧館≫に閉じこもったその少し後で館を訪れ、時計館の管理人からある依頼をされるのだが・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリーズ第五作目!(ドラマ第二弾!)

時計館の殺人』は1991年に刊行された長編推理小説で、館シリーズ

 

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の第五作目。第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作

 

シリーズ第一作目の『十角館の殺人』からおよそ四年後の設定で、『十角館の殺人』の時は大学生だった江南くんが新米の雑誌編集者になって再登場しております。

鹿谷門美(※これはペンネームで、本名は島田潔)は一応このシリーズの探偵役でほぼ毎度登場していますが(※作品によって例外あり)、江南くんは第一作でワトソン役的語り手を担っていたのにその後の三作品では登場せず状態だったので、五作目での再登場は初読の時に「おお!」となった記憶。

 

2024年に十角館の殺人がテレビドラマ化されましたね。

 

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www.ntv.co.jp

 

日本ミステリ界の超名作でありながら、絶対に映像化不可能だといわれ続けた『十角館の殺人』を一体どうやってドラマ化するんじゃ!!と、ミステリファンの間で話題になったものです。

多くの不安と心配の声をはねのけて問題の仕掛け部分をクリア。高評価を得ました。私も観てみて小説と同じような驚きを視聴者に与えられていると感心しましたよ。

 

で、このドラマの第二弾として今度は『時計館の殺人』が2026年にドラマ化されるとのことで、

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小説を数年ぶりに読み返してみました。

 

第二弾制作決定の一報の時に「次はどの作品をやるんだ?」となっておりましたが、五作目の『時計館の殺人』できたよと。

ま、第一弾のドラマキャスト続投ですからね。江南くん再登場の『時計館の殺人』をドラマの第二弾でやるのは順当ですかね。賞をとっていて評価も高いですし。

 

文庫で600ページと少しあって結構なボリュームでして、最初のうちはなかなか事件が起きないし、登場人物が多くって覚えるのに苦労しますが、後半戦に突入すると一気に加速して読むことが出来ます。

 

 

 

 

 

 

以下ガッツリとネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の流れが違う館

物語は、館に閉じ込められて殺戮の真っただ中に居る江南くんサイドと、急な葬儀が入って降霊術に参加出来なくなり、鹿谷(島田)さんと知り合って時計館のかつての事件について一緒に調べることとなった大学生の西涼太サイドとが交互で描かれる構成になっております。

 

館で定番のクローズド・サークルが展開されている一方で、館内でそんなことが起こっているとはつゆとも知らずに過去の事件を追う島田さんとで並行して描かれるという物語構成は『十角館の殺人』を連想させますね。

 

 

トリックは単純で解りやすいものなのですが、書き手は組み立てるのが大変だろうなという代物。解決編で出てくる時系列表がもう、作者に「ご苦労様です」と言いたくなる。

館内の時計が全て同じ狂い方をすることで外界と時間の進み方が違っているというトリックは、まさに「時計館」にピッタリのトリックでロマンというか幻想的な感じもあって素晴らしいです。

世に時間誤認トリックは多々ありますが、ここまでの規模で行われるダイナミックなものはそうありませんからね。こんな館を建てた理由も狂ってはいますが納得出来るもので良い。

 

ま、それにしても「なんて手間のかかることを・・・・・・!」とは思いますが。事後処理も実際にやったらめっちゃ大変だろうなぁ。

 

 

 

 

 

やりすぎ!

十角館の殺人』を連想させるというか、似通っている部分は他にもあります。動機の割に殺人の思い切りがよすぎて計画が壮大なのと、人が死にすぎなとこですね。

 

なんと、≪旧館≫に居た人間は江南くん以外全員が死んでしまいます。

犯人の動機は娘の復讐で、復讐対象は四人、もしくは五人なのですが、トリックが露見するのを恐れて殺しまくった結果、倍近い人数を殺すこととなる。

もうさ、なにそれ?

そんなんで復讐とか言われても納得出来んて( ̄▽ ̄;)。トリックにこだわりすぎてそんなに余計に人殺してたら本末転倒でしょ?

 

霊能者の光明寺美琴(寺井光江)とか、元々館の秘密知ってるからってだけで何もしてないのに最初から殺害計画に入れられちゃってるの本当に可哀想。ここからしてもう犯人に人の心無い。

 

動機に比べて犯人の”やりすぎ感”は『十角館の殺人』と共通するところですが、一応十角館の方は全員が元々のターゲットでしたからね。無茶苦茶だという点では今作の方が上でしょうか。

 

 

しかしながら、これらのツッコミは【館シリーズ】では無粋なんだろうなというのは重々承知しているところではあります。

そう、本格推理小説というのは知的遊戯ですから・・・。【館シリーズ】はそれを前提として愉しんでねってことなんですよね。それを踏まえると、この『時計館の殺人』はシリーズの中でも完成度が高く読み応えのある一冊ですので、ドラマ化などで気になった方は是非。

 

 

 

 

 

 

ではではまた~