夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

小説

『変な絵』文庫 限定特典『続・変な絵』ネタバレ・感想 事件の本当の真相が明らかに!?

こんばんは、紫栞です。 今回は、雨穴さんの『変な絵』文庫版の巻末に収録されている謎解きゲームと『続・変な絵』について少し。 『変な絵』の単行本は2022年10月に発売されていまして、私は単行本を購入して既に完読しています。 今回の文庫版は特典として…

『砂男』火村英生シリーズ”幻の事件”がついに読める!単行本未収録作品集6編 あらすじ・感想

こんばんは、紫栞です。 今回は、有栖川有栖さんの『砂男』をご紹介。 有栖川有栖、幻の作品 こちら、2025年1月4日に刊行された有栖川さんのミステリ作品集。有栖川さんには【学生アリスシリーズ】(江神二郎シリーズ)と www.yofukasikanndann.pink 【作家ア…

『書楼弔堂 霜夜』シリーズ完結!あらすじ、登場人物、他作との繋がり・・・諸々解説

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『書楼弔堂 霜夜(そうや)』をご紹介。 シリーズ完結!〈探書〉の夜 2024年11月に刊行されたこちら、明治を舞台とした「書楼弔堂」というとんでもなく品揃えが良い本屋に史実の著名人たちが客として訪れる連作…

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』あらすじ・感想 マジシャンによる華麗な調査手腕!

こんばんは、紫栞です。 今回は、東野圭吾さんの『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』を読んだので感想を少し。 あらすじ 東京で仕事と数ヶ月後に控えた結婚の準備に追われていた神尾真世は、独り暮らしをしていた父が殺害されたとの一報を受けて故郷…

『大樹館の幻想』ネタバレ・考察 ラストの”あれ”の謎は?乙一による館もの長編ミステリ!

こんばんは、紫栞です。 今回は、乙一さんの『大樹館の幻想』をご紹介。 あらすじ 巨大針葉樹の幹を囲むように建設されている洋館・大樹館。偉大な小説家である御主人の奥方の十三回忌で大樹館に家族がそろったその日、使用人として住み込みで働いている穂村…

『ブラックガード』あらすじ・感想 矢能シリーズ第5弾!物騒なミステリ!

こんばんは、紫栞です。 今回は、木内一裕さんの『ブラックガード』を読んだので感想を少し。 あらすじ 元ヤクザの探偵・矢能の元に、資産家・正岡道明から仕事の依頼が舞い込んだ。なんでも、違法に入手された商品の購入を促す電話がサトウと名乗る謎の男か…

『六人の嘘つきな大学生』小説 ネタバレ・考察 「動機」「嘘」「好きな人」の謎

こんばんは、紫栞です。 今回は、浅倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』をご紹介。 あらすじ 大人気IT企業「スピラリンクス」の新卒総合職の採用試験で、五千人の中から最終選考に残った六人の大学生。 最終選考の課題は『チームディスカッション』。一…

『世界でいちばん透きとおった物語』あらすじ・感想 驚愕の”紙の本”トリック!

こんばんは、紫栞です。 今回は、杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』を読んだので感想を少し。 あらすじ 母を亡くし、書店バイトをしながら日々を送っている藤阪燈真。ある日、彼の元に一ヶ月前に死去した大御所作家・宮内章吾の息子である朋晃…

『彼女が言わなかったすべてのこと』あらすじ・感想 ”愛しかない”物語

こんばんは、紫栞です。 今回は、桜庭一樹さんの『彼女が言わなかったすべてのこと』を読んだので感想を少し。 あらすじ 二〇一九年九月の終わり。病気療養中の小林波間は帰宅途中に通り魔事件に遭遇し、女性が刺されるところを目撃する。救急車や警察が呼ば…

『名探偵の有害性』あらすじ・ネタバレ感想 ”名探偵”は有害か?

こんばんは、紫栞です。 今回は、桜庭一樹さんの『名探偵の有害性』をご紹介。 あらすじ およそ30年前の平成中期、名探偵が大流行していた時代があった。名探偵と名乗る者がたくさんおり、トップの四人は四天王と呼ばれて、派手な事件が起こっては彼らが呼ば…

『彼女が生きてる世界線!』あらすじ・感想 中田永一が描く青春・難病・異世界転生物語

こんばんは、紫栞です。 今回は、中田永一さんの『彼女が生きてる世界線!』を読んだので感想を少し。 あらすじ 交通事故に遭い死亡した28歳のサラリーマンである「僕」は、目が覚めるとアニメ『きみといっしょにあるきたい』の悪役・城ヶ崎アクトに転生して…

『日本扇の謎』あらすじ・感想 有栖川版〈国名シリーズ〉第11弾は日本!

こんばんは、紫栞です。 今回は、有栖川有栖さんの『日本扇の謎』を読んだので感想を少し。 あらすじ 舞鶴の布引浜で記憶喪失の青年が保護される。検査しても脳に異常はなく、身元も何処で何をしていたのかも思い出せない青年が唯一持っていたのは一本の扇の…

『狐花 葉不見冥府路行』 小説 あらすじ・感想 京極夏彦が歌舞伎の為に書き下ろし!夏のオススメ本~⑭

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『狐花 葉不見冥府路行』(きつねばな はもみずにあのよのみちゆき)をご紹介。 あらすじ 作事奉行上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、憔悴して伏せっていた。深紅の彼岸花を染め付けた着物を纏った魔性のごとき美…

『明智恭介の奔走』5編 あらすじ・感想 ”あの”『屍人荘の殺人』以前の物語

こんばんは、紫栞です。 今回は、今村昌弘さんの『明智恭介の奔走』について感想を少し。 〈明智恭介〉とは タイトルにもなっている〈明智恭介〉。何者かといいますと、今村昌弘さんのデビュー作にして大ヒット作の長編推理小説『屍人荘の殺人』に登場した人…

『了巷説百物語』あらすじ・解説・感想 圧巻!シリーズこれにて堂々の完結!!

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『了巷説百物語』(おわりのこうせつひゃくものがたり)をご紹介。 あらすじ 下総国に住まう狐狩り名人・稲荷藤兵衛(とうかとうべい)には、嘘やまやかしを見破る〈洞観屋〉という裏の渡世があり、影で商人達など…

『烏は主を選ばない』原作小説2作 アニメとの違いを解説!

こんばんは、紫栞です。 今回は、阿部智里さんの『烏に単は似合わない』と『烏は主を選ばない』について少し。 和風ファンタジー 『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』は阿部智里さんによるファンタジー長編小説シリーズで、2024年5月時点で外伝も含…

『冬期限定ボンボンショコラ事件』感想 小市民シリーズ四部作、ついに完結!

こんばんは、紫栞です。 今回は、米澤穂信さんの『冬期限定ボンボンショコラ事件』の感想を少し。 あらすじ 大学受験を控えた高校三年生の冬。小鳩常悟朗は、同級生で小市民を志す同志である小佐内ゆきと下校していたところを車にはねられた。 一時意識不明…

『法廷遊戯』映画 ネタバレ感想 やっぱり腹が立つ

こんばんは、紫栞です。 今回は、映画『法廷遊戯』についての感想を少し呟こうかと。 こちら、五十嵐隼士さんの長編ミステリ小説『法廷遊戯』を原作とした映画で、2023年11月に劇場公開されたもの。 前に原作を読みまして↓ 法廷遊戯 posted with ヨメレバ 五…

『近畿地方のある場所について』考察もしたくないほど怖い!夏のオススメ本~⑬

こんばんは、紫栞です。 今回は、背筋さんの『近畿地方のある場所について』を読んだので感想を少し。 2023年話題のホラー本 こちら、2023年1月~4月まで小説投稿サイト【カクヨム】にて連載されていたもので、書籍は同年の8月に刊行されました。 kakuyomu.j…

映画『変な家』感想 怖い?ひどい?原作との根本的な違いを解説

こんばんは、紫栞です。 『変な家』の映画を観てきました!ので、今回はそれについての感想を少し。 www.youtube.com 原作は2021年に刊行してからというもの、売れに売れている雨穴さんの同名小説。 変な家 文庫版 posted with ヨメレバ 雨穴 飛鳥新社 2024…

『りら荘事件』『リラ荘殺人事件』違い、大幅改稿・・・”館もの”の先駆的作品、諸々解説

こんばんは、紫栞です。 今回は、鮎川哲也さんの『りら荘事件』について少し。 あらすじ 荒川の上流、埼玉県と長野県の境にある《りら荘》。レクリエーションの場として学生に開放されているこの寮に、夏期休暇を過ごすため七名の学生がやって来た。 その日…

『ゲームの名は誘拐』ネタバレ・解説 原作小説と映画の違い

こんばんは、紫栞です。 今回は、東野圭吾さんの『ゲームの名は誘拐』をご紹介。 あらすじ 腕利きの広告プランナーである佐久間駿介。金を稼ぎ、適当に女遊びをして順風満帆な日々を過していた彼だったが、ある日、手掛けてきた一大プロジェクトをクライアン…

【小市民シリーズ】4作品まとめ紹介 〈冬季〉とアニメ化前におさらい!青春スイーツミステリ

こんばんは、紫栞です。 今回は、米澤穂信さんの【小市民シリーズ】をご紹介。 小市民シリーズとは 【小市民シリーズ】は米澤穂信さん初期の代表作である2大青春ミステリ小説シリーズの内の一つ。※もう一つは【古典部シリーズ】ですね。 www.yofukasikanndan…

『鵼の碑』ネタバレ 登場人物、他シリーズとの繋がり、徹底解説!”化け物の幽霊”とは?

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)について多少突っ込んだ内容紹介と解説をしたいと思います。 あらすじ 昭和二十九年、二月。 劇の脚本を書くため日光榎木津ホテルに滞在している最中、メイドから殺人の記憶を打ち…

『スイート・マイホーム』映画 感想 ホラー?原作との違いは?

こんばんは、紫栞です。 今回は、映画『スイート・マイホーム』を観たので感想を少し。 こちらの映画、神津凛子さんの小説を映画化したものでして、前にこの原作本について当ブログで感想を書きました。↓ www.yofukasikanndann.pink 映画が公開されたのは202…

京極夏彦作品 時系列まとめ 百鬼夜行、巷説百物語、書楼弔堂、ルー=ガルー・・・各シリーズ・本の年表

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦作品の“本”ごとの時系列をまとめたいと思います。 京極夏彦作品は基本的にどの作品も同一世界線で描かれているため、シリーズや出版社の垣根を越えて事象や人物が繋がるように描かれています。 今まで各シリーズの刊…

『死ねばいいのに』京極夏彦 ネタバレ・解説 ひどいタイトル!その真意とは?

こんばんは、紫栞です。 今回は、京極夏彦さんの『死ねばいいのに』をご紹介。 タイトル 『死ねばいいのに』は2010年に刊行された長編小説。インパクト大のタイトルでして、作者の京極さんも「ひどいタイトル」と当時のインタビューで仰っております。このタ…

『ほねがらみ』あらすじ・感想 怖い!“あの”物部も苦戦した怪異とは

こんばんは、紫栞です。 今回は、芦花公園さんの『ほねがらみ』を読んだので感想を少し。 『ほねがらみ』は2021年に刊行されたホラー長編小説。2020年にWeb小説サイト〈カクヨム〉にて発表された「ほねがらみ――某所怪談レポート」がネットでバズり、それを改…

『777 トリプルセブン』感想 【殺し屋シリーズ】4作目「マリアビートル」の七尾ふたたび!

こんばんは、紫栞です。 今回は、伊坂幸太郎さんの『777 トリプルセブン』をご紹介。 あらすじ ツキのない殺し屋・「天道虫」こと七尾は、仲介屋の真莉亜が引き受けてきた「ホテルの一室にいる男に娘からのプレゼントを渡す」という仕事を受けて、ウィントン…

『鵼の碑』感想 ネタバレなし 感謝感激!17年ぶりの鈍器!百鬼夜行シリーズ新作長編

こんばんは、紫栞です。 読みましたよ。『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)を・・・! 凄かったですよ。読めたことはもちろんですけど、他にも色々と感謝の気持ちでいっぱいです。京極先生、ありがとうございます。作家デビュー30周年おめでとうございます。 もっと読…