こんばんは、紫栞です。
今回は、シャーロック・ホームズを読み始めるにつき、最初に選別せねばならない問題「どの出版社から出しているものを読むか・文庫の比較」のまとめです。
まずは出版社から。
当然ながら多数の所から出されています。近年集めやすくて、文庫で全巻出ているものですと下記の通り(注:各出版社の特徴はネット等で調べてみたまとめです。私は実際には新潮文庫版しか読んでいませんので悪しからず)
●新潮文庫版
古風な文体。格調高く、原作の雰囲気に近い。「シャーロック・ホームズの叡智」たる読む順番を困惑させる本がある。
●角川文庫版
各出版社から複数出されている新訳版の中でも新しいもの。読みやすい文章で、古典翻訳ものだと多数ある注釈も少なめ。ワトソンの一人称が「ぼく」で、他の翻訳本やドラマなどで「私」に慣れてしまっている人には違和感があるかも。
●創元推理文庫版
緋色の研究 【新訳版】 シャーロック・ホームズ・シリーズ (創元推理文庫)
- 作者: アーサー・コナン・ドイル
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2015/09/11
- メディア: Kindle版
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現代的・古風の中間。初版挿絵が一部あり。話毎に注釈あり。
児童書。アニメ的な挿絵あり。かなり読みやすくなっている。全16巻。お話がテーマ別(?)に纏めてある。
●ちくま文庫版
お話が時系列順に並び直されている。解説の量が膨大。研究書的感覚で上級者向け?
●河出書房新社版
現代的文章。初版挿絵が全てある。注釈が詳細に記されている。
●光文社文庫版
現代的でスムーズに読める。格調高さには若干欠ける。初版挿絵が一部あり。
古いものなども入れるともっとあるみたいですが、今現在入手しやすいものですとこんなところかと。
私は折角100年前の作品なので、当時の雰囲気を味わいたいのと元々古臭い文章が割と好みなので新潮文庫版を選びました。あと、訳者の延原さんはホームズ翻訳の草分け的存在だとの説明があったので。古本で入手しやすいというのもある。
「シャーロック・ホームズの叡智」があるのが厄介なのですけど。この本について、詳細はこちら↓
ネット等でよくおすすめされていたのは光文社文庫版かなぁという印象を受けました。
読みやすくて、お話も原作の刊行順に読めるみたいです。こちらも古本で入手しやすい。
角川文庫版も何処でも入手しやすく、読みやすいとオススメする声が多いです。
河出書房新社版のストランド誌に掲載されていた挿絵が全部見られるのも良いですよね。挿絵があたえる印象って大きいですから。当時の雑誌掲載を読んでいる気分が少し味わえるかも。
何回も再読している上級者はちくま文庫版読むと良さそう。一回読んだだけの私でもお話が時系列順に並び直されているのは魅力的に感じます。刊行順に読んでいるとどの年に二人がどんな生活送っていたのかがごっちゃになるので(同居期間とか、ワトソンの結婚生活期間とか、『最後の事件』の前・後とか、隠居時代突入のタイミングとか・・・)
特にワトスンの結婚問題は普通に読んでいて困惑します。
『空家の冒険』の後、詳しい説明なしにワトソンがホームズと同居生活を再開させているのですが「ワトスン、おまえ結婚生活はどうした?」って思う。別れたの?いつの間に??
まぁこの辺の問題がシャーロキアンの格好のネタになっているみたいですが(死別した説が有力らしい)。余談ですが、研究によるとワトソンは三回結婚したという結論が出ているらしいです。ワトソン、おまえ・・・。
翻訳本がこんなに色々出ていると選ぶのも一苦労ですね。読む前から挫折しそう・・・とか言わずに(^_^;)この最初の壁を越えてほしいのです。深く考えずに一番入手しやすいものをとりあえず読んでみるでも全然大丈夫だと思います。今はネットでも全文読めるみたいですしね~。
ではではまた~