夜ふかし閑談

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『法廷遊戯』映画 ネタバレ感想 やっぱり腹が立つ

こんばんは、紫栞です。

今回は、映画『法廷遊戯』についての感想を少し呟こうかと。

 

法廷遊戯

 

こちら、五十嵐隼士さんの長編ミステリ小説『法廷遊戯』を原作とした映画で、2023年11月に劇場公開されたもの。

前に原作を読みまして↓

 

 

この度、AmazonPrimeの見放題対象になっていたので観てみました。

 

法廷遊戯

法廷遊戯

  • 永瀬廉
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前の記事で感想を書いた、映画『ある閉ざされた雪の山荘で』のアマプラ配信も早かったですが、こちらの映画も早いですね。※『ある閉ざされた雪の山荘で』は2024年1月劇場公開の作品。

 

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アマプラ様々の日々を送っております。

 

 

 

『法廷遊戯』はタイトルでお分かりの通り、リーガルもののミステリ。原作と映画でストーリーに大きな違いはないので、あらすじや設定についてはこちらの記事を御参照頂きたいのですが↓

 

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この記事でも書いていますが、この物語、ミステリ的な面白さは申し分ないものの、とある登場人物達に対してムカムカしてしまう、非常に腹が立つ物語なのですよ。

 

原作小説を読んだ時のムカつきが印象強く残っていたので、この映画も「嫌な気分になるかな・・・」と、少し観るのを躊躇ったのですが、「いや、映画だと配慮されてムカつきが緩和されているかもしれない!」なんて、淡い期待を胸に観てみました。

 

ま、いざ観てみたら、そんな期待は砕け散った訳ですけども・・・・・・。

やっぱり、原作を読んだ時のように、いや、それ以上に、頭にくる作品となっていました。

 

 

 

 

以下ネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腹立つ

やっぱり美鈴(杉咲花)がねぇ。身勝手ですよ。役者さんの演技が付くとさらにムカつきさマシマシ。これは(北村匠海)のお父さん(筒井道隆)の演技やリハビリの様子が描かれていることでもさらになのですけども。ホント、このお父さん全然悪くないのに・・・!

 

原作の美鈴は最後まで酷く取り乱すこともなく冷静だったのですが、映画の方の美鈴は終盤でいきなり怒鳴り散らしたり、気がふれたように高笑いしたりするヒステリック女子に変更されていました。

 

あんな冤罪事件を起しておきながら終始淡々としているのがモヤモヤするムカつきポイントの一つだった原作ですが、映画のように理不尽な怒りを爆発させている姿は姿でやはりムカツク。ダイレクトに。身勝手さマシマシですわ。

 

原作の態度をそのままやるとキャラクターが定まらないというか、ぶれていて感情の理解が追いつかないので、映画では分かりやすく思いっ切り身勝手で屈折してしまった人物という風に描写したのですかね。おかげで、美鈴のミステリアスさは台無しになっていますけど・・・。

 

全然反省や後悔の念を見せないところは原作と映画で共通しています。腹立つなぁ。

 

 

清義(永瀬廉)に関しては、原作ですと滅茶苦茶当事者なのにまるで他人事みたいに振る舞っていたのに、最後のシーンで罪を償うという選択をするのに違和感があったのですが、映画の方ですと罪悪感に苛まれている描写が所々にあったので原作より自然になっていましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

原作との違い・取捨選択

登場人物にむかっ腹は立ちますが、映画としては見事に原作を再現出来ていて、綺麗にまとめられていたと思います。

児童養護施設トオル、清義の事務所事務員・作倉咲、お墓のお供え物エピソード、ペン型のカメラによる盗撮映像を馨の父親のジャケットに忍ばせた偽装工作など、バッサリと丸々原作からカットしていますが、これらの要素は原作を読んでいた時にも余計に感じた部分でしたので、個人的に納得のカットでした。

 

原作ですと咲とのやり取りが結構多いので、この人物ごとカットは作品雰囲気に結構影響するのですが、痴漢冤罪で金稼ぎしていた咲を諭して、事務所で雇って和気あいあいって・・・。

自分が痴漢冤罪と傷害の罪償ってないくせにあまりにも偽善的で「なんだコイツ」ですので、省かれていて良かった。これは省くべきですよ。ここの部分も映像でやられていたら、もっと腹を立てるところだった。

弁護士なりたてなのに物件借りて人雇ってっていうのも無理ありますしね。

 

お墓のお供え物エピソードは好きだったので、カットされているのはちょっと残念でしたけど。しかし、入れたら変になるのは分かるのでしょうがないかなと。

 

 

 

思いがけないところで生瀬勝久さんや大森南朋さんが出て来てビックリしました。何故こんなところで豪華キャストを・・・。

「無辜ゲーム」を何故か洞窟でやっていて、変な宗教団体みたいで怖かった(※原作だと普通にロースクールの部屋です)。

馨の父親の事件が起こった時、馨の真横を清義が通りすぎて行くのですが、本当に真横も“真横”だったので、「いや、馨!捕まえなさいよ!」ってなった。

しかし、馨はよく清義と仲良く出来たものですよねぇ。私が馨の立場だったら絶対無理。映像をみてより強固にそう思いました。

 

 

やはり、映像化で役者さんの演技が付くと違いますね。より感情が湧き起されるといいますか。

腹は立ちますが、原作ものの映画としては取捨選択が上手くされている良作だと思いますので、気になった方は是非。

 

法廷遊戯

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ではではまた~