夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

『犯人たちの事件簿』8巻 感想 グランドフィナーレ感だが・・・?

こんばんは、紫栞です。
今回は金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』8巻を読んだので感想をひとしきり。

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(8) (講談社コミックス)

金田一37歳の事件簿』6巻と同じく、こちらも買うのがいつもより遅くなってしまって悔しいところですが。

 

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今巻の表紙はCaseシリーズ最終巻の10巻のパロディ。

金田一少年の事件簿 (Case7〔下〕) (少年マガジンコミックス)

 

表紙が本編最終刊のパロディなので、この外伝もとうとう終わりか!?と、いう感じがプンプンしていますが、さてどうでしょう。(6巻もそうでしたけどね)

 

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8巻は「天草財宝殺人事件」「怪奇サーカスの殺人」「雪影村殺人事件」「金田一少年の決死行」の4つの事件収録。今巻は著者の船津さんの巻末書き下ろし漫画はなしでした。

 

 

 

 

 


●「天草財宝殺人事件」 

金田一少年の事件簿File(22) (講談社漫画文庫)

金田一少年の事件簿File(22) (講談社漫画文庫)

 

 犯人:和田守男

「天草財宝殺人事件」は、個人的にCaseシリーズの中で一番好きな作品で何度も読んだので懐かしさもひとしお。メイントリックが簡単だけど盲点を突いていて良い(と、思っている・・・)。
“天草に通う続けで子供たちに「白髪鬼」の噂話を流し続ける”と、いうのは私も当時本編読みながら「地味にめっちゃ大変だし、そんなことを吹聴してまわるおじさんって、そっちの方が子供たち怖がるんじゃ」と、疑問だった。包帯ぐるぐる巻きの顔で一回ホテルにチェックインするより労働がかなりありますよね。


一応、娘の手術費用の為ということではあるものの、和田さんの目的は完全にお金ってだけで、被害者はまったく落ち度がない人達なので、『悲恋湖伝説殺人事件』の遠野同様に酷い。 

 なので、和田さんは「ワテは鬼になる・・!!」と頑張っています。が、鬼になりきれないばかりに推理の鬼の金田一に敗北する。“解決編の詰めが完璧”というのが凄い納得。それもあってこの本編好きだった。テレビつけるタイミングが良すぎるのは神がかりすぎていると思いましたけどね・・・(^_^;)

 

 


●「怪奇サーカスの殺人」

 犯人:小椋乃絵留・小椋顕人

子供の姉弟が犯人の事件・・・だったね。て、感じ(^^;)。

この作品、自分の中で印象が薄くってあんまり深く考えてなかったのですが、14歳と12歳が逃走犯の男たちを計画的に殺すってだいぶ衝撃ですね。しかも計画を立てたのは12歳の弟の方。完全にヤバいガキだ。姉の乃絵留ちゃんが怖がるのも当たり前というもの。「私の弟がこんなにサイコキラーな訳がない」
14歳の少女の着替えを覗こうとする金田一は確かに、マジに一度裁かれた方がいい。
最後の、インタビューのタイミングが面白かったですね。

 

 


●「雪影村殺人事件」 

金田一少年の事件簿File(23) (講談社漫画文庫)

金田一少年の事件簿File(23) (講談社漫画文庫)

 

 犯人:島津匠

こちらの事件は一話のみ。

「雪影村殺人事件」は読者人気が高い作品なんですけど、ノスタルジックでやるせない雰囲気が魅力のものなので、『犯人たちの事件簿』といえどもギャグでやりにくいとは思います。
島津は野球が駄目になってから推理小説を書いていたとかで、その時に思いついたトリックを使ったということなのですが、天から二物を与えられているようで与えられてない島津は、天から見放されているように、自らが呼び寄せた金田一によって謎を解かれてしまう。
毎回のインタビューがアッサリしていて、「天・・やっぱりそっけない!!」と島津が叫んで終わるのが笑えます。

 

 

 

 

 

 


●「金田一少年の決死行」 

 犯人:周龍道(チャン ロンタオ)

とうとうCaseシリーズ最後の事件「金田一少年の決死行」ですね。

本編を読んでいた時は思いつかなかったのですが、龍道って確かに「体は子供 頭脳は大人」。22歳で成人しているしね。


高遠さんプロデュースの事件なのですけども、こうやって犯人視点で読んでみるとバカみたいなトリックばかりだったなぁ・・・と。

エレベーターで鏡使って一人を二人に見せるとか、明智さんを金田一が刺したように見せかける「リアルタイム合成トリック」とかね・・・。
「正直 寝ぼけた金田一がこちらに都合の良い動きをしてくれるのかは心配だが・・それを伝えると怒られそうなのでやめておこう」「あの・・・・これ・・・・難しすぎないか」発言が可笑しかった。イリュージョンすぎますよね、色々と。

 

 

 

 


グランドフィナーレ?
金田一少年の決死行」5話目は本編のCaseシリーズグランドフィナーレのパロディ。細かい部分で絵柄やセリフをパロっているので是非本編と見比べて欲しいです。こんなところまでパロってくれるとは・・・良作なスピンオフ漫画だなぁ。

 

で、このパロディで散々最終回感を出した後、まだ続くとインタビューの天の声が。続くんかい。

Caseシリーズで終わるという話だったが、編集部の方からあと単行本2冊やってほしいと頼まれたとのこと。めちゃめちゃ具体的な裏を教えてくれる・・

 

しかしながら、この漫画のコンセプトは「懐かしのあの事件を振り返る」。あんまりやってしまうと、そもそも本編事件が読者にとって懐かしくなくなるので、2008年の「血溜之間殺人事件」で区切るとのことです。

 

 

ま、近年のをやってもなぁ・・・と、なるからそこら辺で区切るのがギリギリでしょうね(^_^;)

 

第9巻は5月15日、最終刊となる第10巻は7月17日発売予定とのことで、2冊とも発売日が決定しています。
本当のグランドフィナーレまであと2冊!楽しみに待ちます!!


ではではまた~