こんばんは、紫栞です。
9日の日に『ゴースト・イン・ザ・シェル』実写版を観てきました。
通称スカヨハ攻殻ですね。1995年に押井守監督によって作られたアニメ映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
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を原作としてハリウッドが実写映画化したものです。
この攻殻機動隊なのですが、士郎正宗さんの原作漫画を出発点として押井守のアニメ映画、神山健治の『S.A.C』、黄瀬和哉と冲方丁の『ARISE』とその他小説やらゲームやらが派生作品として展開され続けてきまして、このたびとうとうハリウッドで実写化と相成りました。パチパチ~。
私は主に『S.A.C』シリーズのファンなのですが、押井監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』も過去に何回かテレビ放送やレンタルで観ています。最初の二回寝落ちして、三回目に「今度こそ寝ない!」と意気込んでなんとか最後まで鑑賞しました・・・。嫌いな訳ではないし、面白いとも思うのですが、話が淡々としていて何だか静かなので眠くなってしまうのさ(^_^;)因みに、今回一緒に映画観に行った友達も途中で寝落ちした組でして、「実写映画はアノ話をそのまま再現なの?だったら私ヤバいかも。寝るかも」なんて言われていたのですが・・・大丈夫でした!
タイトルこそ『ゴースト・イン・ザ・シェル』ですが中身のお話は全くの別物です。攻殻機動隊はシリーズ毎にキャラクター設定やストーリーが異なり、原作漫画を大本としてパラレルワールドが多数存在する作品。つまり、それぞれ別作品として楽しんでね~といったスタンスなのですが、今回の実写映画もそうで“ハリウッド版、実写の攻殻機動隊パラレルワールド”的意識で観るものですね。
共通しているのはテクノロジーが進んで人と機械の境界線が曖昧になっている世界設定(これ大分省略した言い方です)とキャラクター達ぐらいで、他はほぼほぼオリジナル。
特に大きく異なるのが主人公の少佐が世界初の義体化の成功例で、今後の人類にとって重要な存在だというところ。何というか・・・エンターテインメント性を強くした感じの改変だなぁと。これがハリウッド的なとこなんだろうか。
ストーリーを要約して言うと“主人公が自身のルーツを探る”というもの。まぁ王道なのですが、ここに攻殻機動隊シリーズ内での共通テーマ「“ゴースト=魂”は何処に、何によって宿るのか」が絡んでくるので、あぁ攻殻ワールドだなぁといった印象はちゃんと受けます。
『S.A.C.2nd GIG』のクゼが適役として出てくるんですけど、最初「何で人形使いや笑い男じゃなくてクゼなんじゃろー」と思ったのですが、少佐のルーツを探る話だからそうなるのね~と納得。
さて、このような点を踏まえて今回の実写映画、アリかナシかと聞かれたら・・・
アリです
ストーリーはオリジナルでホント良かったと思います。アニメ映画をそのまま実写化していたら本家とどうしても比較されちゃうし。これくらいエンタメ性高くしたほうがハリウッド映画としては良いと思う。眠くもならないし。
別物ではあるものの、ちょこちょこ本家ネタや『S.A.C.』ネタ入ってくるのでファン心をくすぐられます。芸者ロボットは普通のデザインで良かったんじゃないかと思いますけど。あんなのにお酌されても怖いでしょ。(余談ですけど、欧米が描く日本ってどーしても中国テイスト入ってきちゃいますよね。何でなんでしょ?欧米人にはその方がエチゾチックで画的に見栄えすると思われてるんだろうか)
スカーレット・ヨハンソンの少佐は美しかったですね~。体型の雰囲気も素子に似ていたし。胸もでかい(笑)素子役は東洋人じゃないとダメ!ってな声があるみたいですけど、個人的にはスカーレット・ヨハンソンで良かったと思います。存在感があるし、あの綺麗な顔もサイボーグ設定に真実味を持たせているかと。
バトーが不憫なのはもはやデフォですよね(笑)少佐とバトーの微妙な距離感が変えられてなくてなんだか安心した。
たけしさんの荒巻課長ですが、髪型がなんともいえない再現率。拳銃ぶっ放して薬莢捨てるシーンは完全にアウト〇イジ!でしたな。
そしてそして!なんと言っても今回の映画のポイントは吹き替えですよ!
実はわたくし、声優陣が一新されてしまったのがショックで『ARISE』からは全く観ていないのですが(別にARISEの声優さん達がダメだとか言っている訳ではないのです。でも、でも、観られないの・・・!)この映画の吹き替え声優はアニメ映画の時と同様の田中敦子さん、大塚明夫さん、山寺宏一さんが担当されているんですよ~(あと、クゼもちゃんと小山力也さんでした)。
最初にコレを知ったときはですね、歓喜で「あああ!絶対吹き替えで観ます!吹き替え一択です!」と、調べてくれた友達の前で叫んでしまい「わかったよ。怖いよ」と引かれてしまいました(^^;)
そんな訳で字幕版なんぞには見向きもせず、吹き替え版を堪能してきました。
あ~もうファン的には田中さんの少佐と大塚さんのバトーが二人で喋ってるの聴いているだけで「ありがとう!」と脳内で感謝。やっぱいいわ~(私は田中さんの少佐声が個人的にドツボなのです)トグサは実際の役者さんに比べると「トグサ、声かっけーな(笑)」と思ってしまった。
他の9課メンバーがほぼセリフ無しなのが残念です。ストーリー的に仕方ないのですが。
声がまんまなので、なんだか攻殻アニメの新作をフルCGで観ているような感覚になりました。スカヨハの顔が綺麗なのがその感覚に拍車をかける・・・。
攻殻は非常にマニアが多い作品なので、マニア的にはダメ出ししたいとこ沢山あるかと思いますが(原作ありの実写化作品はみんなそうですけどね)これも攻殻機動隊のパラレルワールドの内の一つとしてなら十分楽しめる映画だと思いますよ。
ファンなら観るのは吹き替え一択で!
ではではまた~