こんばんは、紫栞です。
今回は、『金田一少年の事件簿30th』4巻の感想を少し。
『30th』完結、そして「イブニング」休刊
【金田一少年の事件簿シリーズ】連載30周年記念として、37歳になっていた金田一一がふたたび高校生となって復活した『金田一少年の事件簿30th』。
『37歳』の方もあるし何巻ほどやるのかと思っておりましたが、この度の第4巻で完結とのこと。
『37歳』になってからシリーズは「マガジン」から「イブニング」に移籍し、月2回の連載で続けられてきた訳ですが、昨年末に驚きの一報が。「イブニング」が休刊になってしまったのです。
「イブニング」は高めの年齢層がターゲットで実写化作品も多く出していたので、そこそこ人気の雑誌だというイメージでした。なので、休刊の発表は意外だったんですけど・・・文芸誌などは特にですが、紙媒体での雑誌は昨今どんどん休止・廃刊になっていますね。知名度のある作品を抱えていても、紙の雑誌での継続は厳しいということなのでしょうか。淋しいですねぇ・・・。
さて、では30周年記念でお休み状態だった『金田一37歳の事件簿』はどうなるのかというと、講談社漫画アプリ「コミックDAYS」に移籍し、2023年4月26日から連載再開されるようです。「イブニング」と同じで、月2回更新での配信。
「イブニング」に掲載された分で『金田一少年の事件簿30th』が完結し、新たな掲載先の「コミックDAYS」にて再び“20年後”の『金田一37歳の事件簿』の新章スタートってことですね。
そんな訳でシリーズとしてまた一区切りつくこととなった(気づけば区切りだらけのシリーズですよね・・・やってること変わらんのに)『金田一少年の事件簿30th』4巻、前巻からの続きである「鬼戸・墓獅子伝説殺人事件」の解決編と、短編の「怪盗紳士の挨拶」が収録されています。
以下がっつりとネタバレ~
「鬼戸・墓獅子伝説殺人事件」
前巻は「ジッチャンの名にかけて!」宣言するところまでが収録されていました。※前巻の詳しい内容はこちら↓
今巻は佐木が居るときは毎度お馴染みのビデオ映像を観ての謎解きタイム!からの推理お披露目。
主なトリックは火の見櫓での“空中密室”と、墓獅子舞最中でのアリバイトリックの二つ。
空中密室に関しては(これを空中密室って言うの、個人的には疑問なんですが)、『オペラ座館殺人事件』でのトリックを連想させるものでしたね。上と下の違い。
結構力が必要そうだし、オペラ座の時は真上の階からターゲットが頭を出すタイミングを見れば良かったのですが、下からで櫓でってなるとロープを引っ張るタイミングが難しそう。
墓獅子舞最中での犯行トリック解明で星宮つむぎが犯人だと判明。やはり、この手の事件だと仮面を被っている人物が犯人ですよね。
被害者に協力させての犯行というのも予想通り。容疑者の中ですと被害者の白神流星に協力させることが出来そうなのは星宮つむぎだけなので、犯人当ては今回も容易だったかと。
舞を踊っている最中、マントの中で入れ替わるという“二人羽織トリック”なんですが、かなり練習が必要そうだし、普通体型の男性である白神流星と小柄な女性である星宮つむぎとでは体格差がかなりあるのでバレバレだろうと思う。実際、祖父の庄吉さんにバレてましたし。
最後にとってつけたように高遠さんプロデュースの事件だったと明かされるのですが、庄吉おじいさんに見抜かれるようなトリックを提供してちゃダメだろって感じ。
しかし、あんなギャグ顔の駐在さんが高遠さんの変装だったのは驚きですね。今巻で一番の驚きかもしれない。
ここで高遠さんは日本を離れることを決めて、変装して経営していた「Caféふくろう」も閉店させると客の金田一たちに告げ、金田一、美雪、佐木がそれぞれに卒業後の進路について話す場面で終わっています。20年後の『37歳』を踏まえての描写ですね。
佐木二号のテレビ局はともかく、美雪が国際線のCAになっているのは違和感あったのですが、高遠さんが海外行くってのと後々絡ませるつもりなのですかね。
金田一は事件引き寄せ体質なんだから刑事にでもなったらどうだと剣持警部に言われて「いやだ・・・!」「一生謎を解き続けたくはないんだよ~~!」と叫んで終わっています。
ミステリ界では謎大好き名探偵が溢れているものですが、どうやら金田一一は“一生このまま”の謎解き人生を想像して絶望してしまったようです。
しかし、剣持警部の「どーせ事件解決するなら“給料”出たほうがいいんじゃないか?」には「確かにな」と、なりましたね。運命(体質)を受け入れた方が、楽になる・・・・・・。
「怪盗紳士の挨拶」
最後は2話を使っての短編。久しぶりの怪盗紳士ネタ。
そういえば、『37歳』の方は怪盗紳士はまだ登場していませんね。20年後もあの「気に入った」っていう醍醐真紀の顔しているのだろうか。今回も家で一人なのに何故か醍醐真紀の顔をしていましたけど。気に入りすぎだろ。ま、泥棒を続けているかどうかも分りませんが。
『金田一少年の事件簿30th』が完結なのと、「イブニング」での掲載が最後ってことで、いつものメンバーに加えて玲香ちゃん、明智さん、フミ、いつきさんとオールスター勢揃いのサービス的短編となっています。
ミス研の場面で真壁先輩と鷹島友代も出て来ます。ここで鷹島さん出すってことは、『37歳』の方で今後登場が期待出来るのかも。20年経っても関係が続いているのか気になりますねぇ。
絵を盗み出すトリックに関しては、美術好きの私としては物申したい。みんな、絵に関心なさすぎでしょ!ちゃんと鑑賞しろ。
30億の絵画を展示するってのに、警備がこんなにザルなのもありえないなぁと思いますね。
玲香ちゃんの服装、なんだか新鮮だと思ったらトリックのためだったとは。言われてみれば、玲香ちゃんって基本的にアイドルらしいミニ丈のスカートが主だったんだなぁと。
今回は怪盗紳士にまんまと盗まれたまま終わっていて、金田一も「人が殺された訳じゃないし」とさほど気にしていない様子。いや、そんな問題じゃないだろうに。泥棒もれっきとした犯罪だし、あの絵が他国からお借りしたものだとしたら国際問題ですよ。なんせ30億だから。
最後にまた高遠さんの話しているのですが、とりあえず関わりたくないという何処か投げやりな金田一の態度はファンとしてはちょっと残念。前はもっと“俺が捕まえてやるぜ!”という意気込みがあったと思うのですが。手紙で送られてきたリストの場所頑張って巡ったりしていたのに・・・。
高遠さんが活動を続けるってことは、被害者が出続けるってことなのに「いつか捕まって死刑にでもなるんじゃねえの」発言はいただけない。美雪が金田一に関わって欲しくないって想う気持ちは分りますけどね。
37歳へ!
はて、時が再び20年前に戻っての『金田一少年の事件簿30th』は高遠さんがギリシャに着いたところで終わっています。『37歳』の方でオリンポス十二神だの言い出したのはギリシャ実際に来ての発想だったらしい。やれやれ。
ギリシャに来てその後の二十年、高遠さんが何をしてどういった経緯で捕まって牢屋に入ることとなったのか、どんな具合に仲間集めをしていたのか・・・等々、気になるところですが、『金田一少年の事件簿R』の時にやっていた“自身のルーツ探し”はどうなったのか。
ちゃんと今後関わってくるのか若干不安なのですが。まさか、“なかったこと”にさせるのではあるまいな。
そしてそして!今巻の帯には移籍のお知らせと共に「ついに37歳の七瀬美雪登場!!」の謳い文句が!
いよいよですねぇ。絵を見る限り料理をしている後ろ姿っぽいですが・・・どうなのでしょう。
『金田一37歳の事件簿』14巻は2023年8月発売予定。楽しみに待ちたいと思います!
※出ました!詳しくはこちら↓
ではではまた~