夜ふかし閑談

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『濱地健三郎の霊(くしび)なる事件簿』有栖川有栖新シリーズ! 感想・概要

こんばんは、紫栞です。
今回は有栖川有栖さんの新シリーズ『濱地健三郎の霊(くさび)なる事件簿』をご紹介。

濱地健三郎の霊なる事件簿 (幽BOOKS)

装丁からミステリアスで良い。中身の内容にマッチしていますね。30パーセントくらいは装丁につられて買いました(笑)幽BOOKSから刊行の単行本はデザインが凝っていて素敵なのが多いですね。

 

 

概要
新宿に事務所を構える心霊探偵・濱地健三郎が幽霊を視る能力と鋭い推理力を駆使して依頼人が持ち込んでくる奇妙な現象や警察もお手上げの不可思議な事件を解明していく連作短編。
彼には真実も幽霊(ゴースト)も視えている――

 

 

収録作品
●見知らぬ女
●黒々とした孔
●気味の悪い家
●あの日を境に
●分身とアリバイ
●霧氷館の亡霊
●不安な寄り道
の7編。

こちらの濱地健三郎探偵はこの本より先に前回の記事で紹介した『幻坂』に収録の2編「源聖寺坂」「天神坂」に登場しております。

 

www.yofukasikanndann.pink

 


元々シリーズ用のキャラクターじゃなく『幻坂』こっきりのつもりが、読者からのお声もあり『濱地は、まだまだ他にも使いようがあるかもしれない』と思い直されたようでシリーズ化。


「有栖川さんが心霊探偵モノのシリーズを書くだって!?見過ごせないわっ!」との思いと先に述べたとおり装丁につられて勢いで購入しました。実は『幻坂』もこの本読むために買ったのですが・・・(^_^;)

 

キャラクター

シリーズ化にあたり、この本から志摩ユリエという若い女性の助手が登場。お話のだいたいはこのユリエちゃんが語り手になっています。やっぱり探偵モノは助手がいた方が楽しいですね。ボスに向かって割と率直な意見をズバズバ言っちゃうところが好感持てます。恐い目に遭ってもボスへの信頼はあついです。


濱地探偵は髪をオールバックにした年齢不詳のダンディな紳士。
ユリエ曰く
『自慢したくなるほど男っぷりのいいボスであったが、まかり間違っても男女の仲になったりはするまい。年齢差が大きいこともあるが、まだ子供っぽい自分のような女は濱地の関心の外だろうし、ユリエにとっての彼も距離がありすぎて、あくまでも〈観賞用の男〉だった』
ですって。
ボスが〈観賞用の男〉かぁ・・・なんとも羨ましい話ですなぁ。
濱地はユリエを「志摩君」と呼んでいるのですが、ダンディな男が女性助手のことを“君”づけで呼ぶの、なんか良いですよね(笑)
“心霊探偵”なんて肩書きは世間一般的にはかなり胡散臭いだろうと思うのですが、見た目や立ち振る舞いが良いせいか、濱地に対して余りあからさまな嫌悪感を態度に出す人物が出てこないです。刑事さんやユリエの彼氏もちょっと物わかりが良すぎるんじゃないかとか思うのですが・・・濱地の資質の賜物なんですかね(^_^;)

 

ミステリーと怪談

本の帯に“端正なミステリーと怪異の融合”と書いてありますが、お話はミステリーってよりは怪談ですね。まぁ怪談専門誌『幽』での連載ですから。と、いっても全然怖くは無いんですけど。がっつりとした推理シーンを期待して読んじゃダメだと思います。そういう本では無いです。霊視+少しの推理と観察力で解決させる感じ。

 

「分身とアリバイ」が一番ミステリーちっくですかね。

「黒々とした孔」はちょうど良いあんばいでミステリーと怪異が融合しているお話だと感じます。

一番ミステリーから離れているのは「不安な寄り道」かな。怪談だな、と。でも個人的には好みのお話です。

「霧氷館の亡霊」みたいな最後に秘められた悪意が見え隠れするお話も好きですね~。

 

探求

あとがきで有栖川さんは

『ミステリの発想を怪談に移植した上で、両者の境界線において新鮮な面白さを探す』

のを目指したとのこと。
ふむふむ。
あとがきを読んで納得しました。確かに、読み終わっての感想としては「探求中なんだな」という印象を受けましたね。有栖川さんは『探求を続けていきたい』と書かれているので、今後シリーズがどのように展開していくのか楽しみです。ユリエちゃんも霊視の力が開花し始めて「境界線」について思い悩んだりしていますからねぇ。このシリーズで長編やっても面白そうだなぁとか思いますが。

 

 

幽霊が出て来る有栖川さんの長編小説と言えば『幽霊刑事』ですかね↓

 

幽霊刑事 (講談社文庫)

幽霊刑事 (講談社文庫)

 

 笑いあり、涙ありでオススメの1冊。

 


『濱地健三郎の霊なる事件簿』読み終わったばっかりですが、私はもうすでに続編が読みたい気分になっています。シリーズ2冊目がでたら即買いですねコリャ(笑)

 

怖くない怪談・不思議系話・探偵が好きな人は是非。

 

濱地健三郎の霊なる事件簿 (幽BOOKS)

濱地健三郎の霊なる事件簿 (幽BOOKS)

 

『幻坂』もあわせてどうぞ

 

 

幻坂 (角川文庫)

幻坂 (角川文庫)

 

 

 

ではではまた~