こんばんは、紫栞です。
【金田一少年の事件簿シリーズ】の“大人版”『金田一37歳の事件簿』、只今「イブニング」にて絶賛連載中であります。
私はコミックス派なのでまだ読んでいないのですが、金田一少年シリーズではお馴染みの「歌島」が『金田一37歳の事件簿』にもまた登場しているとの情報を小耳に挟んだので、コレを機会におさらいとして【金田一少年の事件簿シリーズ】の「オペラ座館殺人事件三部作」についてまとめようかと思います。
「オペラ座館殺人事件三部作」とは
【金田一少年の事件簿シリーズ】内において、絶海の孤島・「歌島」に建つホテル「オペラ座館」にてガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』のストーリーに見立てて繰り広げられる殺人劇の総称。
「オペラ座館殺人事件三部作」という呼び名はコミックス『オペラ座館・第三の殺人』上巻の“著者のひとこと”でのさとうさんのコメントからきています。しかし、作画担当のさとうさんは三部作だとは「ちーっつとも知りませんでした!(笑)」とのこと。原作担当の天樹さんの頭の中では三部作の構想はいつ頃からあったのか・・・知るよしもないですね。
ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』は、駆け出しの女優に恋したオペラ座の地下に隠れ住む怪人の愛と憎しみのゴシック小説。
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ロマンス部分が主軸で、殺人の印象は薄いのですが、『オペラ座の怪人』の中では怪人が犯した三つの事件が描かれていまして、金田一少年の事件簿では主にこの三つの怪事件と同様の方法・手順で事件が起きます。
その三つの事件というのは・・・
●シャンデリアが落ちてきて下敷きになる。
●絞殺されて首を吊られる。
●引きずり込まれて溺死する。
の三つ。
絞殺や溺死は順番が変わったり方法自体が違ったりなどしますが、第一の殺人でシャンデリア(照明)が落下して下敷きになるのは三作品すべてに共通する点です。外せない要素ですね。シャンデリア、落ちる!事件、始まる!みたいな(笑)
では順番にご紹介。
『オペラ座館殺人事件』
漫画。言わずと知れた少年マガジンにおける金田一少年の事件簿のデビュー作。
三部作ウンヌンとかの前に、シリーズ第一作目ということで金田一少年ファンには基本中の基本(?)の作品。読んどかないと駄目というか。ストーリーは「これぞ金田一少年の事件簿!」と、いったものですが、トリックは同じガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』からの流用があります。
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金田一少年の事件簿は最初の方のトリックは他作品からの流用が主でした。※詳しくはこちら↓
本格ミステリファンを意識してオリジナルトリックに力を入れるようになったのは『雪夜叉伝説殺人事件』の頃からとは作者自身の談です。
『オペラ座館殺人事件』はドラマ化とアニメ化がされています。ドラマは堂本剛主演の第一シリーズでの第三話目。
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アニメは第1期の21~23話目ですね。
ドラマもアニメもシリーズの途中での登場だったので『オペラ座館殺人事件』が本編漫画のデビュー作だと認識している人は意外と少ないですね。『学園七不思議殺人事件』が最初だと思っている人が多い・・・。
『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿1』とあわせて読むのがオススメ。
『オペラ座館・新たなる殺人』
マガジン・ノベルスで小説版の第一作。映画を観て原作漫画があるのだと探す人がまれにいたりしますが、漫画化はされておらず小説のみです。※小説版まとめはこちら↓
続編で、『オペラ座館殺人事件』に出て来た「オペラ座館」オーナー・黒沢和馬の亡くなった娘の周辺事情がお話の中心になっています。メイントリックはなんというか、もの凄く王道(笑)良くも悪くも本格ミステリっぽい。動機も人間関係も。
劇場版アニメ第一作目として映像化されました。
金田一少年の事件簿では初のアニメーション作品。
ストーリーや人物設定など原作と一部異なります。ストーリーとして纏まりがあるのはやっぱり原作の方かと。劇場版は終盤の真相が付け足した感が強いですね(^^;)
原作では最後、黒沢オーナーは「オペラ座館」を手放し、新しい劇団を結成していますが、劇場版の方では「オペラ座館」は燃えちまってます。アニメ映画ってのはとにかく建物を破壊したいらしい(笑)シャンデリアが落ちるシーンなども凄いですが、この映画での個人的一押しシーンは血塗れのシャワーシーンです。かなりホラーですけど、恐ろしくも美しい画ですので必見。
勘違いしている人も多いですが、テレビアニメよりもこちらの劇場版が先になります。テレビアニメ版と声優が異なり、金田一一役が山口勝平さん、剣持警部役が俳優の夏八木勲さん(テレビアニメ版だと金田一一が松野太紀さん、剣持警部が小杉十郎太さん。美雪役は劇場版・テレビアニメ共に中川亜紀子さんです)。個人的にはテレビアニメ版を見慣れていても声はさほど違和感はないです。それぞれあっていると思います。
テレビアニメ版の方が先だと勘違いして「劇場版だけ声優をかえて某推理アニメの探偵と同じ声にするなんて」との声があったりしますが、まぁ最初の劇場版からテレビアニメにするにあたり変更になったというだけです。声優さんがかぶっているのも、活発な少年の声は山口勝平さんの独占状態だった一時代というのがあった(と、私は勝手に感じていた)ので、別に特別な意図があってのことでもないかと。
『オペラ座館・第三の殺人』
漫画。第Ⅰ期の週刊連載が終わり、年一の短期集中連載のシリーズでのもの(第Ⅱ期の始まり)で前作からはだいぶ期間が空いています。(いや、漫画内ではさほどな時間経ってない設定なんでしょうけど・・・)
黒沢オーナーが亡くなり(ナンダッテ-)、その死を悼み「オペラ座館」で最後のプライベート公演がおこなわれることになり、招待された金田一達は三度「歌島」を訪れる―・・・そして事件が起きる(^_^;)
黒沢さんが死んだことになっているし、「オペラ座館」の元々のルーツなどが明らかにされるし、「オペラ座館」も名実ともに全焼するしで、“オペラ座完結させよう感”は強いです。
上下巻2冊を使っての事件で長く、トリックもてんこ盛りで作者の気合いを感じますが、どうもコマゴマしたトリックの寄せ集めといった印象が強く、どのトリックも頭に残らないってな気が。前二作とは違い、最初の殺人でシャンデリアを落すところ以外はガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』の見立てが行われません。見立てにこだわりのない犯人なんですね(笑)
ミステリールポライターの白神さんはまた登場するのかな?とか読んだ当初は思っていたのですが、いつきさんと役割がかぶる為かその後【金田一少年の事件簿シリーズ】での登場はありませんでした。今後『金田一37歳の事件簿』で登場してくれるだろうか。でもじゃあ、それだと白神さんも20歳年取ってるってことですよね・・・う~ん(^^;)
2007年にスペシャルアニメとして映像化されています。
以下ネタバレ~
ガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』は、怪人であるエリック、怪人が恋するクリスティーヌ、クリスティーヌの恋人のラウル子爵の三人が主要人物。
『オペラ座館・新たなる殺人』の劇場版アニメで美雪が
「オペラ座の怪人は、愛するクリスティーヌを探し求めるラウル子爵の物語でもあるの。今度の事件も、黒沢美歌というクリスティーヌを追い求め続けたラウル子爵、能条光三郎の物語だったのね」
と言っています。
このセリフから、『オペラ座館殺人』は怪人、『オペラ座館・新たなる殺人』はラウル子爵、『オペラ座館・第三の殺人』はクリスティーヌ。と、主要三人それぞれの物語が描かれているのだと考えることが出来る訳です。
そうすると三部作として綺麗に終わっていると思えるのですが・・・はたして『金田一37歳の事件簿』では「歌島」でどのような事件が起きるのか・・・。「オペラ座館」も第三の殺人で全焼してるし・・・。
気になる点としては黒沢オーナーの死ですね。『オペラ座館・第三の殺人』を最初に読んだときは黒沢さんがいきなり亡くなったってところからで驚いてしまったのですが、これが剣持警部からの情報によると、崖から海への転落事故で遺体は上がっていないが、時間がだいぶ経っていて生存は絶望的だろうということで事故死扱いになった。とな。・・・・・・なんというあやしさ!含みもたせまくりですね。完結といいつつ、あわよくばまた話作れるようにしておこうという匂いがプンプンします。
そしてまた『金田一37歳の事件簿』で「歌島」出すと・・・。
この黒沢オーナーの死の謎が明かされるのかどうかは定かではないですが、備えあれば憂いなしなんですかね、ミステリは(^^;)
なにはともあれ、ファンとしては「歌島」再々再登場と聞いてテンション上がりまくりです。楽しみ(^^)
今回まとめた三作品はすべて単体でも支障なく読めるものですが、順番に読むとより楽しめると思います。『金田一37歳の事件簿』も
※1巻出ました!詳しくはこちら↓
「オペラ座館殺人事件三部作」を振り返っておけば楽しさが倍増する・・・はず!ですので是非是非。
ではではまた~