夜ふかし閑談

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『倫敦スコーンの謎』4編 あらすじ・感想 小市民シリーズの作品集第二弾!

こんばんは、紫栞です。

今回は、米澤穂信さんの『倫敦スコーンの謎』を読んだので感想を少し。

 

倫敦スコーンの謎 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫)

 

【小市民シリーズ】第2作品集!

こちら、2026年4月【小市民シリーズ】の短編集第二弾。

 

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このシリーズは”小市民”を志す高校生、小鳩くんと小佐内さん二人が遭遇する日常ミステリが描かれるシリーズ。本のタイトルにそれぞれ四季が入っている4作品からなるもので2024年に『冬季限定ボンボンショコラ事件』が刊行されたことで四部作としては終了したのですが↓

 

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この大きな事件四つが起こっている合間にも二人は日常のささやかな謎に遭遇しているようで。それが描かれるのがこの短編集。

四部作最終作の『冬季限定ボンボンショコラ事件』の刊行前である2020年に第一弾短編集の『巴里マカロンの謎』が刊行されていまして↓

 

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今作は『巴里マカロンの謎』に次ぐ第二弾という訳です。

 

正直、『冬季限定ボンボンショコラ事件』を読んで【小市民シリーズ】は完結したっ!って意識が強くなっていたので(15年ぼど待っての完結作でしたからね・・・)、今になって短編集の第二弾が出るのは豆鉄砲を食らったような気分。

とはいえ、短編集は一冊か二冊出す予定だと数年前に米澤さんが仰っていたのでファンとしては驚くものでもないのか。私は四部作の最後である冬季限定を出す前に短編集は出し切るんだろうって思っていたのですよね・・・・・・(^_^;)。

 

 

 

 

 

 

 

目次

四編収録。ミステリ小説ファンならすぐわかることでしょうけど、この短編集では各タイトルがエラリー・クイーンの国名シリーズをなぞって国名とスイーツが冠されたものとなっています。

『巴里マカロンの謎』は高校一年の二学期から年明けまでの出来事が描かれていました。今作では高校二年生の夏までに遭遇した謎が描かれています。

 

 

●桑港(サンフランシスコ)クッキーの謎

船戸高校の卒業生で現在四十七歳の美術家・縞大我が国際的な賞を受賞した。新聞部である堂島健吾は地元のテレビ局に頼まれて学内を捜索中に縞大我の在学中に描かれたであろう絵を発見するが、展覧会に出品されたらしいこの絵が有名作品の模写であることに気が付いてしまう。

縞大我は高校時代に盗作をしたのか?健吾は小佐内の知恵をまた借りたいと小鳩に仲介を頼んでくるが——。

 

こちらの話は時系列的には高校一年の二月(多分・・・)。健吾が小佐内さんを頼ろうと思ったのは『春季限定いちごタルト事件』に収録されている「for your eyes only」での一件をうけてのものですね。

このお話はお菓子に因んだ謎ではなく絵の謎。フォーチュンクッキーについて触れられていますが、概念としてって感じですね。

 

 

 

●羅馬(ローマ)ジェラートの謎

三月。前のお話での一件で小佐内さんに借りを作ってしまった小鳩くんは、お詫びとしてショッピングモール内に入っている評判店のジェラートをおごることに。フードコートでジェラートを味わっている最中、二人は別席に居る女性客がジェラートを放置したまま座り続けている様子に疑問を抱き、推理を始める。

 

またまた細かいことを気にして・・・ではありますが、日常ミステリとはそういうものです。

しかしまぁ、ジェラートを頼んでおいていつまでも口をつけようとしない人を見たら疑問に思うのは当然かと思う。アイス類は溶けちゃうから「早く食べないと!」ってなりますもんね。ジェラートは通常のアイスよりも溶けるのが早いイメージがあるので特に。

こちらの真相は最後まで解らなかったですね。他にちりばめられていた伏線も見事で、良くできたミステリ短編だと思いました。

 

 

 

●倫敦(ロンドン)スコーンの謎

高校二年生になって間もなく。調理実習の授業があり、小佐内さんのクラスでは六つの班にわかれて課題の三つの料理を作った。しかし、分量も手順も正確に調理したはずなのに課題の一つのスコーンが生焼けで不味くなってしまったという。

小佐内さんと小鳩くんはスコーンが不味くなった原因を推理する。

 

調理実習で作った料理が不味かった・・・・・・そんなの、どっかでとちっただけだろっ!と、言いたいところではありますが。

お菓子作りなのでね、普通の料理と違ってレシピ通りにやれば不味くないはずだという理屈なんですけども。しかしねえ。お菓子の焼き加減って実際やると全然レシピ通りにいかんことあるしさぁ・・・・・・。

しかし、これは日常ミステリなのでそこら辺は条件として飲み込もうではないか。

真相を知った時の感想は「お菓子作りってやっぱ難しいわ」でした。

 

 

 

●維納(ウィーン)ザッハトルテの謎

六月。船戸高校では卒業生を招いての講演会を毎年行っていて、今年は美術家の縞大我を招くこととなった。学校内では「縞大我は盗作者だから講演会に相応しくない。中止しろ」といった内容の脅迫状が届いたと噂が流れていた。

講演会の二週間前、小鳩は日直の雑務で講演会に先立って縞大我から送られてきたオブジェを教員一人、生徒他三人と共に美術準備室へと運んだ。講演会前日に再び運び出そうとしたところ、オブジェが壊れているのを発見。地震が起きたことによる事故だとその場では結論付けられたが、小鳩は誰かが故意にやったことだと推理する。

しかし、翌日の講演会でオブジェは全く無傷の状態に戻っていて——。

 

こちらは書き下ろし。「桑港クッキーの謎」で怪しげだった美術教師の甲村先生、「倫敦スコーンの謎」で小佐内さんと班が同じだったメンバーのうちの二人、沢海さんと青田川くんが再登場しています。実は前の話二つで伏線が張られていたのですね。こういった構成での短編集はいかにも米澤穂信作品といった感じ。

仕掛けはなんとなく予想出来るものですが、伏線回収と繋げ方が見事ですね。

 

 

 

 

 

 

 

今後

思いがけず【小市民シリーズ】の良質な作品集をまた読むことが出来て非常に満足ですが。地の文で展開される小鳩くんのスイーツ食レポも絶好調ですし。

 

今後はどうなのですかね?今作が高校二年の夏までの出来事。この後の夏休みで起こる『夏季限定トロピカルパフェ事件』で小鳩くんと小佐内さんの互恵関係がゴタゴタしますので、合間での出来事を描くのは難しいのではないかと思うのですが。

ファン的には、四部作最終作『冬季限定ボンボンショコラ事件』のその後とか書いてくれるの期待しちゃいますが。

 

個人的には、【古典部シリーズ】も流石にそろっと何か動きがあって欲しいな~~ですけど。

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何はともあれ、今後も米澤穂信作品を追って行きたいと思います。

 

 

ではではまた~