夜ふかし閑談

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『金田一37歳の事件簿』6巻 ネタバレ感想 再びの異人館ホテル!そして、”あの”女性が・・・

こんばんは、紫栞です。
今回は金田一37歳の事件簿』6巻を読んだので、あらすじや感想をひとしきり。

金田一37歳の事件簿(6) (イブニングKC)

 

3月にはもう発売されていたのですが、諸事情で色々とあって発売に気が付くのが遅くなってしまいました。新刊は発売されたらすぐに読むように毎回心がけていたので、4月も数日経ってからになってしまったのが自分的には凄く悔しい(-_-)。

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金田一37歳の事件簿』は1巻からずっと通常版と、なんやかやとオマケのつく特装版の2パターンで刊行されてきていたのですが、この6巻は通常版のみで特装版はなし。
特装版があるのだろうと思いこんで本屋で探してしまいました。今回は買うのが遅くなったし、「特装版は店頭分もう売れちゃったのかなぁ~」と(^_^;)。

 

そのかわりなのかどうかは分かりませんが、6巻ではアサヒの酎ハイ「STRONGまるごと搾りレモン」とのコラボ企画が実地されています。コミックスに付いている帯に書かれている応募番号を専用サイトに入力すると抽選で「STRONGまるごと搾りレモン」24本セットが50名に当たるらしいです。
酎ハイとのコラボって青年誌ならではですね~。流石37歳。

 

 

 

 

6巻は5巻から引き続き

 

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「函館異人館ホテル新たなる殺人」が1冊丸々しめています。

 

あらすじ
20年前に“赤髭のサンタクロース”事件のあった「函館異人館ホテル」。舞台イベントの仕事で因縁深くもふたたび「異人館ホテル」に訪れることになってしまった金田一一とその部下、葉山まりん。
トラブルがあったものの、箱館戦争をベースに制作された演劇『箱館ウォーズ』の公演前イベントを無事に乗り切れたと思った矢先、その後の舞台本番で出演者が舞台上で射殺されるという事件が発生。何者かが舞台で使うモデルガンを本物の銃にすり替えたことによる犯行とみられるが、警察が舞台関係者を聴取するも容疑者は絞り込めない。そしてまた新たな事件が――。
これは函館で箱館戦争を題材にした舞台をお祓いもせずにやると怪我人や死人が出るという亡霊「碧血鬼」の祟りなのか。それとも――。

金田一は部下の葉山まりん、仕事でこの場に居合わせた記者のいつき陽介、後輩である佐木竜次らと共に事件の真相に迫る。

 

 

 

 

 

 

 


異人館ホテル
異人館ホテル、ふたたび!な、今作の事件ですが、オペラ座館のときのように殺害方法や怪人名は同一のものではないので、“ふたたび”感は薄いです。

 

異人館ホテル殺人事件」は赤髭のサンタクロースという麻薬の密売人が絡む事件で、佐木(兄)が殺されてしまったりというものでしたが、

 

 

「函館異人館ホテル新たなる殺人」はアイドルグループ間のいざこざがメインで、「碧血鬼」なる箱館戦争の亡霊が怪人名になっています。

箱館戦争を題材にした舞台をお祓いもせずにやると怪我人や死人が~って、まんま四谷怪談なんですが、今回は犯人も別に脅迫状などで「碧血鬼」と名乗っていないし、そんな扮装をして犯行をしている訳でも見立てをするでもなく、単に金田一やいつきさんでそう綽名をつけて呼んでいるだけなので「う~ん」って感じ。怪人名出すほど事件自体がおどろおどろしくないので浮いているような気が。
幸村刑事にも「はっ!ずいぶん古臭い探偵小説みたいなネーミングですね」とか言われてしまっている。確かに客観的に考えれば「何かってに妙な綽名つけてんだ」だよなぁ・・・。

 

とはいえ、観客を前にした舞台上で殺人が起こるという点は共通しています。それと箱館を題材にした事件をやりたいというので「函館異人館ホテル新たなる殺人」なのでしょうかね。麻薬どうこうは今回の事件では関係なさそうですが・・・どうなのでしょう?


前巻では「函館異人館ホテル新たなる殺人」は1話目のみの収録で、いつきさんが登場していたのですが、今巻ではさらに佐木竜次も登場しています。佐木は1巻にも少し登場していたんですけどね。今回は映像会社の仕事で異人館ホテルに来ていて~という流れで本格的に(?)登場。

佐木にとって、異人館ホテルは兄が殺された場所なんですが、「もう20年も前のことだ」とまったく気にしていない様子。
佐木がいるということは映像記録要員ってことで。真相解明に100パーセント映像記録が関わってくる事件なんだなぁ~と、登場した瞬間思うのは金田一少年シリーズのファンあるある。


いつきさんや佐木と映像を観ながら推理を巡らしていくのもシリーズファンにとってはお馴染みで嬉しいところですね。

 

前巻で珍妙な推理を明智さんに披露していた幸村真之介刑事。今巻ではあの珍妙な推理を金田一本人に披露しています。

アホすぎてこの刑事に任せるのが不安になったのと(そうだよね・・・)、ジッチャンを「過去の人」という風に言われたのにカチンときて(“過去の人”ではあると思うが)、警察の捜査に協力することを申し出ています。

普通、このような申し出を受ける刑事はいないだろうところですが、挑発されて了承、捜査情報も教えると約束してしまう幸村刑事。やっぱりバカなんだなぁ・・・。

 

 

 

 

以下ネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 犯人は・・・?

「函館異人館ホテル新たなる殺人」は今巻では完結していません。
終盤でもう事件関係者一同を集めての「“碧血鬼”はこの舞台の上にいます!!」を、やっているので(これ、皆「セキケツキってなんぞ」状態だと思うのですが・・・)、後3・4話で終わるのかなと。1つの事件を2冊以上またがないで欲しいなぁと、正直なとこ思いますね。

 

今作の謎の提示は
●舞台小道具のモデルガンのすり替えと舞台上での確実な殺害方法
●4メートル上に吊り上げられた状態で手首を切ったと思われる状況を他殺でどう成したか
の、2つ。

 

2つのうち1つ、自殺に見せかけた吊り上げ遺体のトリックは今巻でもう解明されています。
舞台の奈落を使ってのトリックでしたね。奈落は舞台上トリックでは定番のものなのでやはりなぁといった感じ。

「セリの外にも少し地を飛ばしてやれば出来上がり」と小さい文字で書かれていますが、それ、地味に大変なのではないかという気がする。鑑識が詳しく調べれば分かりそうですね。ま、詳しく調べないように自殺に見せかけているのですが。

 

残っている謎はモデルガンのすり替えですね。

すり替えたタイミングが問題になるのでしょうが、モデルガンだと思って演技していた水島に、被害者の心臓を確実に撃ちぬくというのは難しいだろうと作中でも触れられているので、おそらく被害者は水島が向けた銃で殺された訳ではないのだろうと思われます。少なくとも最初の被害者の綾野木ルカは。


本当の殺害方法についてのヒントは、“幕の合わせ目が火薬臭い”という部分ですね。う~ん。どんなトリックなんでしょうか。機械トリックにしろ、舞台上で犯人が行動しての方法だと思うのですが・・・。綾野木ルカの遺体発見が30分も遅くなったというのもトリックの要なのかな?皆気が付くのが遅くで読んでいてビックリした(^_^;)。

 

“アリバイ検証が根底からひっくり返る”と、金田一が作中で言っているので、モデルガンのすり替えは事が起こった後だったのでは。

そうなると直後に水島から銃を奪って本物の銃だと証明してみせた岡倉純が怪しいかなぁ。公演直前まで不在だった岡倉には、水島の舞台衣装の変更を知るタイミングがなかったのでは・・・と、いうか、そもそもイタズラの呼び出しで完璧なアリバイがあるというのが如何にも怪しい。

 

後、金田一が綾野木ルカの倒れる場面の前に席を立った理由がまだ解らずじまいですね。小道具が光ったとかかな?「異人館ホテル殺人事件」もそれが解明のヒントになっていたし。
覆面脚本家の三多村匠も、何らかの形で事件に関係しているだろうと思いますね。動機面に絡んでくるのかな?

 

 

 

“あの”女性!
次巻、7巻は2020年7月発売予定と巻末告知ページがあるのですが、こちらのページで次巻では“37歳の速水玲香”が登場すると予告されています。


玲香ちゃんは美雪に次いで現状が明かされずファンの間で近状が危惧されていた人物なので、次巻には大注目ですね。予告ページの絵を見る限り、五体満足ではありそうです。
20年前人気絶頂のアイドルだった玲香ちゃん。時を経てどの様になっているのか、金田一が「謎を解きたくない」理由に関わっているのか、気になるところですね。(今巻を読んだところ、いつきさんは金田一になった”何か”はまったく知らないようです)

 


そんなこんなで7巻、楽しみに待ちたいと思います!

 

※出ました!詳細はこちら↓

 

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ではではまた~

 

金田一37歳の事件簿(6) (イブニングKC)

金田一37歳の事件簿(6) (イブニングKC)