こんばんは、紫栞です。
今回は【金田一少年の事件簿】の歴代ドラマを一挙に紹介したいと思います。
私は【金田一少年の事件簿】の原作漫画は全巻所持して読破している長年のファンですが、実写ドラマの方もリアルタイムですべて観ていました。そもそも金田一少年の事件簿ファンになった切っ掛けがドラマだったので、原作漫画同様の思い入れで放送されれば見続けていたのです。
【金田一少年の事件簿】は、1995年に実写ドラマ化されて以来、数年おきにキャストやスタッフを変えながら放送されてきました。すべて日本テレビで制作・放送で、連続ドラマの枠もすべて同じ、土曜日の21時枠。ジャニーズ事務所所属タレントさんが多く主演をしている番組枠。いわゆる、“ジャニーズ枠”と呼ばれる番組枠ですね。
なので、【金田一少年の事件簿】のドラマもジャニーズ事務所所属タレントさんが代替わりでそれぞれ演じられてきました。
今回は、主演俳優さん別に紹介していきたいと思います。
初代・堂本剛版
メインキャスト
●金田一一―堂本剛
●七瀬美雪―ともさかりえ
●剣持勇―古尾谷雅人
初代の堂本剛さん版はスペシャルドラマが2本、連続ドラマが2シーズン、映画が1本制作されました。映画版まで制作されていると、作品としていくところまでいったという印象を受けますね。この初代がヒットしたからこそ代替わりしながら制作され続けているのでしょうが。
『ケイゾク』『トリック』などで有名な演出家・堤幸彦さんの出世作で、“男女コンビの掛け合いが楽しい完結型ミステリ”という、堤幸彦監督の定番型は今作から始まったといっていいでしょう。録画して繰り返し観るほど大好きで、ドラマやミステリ、原作漫画など、私にとっては色々と今の趣味に繋がる切っ掛けの作品です。
多くの人に受け入れられた作品ですが、原作を忠実に再現しているといったものではなく、ドラマオリジナル要素が多いものでした。実写化ものだと原作の再現度が作品評価の目安の一つとなっていたりしますが、今作は原作の再現というより、“コミカルさを盛込みつつのホラーテイストミステリ”という堤幸彦監督の演出と、【金田一少年の事件簿】が上手い具合に噛み合ってヒットした作品なのだろうなと思います。
スペシャルドラマ(1995年4月)
●学園七不思議殺人事件
記念すべき一作目。当時は高校生が謎解きをするドラマというのは新鮮だったのです。しかも金田一耕助の孫だというし。
「放課後の魔術師」の扮装が恐すぎてトラウマ回として有名。私も観てしばらくは頭から離れなくって夜が恐かった(^_^;)。子供だったし。
犯人が原作とは変えられていて、ラストも異なります。
このドラマの最後に続編を希望するかどうかの視聴者投票が行われ、結果として連ドラ化されました。
●連続ドラマ 第1シーズン 全8話(1995年7月~9月)
第一話 異人館村殺人事件
第二話 悲恋湖伝説殺人事件
第三話 オペラ座館殺人事件
第四話 秘宝島殺人事件
第五話 首吊り学園殺人事件
第六話 首無し村殺人事件(※原作では飛騨からくり屋敷殺人事件)
第七話 蝋人形城殺人事件(前編)
第八話 蝋人形城殺人事件(後編)
一話目の「異人館村殺人事件」は大人の事情で欠番扱いになっているため、VHSは生産途中から、DVDでは最初から「異人館村殺人事件」が抜けていますので、今となっては一話目を視聴するのは困難です。※“大人の事情”について、詳しくはこちら↓
最終の「蝋人形城殺人事件」以外はすべて1時間で完結させていたのは今考えると驚きですね。原作漫画を知った後だとクローズド・サークルの連続殺人ものをよく1時間にまとめていたもんだなと。視聴者としては一週で一つの事件が終わってくれるのは有り難かったですけど。次週に続く!だと、やっぱりテンションが下がりますから。
「首吊り学園殺人事件」の深町君役で窪塚洋介さんが出演しています。
スペシャルドラマ(1995年12月)
●雪夜叉伝説殺人事件
速水玲香(中山エミリ)と明智健吾(池内万作)という原作シリーズでの主要人物が、このスペシャルドラマで初お目見え。連続ドラマの「蝋人形城殺人事件」では明智さんの役割を剣持警部に丸々変更されていたので(※以後もそんな感じで明智さんの出番は大幅に削られています)。
しかし、ドラマ版の明智警視は噛ませ犬というか、おまぬけさん役として出てくる脇役で、原作ほどの存在感はまるでないです。原作でも「雪夜叉伝説殺人事件」の時はそんな感じでしたけどね。明智さん人気が出るのは原作でも結構時間がかかった。
終盤に次クール放送だった連続ドラマ『銀狼怪奇ファイル』の主役・不破耕助(堂本光一)が登場して金田一(堂本剛)と友達として会話するという、なんともサービスなシーンが存在します。
●連続ドラマ 第2シーズン 全9話(1996年7月~9月)
第一話 悪魔組曲殺人事件
第二話 タロット山荘殺人事件(前編)
第三話 タロット山荘殺人事件(後編)
第四話 金田一少年の殺人
第五話 怪盗紳士の殺人(前編)
第六話 怪盗紳士の殺人(後編)
第七話 異人館ホテル殺人事件
第八話 墓場島殺人事件(前編)
第九話 墓場島殺人事件(後編)
一話目の「悪魔組曲殺人事件」は原作漫画になくって「ドラマオリジナルか?」と勘違いする人もいるかもしれないですが、CDブックのお話が原作として使われています。
CDブックの事件をドラマ化するのは意外だと思った記憶が(この時はもうすっかり原作漫画のファンにもなっていた)。
原作のストックの関係か、第1シーズンとは違って一つの事件に二週使う率が上がっていますね。その分、第1シーズンより丁寧に事件が描かれていました。
しかし、原作での人気作「金田一少年の殺人」を一週で終わらしたのには驚き。「異人館ホテル殺人事件」は主演の堂本剛さんのスケジュールの関係だとかで、はじめちゃんが入院。代わりに美雪が探偵役をするというレアな展開でした。ドラマは原作よりもコンビものの印象が強かったので、二人揃っていないのは個人的には不満でしたね(^_^;)。
「金田一少年の殺人」に都築瑞穂役で鈴木杏さんが出演しています。
劇場版(1997年12月)
●上海魚人伝説殺人事件
ドラマシリーズ完結編として制作された劇場版。思いの外爽やかな終わり方をする。
「上海魚人伝説殺人事件」は原作者の天樹征丸さんがこの劇場版用にノベルスで書き下ろしたもので、漫画化はされていません。詳しくはこちら↓
劇場版らしく(?)上海での海外ロケをしていて、街中を走り回るシーンがあったりなど、いつもよりアクティブなはじめちゃんが観られる。
ヤン・レイリー役で水川あさみさんが出演しています。実は今作が女優デビュー作。
二代目・松本潤版
メインキャスト
●金田一一―松本潤
●七瀬美雪―鈴木杏
●剣持勇―内藤剛志
キャスト・スタッフが一新されての二代目・松本潤さん版。スペシャルドラマ1本、連続ドラマシリーズが1本制作されました。
高校生が主役のシリーズだからキャストが一新されるのはしょうがないにしても、演出も堤幸彦監督から離れてしまったのは観る前からショックでした。この時は堤幸彦監督作品にもどっぷりハマっていたので・・・。
初代とは違う、“新しい金田一少年の事件簿”を作ろうという意気込みが感じられる作品で、近代的というか・・・スタイリッシュ?な、ドラマシリーズでした。初代にあったようなコミカルさやホラーテイストはほぼ無し。はじめちゃんがクールな人物像に変更されているのがやっぱり一番違和感がありますかね。クールなのに「じっちゃんの名にかけて!」って決めゼリフを言うのがどうしてもチグハグ。美雪は初代や原作での、“しっかり者の優等生お姉さん”な人物から、少し幼い感じになっています。ま、金田一がクールになっているからね・・・。
剣持警部は歴代ドラマシリーズの中で一番原作に忠実に再現されていますね。私は初代の古尾谷雅人さんの剣持警部が大好きですけど。亡くなられたと知ったときはショックでしたね・・・。
【金田一少年の事件簿】はブレザーの制服イメージが強いのですが、今作では学ランにセーラー服の写真がポスターなどに使われていて、ここら辺も“変えてやろう”感がありありと。と、いっても、遠出する際も制服を着ていることが多かった初代とは違い、松本潤さん版は制服のシーンがほとんどなかったので制服イメージ自体が薄かったのですけどね。
スペシャルドラマ(2001年3月)
●魔術列車殺人事件
原作漫画の中で個人的に一番大好きな「魔術列車殺人事件」。初っ端にこの事件をやるということは高遠遙一(藤井尚之)さんを連ドラでも絡ませるのね!って、ことなんですが、残念ながら原作ファンとしては受け入れがたい実写化でした。私の思い入れが強すぎるせいなのでしょうが(^_^;)。
最後にドラマオリジナルで高遠さんと金田一が面会するシーンがあるのですが、これが本当に蛇足。観終わった後に一人で怒っていました・・・。
●連続ドラマ 第3シーズン 全九話(2001年7月~9月)
第一話 幽霊客船殺人事件(前編)
第二話 幽霊客船殺人事件(後編)
第三話 仏蘭西銀貨殺人事件
第四話 黒死蝶殺人事件(前編)
第五話 黒死蝶殺人事件(後編)
第六話 速水玲香誘拐殺人事件
第七話 魔犬の森の殺人
第八話 露西亜人形殺人事件(前編)
第九話 露西亜人形殺人事件(後編)
一話・二話の「幽霊客船殺人事件」は漫画ではなくノベルス二作目が原作に使われています。
事件のラインナップを見ると、旅行先での事件ばっかりで学校関連のものが一つもない。どうりで制服着ているイメージが皆無なはずですね。
今作では玲香ちゃんの役を酒井若菜さんが演じています。金田一と美雪の小学校時代の同級生という、「仏蘭西銀貨殺人事件」のますみちゃんと同じような設定に変更されていて、原作のように美雪とバチバチしたりはしない。
「露西亜人形殺人事件」で高遠さんが再登場しているのですが、ワイルドで妙にイケイケな容貌という謎のイメチェンをしているのが意味不明だった。ほんとうに謎。
「黒死蝶殺人事件」の斑目揚羽役(※原作では女性)で成宮寛貴さんが、「魔犬の森の殺人」の二ノ宮朋子役で綾瀬はるかさんが出演しています。
三代目・亀梨和也版
メインキャスト
●金田一一―亀梨和也
●七瀬美雪―上野樹里
●剣持勇―加藤雅也
スペシャルドラマ(2005年9月)
●吸血鬼伝説殺人事件
亀梨和也さん版はスペシャルドラマ1本のみ。DVD化などもされていなくって、もはや幻の作品ですね。なかったことにされている・・・のか?
※2022年6月追記。新しいドラマが放送された影響か、ディスク化されました!↓
またキャスト・スタッフを一新。お話は「ボンベイタイプいすぎだろ」と散々言われる「吸血鬼伝説殺人事件」です。
前シリーズよりもさらに初代や原作とは別物の【金田一少年の事件簿】を作ろうというのはわかりますが、金田一はじっちゃんの事を嫌っているし、美雪はスポーティなサバサバ系女子になっているし、剣持警部はイケオジになっているし・・・もはや高校生が謎解きをするというだけの別作品になっている。
違いすぎているため逆に怒りは湧いてきませんが、視聴者としては「迷走してるな~」という感想を抱いてしまいますね。
続編を希望するメッセージが書かれた扇子を剣持警部が仰いでいるところで終わっていますが、制作陣の問題か、原作との兼ね合いの問題か、単純に視聴者に受け入れられなかったためか、続編が制作されることはありませんでした。
四代目・山田涼介版
メインキャスト
●金田一一―山田涼介
●七瀬美雪―川口春奈
●剣持勇―山口智充
山田涼介さん版はスペシャルドラマが2本。連続ドラマが1本制作されました。
前作品たちから、悪戯に変更して奇をてらっても駄目だというのを学んだのか、キャスト・スタッフは一新されているものの、初代の制服やBGMを使っていたりと、原点回帰しています。山田涼介さん版の演出を担当している木村ひさし監督は、初代の演出をしていた堤幸彦監督の作品に助監督として多く参加していて、演出の雰囲気も似通っているところがあるのですよね。
金田一や美雪の設定も原作とほぼ同じ。序盤の方では原作の金田一の髪型を微妙に再現していたのが微笑ましい。
今作は他のシリーズより剣持警部の出番が少なめで、登場するのは連ドラ版から。佐木竜二(有岡大貴)始め、ミス研メンバーの出番が多めで青春モノ感が強いですかね。高遠さん(成宮寛貴)は最初のスペシャルドラマからシリーズ全体に関わっています。
スペシャルドラマ(2013年1月)
●香港九龍財宝殺人事件
日本テレビ開局60周年記念作品として制作され、海外ロケや海外俳優さんが出演したりと豪華なスペシャルドラマ。が、外国人俳優さんの台詞はまさかの声優さんによる日本語吹き替えになっていて笑ってしまう(^^;)。最初に観たときは衝撃でしたね。
初っ端に高遠さんが少し登場しているのですが、「どうした!?」って感じの奇怪な登場と扮装だった。メイントリックもちょっと笑ってしまうようなものでしたね。
スペシャルドラマ(2014年1月)
●獄門塾殺人事件
一発目のスペシャルドラマの後に連ドラをやるのかと思いきや、何の音沙汰もなく丸一年経ってまたスペシャルドラマ。原作では日本が舞台のお話なのですが、このドラマでは何故か舞台がマレーシアの密林の中になっていて、登場人物も一部外国人に変更されています。本当に謎の変更。
「香港九龍財宝殺人事件」に登場した李(リー)刑事(ウー・ズン)が再登場。また日本語吹き替えである。吹き替えをしていた声優さんが浪川大輔さんから東地宏樹さんに代わっています。
●連続ドラマ 第4シーズン 全九話(2014年7月~9月)
第一話 銀幕の殺人鬼
第二話 ゲームの館殺人事件
第三話 鬼火島殺人事件(前編)
第四話 鬼火島殺人事件(後編)
第五話 金田一少年の決死行(前編)
第六話 金田一少年の決死行(後編)
第七話 雪影村殺人事件
第八話 薔薇十字館殺人事件(前編)
第九話 薔薇十字館殺人事件(後編)
この連続ドラマは『金田一少年の事件簿N (neo )』のタイトルでの放送でした。
原点回帰な作品ですが、初代の時にはいなかった高遠さんが関わってくるので、そこら辺は大きく違う。
原作や二代目・松本潤さん版では「魔術列車殺人事件」で高遠さんが犯人として出て来て、金田一に真相究明されて一旦逮捕されたものの脱獄、その後犯罪コーディネーターとなる・・・ってな流れですが、今作では高遠さんが最初から犯罪コーディネーターで、金田一の事が気になってちょっかい出してくるという設定なので、原作ほど因縁のライバル感はないです。最後の「薔薇十字館殺人事件」では共闘していますしね。
個人的には松本潤さん版の高遠さんより今作の成宮寛貴さん演じる高遠さんの方が好きです。
原作の後半での事件が多いなか、かなり前の作品であるノベルス版の「鬼火島殺人事件」が入っているのが驚き。体力重視なトリックを実写で観ることができたのには感謝をするべきなのかもしれない。
以上、2020年現在四代目まで。
五代目は・・・?
四代目まで紹介してきた訳ですが、今後五代目のドラマが作られることは果たしてあるのでしょうか。
漫画【金田一少年の事件簿】は【金田一37歳の事件簿】に引き継がれる形で完結しているので、「少年」の方はもうドラマ化はないかなぁ~という気はします。
「少年」の方も実写化していない事件はまだ数がありますので、やろうと思えば出来るんですけども。
でもやっぱり、今現在連載・話題になっているのは「37歳」の方なので、今実写化するとなったらこっちなのでは。
初代から20年以上経っていますし、最初の頃の事件をリメイクするとかもアリなんじゃないかとは思いますけどね。現に金田一耕助ものとかは同じ事件を役者やスタッフを変えて何度も放映していますし。
※2022年4月から五代目新作ドラマ放送が決定しました!詳しくはこちら↓
もし【金田一37歳の事件簿】を実写化するなら、やっぱり初代の堂本剛さんに演じて欲しいなぁと思ってしまうところ。年齢もピッタリだし。しかし、「37歳」はまだ美雪が登場していないし、もうちょっと話が進んでからでないと駄目ですかね。やっぱり初代キャストでやるなら堂本剛&ともさかりえコンビで事件追っているのが観たいし・・・。剣持警部や明智さんの問題もある。正直、明智さんは代えてくれたほうが・・・と、思う(^_^;)。
原作では人気があって主要人物のうちの一人である明智さんですが、ドラマでは初代のスペシャルドラマなどにちょろっと出た程度で、その後のドラマシリーズでは存在ごと省かれています。人気があるぶんキャスティングしづらいのか、出したら主役を食ってしまうからなのか・・・もし今後ドラマ化があるなら実写版の明智さんにも期待したいところですね。
ファンとして、どんな五代目ドラマになろうとも見届けたい所存です。夢を見ながら待つ!
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ではではまた~