こんばんは、紫栞です。
今回は、ドラマ『今際の国のアリス』について感想を少し。
こちら、麻生羽呂さんの漫画作品を原作としたNetflixの配信ドラマ。
2020年12月にシーズン1で8話、2022年12月にシーズン2で8話。2025年8月現在で16話配信されていて、来月の9月にはシーズン3が配信予定です。
内容は、無職の落ちこぼれゲーマー青年・アリス(山崎賢人)が、友達二人と一緒に渋谷駅にいたところ停電が発生。外に出てみると、渋谷は自分たち以外に誰もいないもぬけの殻の街となっていた。
夜になったら突如明かりが灯り、電光掲示板に示された通りに雑居ビルに行った三人は訳の分からぬままあるゲームに参加することに。そこで、この世界で生きていく為には命懸けのゲームに参加してクリアし続けなければならないと知らされる――・・・。
と、ま、簡単にいうとSF設定のデスゲームものですね。
前に漫画の中でやっているゲームを実際にやってみようという動画配信の企画で、
この作品に出て来る「美人投票」(※ドラマ内では「てんびん」)をやっていたので、ドラマでこのゲーム部分も実写化されていると知り、それ目的で観てみた次第です。
「美人投票」が知略と心理戦のゲームだったので『今際の国のアリス』自体も『カイジ』や『LIAR GAME』、『賭ケグルイ』のような頭を使うギャンブルものかと思っていたのですが、今作は”アリス”らしくトランプの札によってゲーム種類が分類されていて、ゴリゴリのパワー戦やひたすら精神的にクル裏切りの殺し合いなど様々。
色々なジャンルのデスゲームが描かれるので、飽きずに楽しむことが出来ます。アクションシーンは見応えがありますし、登場人物の背景も確り描かれていてヒューマンものとしても良作ですね。世間的にもドラマ作品として非常に評価が高いです。
以下ネタバレ~
今際の際
なんか、『今際の国のアリス』をネットで検索すると「ひどい」「最終回」とサジェストで出て来る。
この物語はアリスたちが様々なデスゲームをしていくなかで、”この世界はいったい何で、何故アリスたちプレイヤーはこの世界に来たのか”という謎が並行して描かれる構成になっていまして、シーズン2の最終回にはゲームの最終決着もこの世界が”何なのか”も確り示してくれています。
最後のゲームをクリアしたアリス。国に残るか出て行くかの選択を迫られて出て行く方を選択したアリスが目を覚ましてみると、渋谷で救護活動を受けているところだった。
あの日、渋谷に隕石が落ちていた。あの世界に来たプレイヤーたちはその場に居合わせた人々で、生死の間を彷徨っていた数分間(※厳密にいうと心停止の1分間らしい)があの国での体験だった。
つまり、臨死体験中の「今際の際」での出来事だった訳ですね。
これが、ま、人によっては「夢オチじゃないか!」ってなるってことですかね。確かに、夢を見ていたようなものと言われればそうなんですけど。
私は「なるほどなぁ」というか、感心しましたけどね。タイトルの”今際の国のアリス”がそのまま物語そのものを表しているんだんなぁと。
タイトルですべてを示せている作品はそれだけでもう良作だという気がする(あくまで個人的見解ですけど)。しかも、最終回でわかるってのがまた良い。
それに、「今際の国」での生死や怪我がそのまま現実世界でも反映されているので、夢オチというのともまた違うんですよね。あくまで「今際の国」でのデスゲームをクリアしたからこそ現実世界で死にかけていた人々は生還出来たのですから。
言ってみれば、今際の際での生命力の闘いが具現化されたのがあの国でのデスゲームだったってことですよね。
ゲームといいつつ単純に殺し合いさせてるだけのようなものもあり、シーズン2で出て来るスペードのキングに至ってはゲームでも何でも無いただの一方的な襲撃で、知的に回避する方法も無いし、こんなのデスゲームもの作品としては駄目じゃないのかと観ている最中に何度も思ったのですが、プレイヤーたちが皆現実世界では命が風前の灯火状態だったのだとすると、どうしようも出来ない「死」といいますか、淘汰しようとする力ってことなのかと。そうだとすると、理不尽なのも当然なのか~と納得出来ましたね。
ニラギ(桜田通)とか、火炎放射器で焼かれて銃で撃たれて殴られても生きていて「いやいや、何でコイツ死なねぇんだ?不死身か!?」ってなっていたんですけど(途中、こんなに満身創痍なのに女性を襲おうとする元気があるのビックリした)、生命力が強かったってことなのかと納得。真にタフネスなんですね・・・。
次のシリーズ
上記したように今作は色々なジャンルのデスゲームが描かれていますが、私は知略や心理戦もののゲームを観るのが好きなので、チシヤ(村上虹郎)が出て来る「どくぼう」や「てんびん」がやっぱり好きですね。
このチシヤ、如何にも人気がありそうなキャラクターですよねぇ。せっかくのお医者さん設定が活かされなかったのは残念でしたが。怪我の治療して欲しい人いっぱいいたんだけど・・・。
個人的に、ウサギ役の土屋太鳳さんをはじめとして女性陣が皆良かったです。特にアン(三吉彩花)は”漫画的なバツグンの美女”って感じで、見ていて楽しかったです。私は原作漫画は未読なんですけどね。
9月に配信予定のシーズン3にもアンは出てくれるようなので楽しみです。
このドラマ、上記したようにシーズン2でもう最終ゲームをクリアして現実世界に戻って伏線もタイトル回収もして物語として綺麗に完結しているので、シリーズ3をやるって知って「え?もうやることないのでは?」だったのですけども。実際、原作漫画の最終刊までの内容はシーズン2でやりきっているようですし。
どうもというか、やっぱりといいますか、シーズン3はドラマオリジナルでの内容となるようです。
オリジナルか・・・正直、少し不安ですけれども。シーズン2での終わりが綺麗だったぶん、蛇足にならなきゃいいんですけど。続編で台無しにされる作品ってありますよねぇ・・・。
原作漫画にも続編はあるようですが、内容は違うみたいですしね。
しかし、あそこからどの様に繋ぐのか非常に興味がありますし、やはり楽しみです。シーズン3も必ず観ます!
ではではまた~