こんばんは、紫栞です。
ただいま公開中の映画『氷菓』観てきました~。
なので少し感想をば。
『氷菓』の原作小説や〈古典部シリーズ〉については前にこちらの記事でまとめましたね↓
米澤穂信さんの〈古典部シリーズ〉がとうとう実写映画にまで・・・と、いった感じで何だか感慨深い。数日前に『斉木楠雄のΨ難』を観てきたばっかなので↓
ピンク頭じゃないのに逆に違和感覚えたり、最初の方の“語り”部分で斉木君を連想したりしてしまった(^_^;)
状況的に山崎賢人のファンみたいになっているけど別にファンな訳ではないです(嫌いな訳でもないですが)日本は俳優が不足しているのか?とか思ってしまうぐらいに俳優かぶりが多いですよね・・・。たまたまなのでしょうけど、少し拗ねたくなる(笑)
さて、映画『氷菓』はネットなどの前評判では結構さんざんな言われようでしたが(^^;)自分で実際に映画観てみての率直な感想としては「そんな言うほど悪くない。むしろ誠実に作られた映画だ」と感じました。原作にも割と忠実でしたしね。
駄目かしら?
では何故批判的な意見が多いのかってのを考えてみるに、第一に俳優さん達がどうしても16歳学生には見えないというのがあるかと。
主要人物4人のキャストは
折木奉太郎―山崎賢人
千反田える―広瀬アリス
福部里志―山岡天音
伊原摩耶花―小島藤子
で、皆さん23・4歳の方々がそろっていますね。
ドラマや映画の中で20代前半の俳優が学生役をするのは別段めずらしい事でもないですが、『氷菓』はコメディやファンタジーとは違い、直球の等身大青春ほろ苦物語なので、見た目から“まだ大人になれてない未熟さ”が感じられないとお話との違和感・ズレを感じてしまうんだと思います。
制服がブレザーじゃなくって学ランとセーラー服ってのがまたね・・・コスプレ感漂いますし。私服のシーンもありますが、ぶっちゃけ社会人に見える(-_-)
ところどころアニメの見た目に寄せているのも比べちゃってアレですね。アニメはかわいらしい絵柄でしたからねぇ~。アニメ最初観たときは〈古典部シリーズ〉をこんなかわいい絵でやっちゃうのか・・・とか思ったもんですが。慣れって恐ろしいものですね(^^;)
あと、これは私個人の感覚なのですが、16歳と17歳との間には大きな隔たりを感じるんですよね。17歳設定は多少成人した見た目でも容認出来るが、16歳で高校入学したばっかり、つい最近まで中学生でしたって言われるとどうしても受け入れがたいというか・・・う~ん・・・一般的にはどんなもんでしょう?そう感じるの私だけかしら?
第二の要因は端的に言って“お話が地味”なところでしょうかね。やっぱり。
実写映画化されると聞いた時から個人的に懸念していたことですが、『氷菓』は学園ミステリーとはいっても、殺人事件などは起きない“日常の謎”ものなのでまぁ派手さは無いです。
ささやかな謎解きなのでアニメの30分でやるのにはちょうど良いですが、映画で2時間やるにはどうしても間延びしちゃいますね。90分映画とかで良いんじゃないかなぁ。または深夜のドラマ枠とか。
学園ミステリーだからとエンターテインメント作品的な面白さを求めて観ると肩すかしを食らうかもしれません。
原作との違い
はぼはぼ原作に忠実に作られていましたが、それでも何点かは違う箇所がありますね。
大きな違いでは古典部の文集のバックナンバーを探すお話に出て来る、壁新聞部部長・遠垣内先輩の登場とエピソードが映画では丸々カットされています。尺の都合ですかね。確かにこのエピソード入れると映画としてまとまりが悪くなるかなぁと思います。奉太郎のプチ脅迫シーンがあって見物なんですが。
あと、お話のキーパーソンである千反田の失踪した叔父・関谷純(本郷奏多)の真相部分の設定が異なります。
原作より悲劇性が増していますね。これは映画の設定の方がラストの真相に納得がいくので悪い変更では無いと思います。“優しい英雄”って言葉とか、最後に奉太郎が千反田に「関谷純は、ベナレスにいる」って言うのも、冒頭の奉太郎の姉・折木供恵(貫地谷しほり※声のみの特別出演です)から送られてきた『ベナレスからの手紙』に繋がってお話として綺麗にまとまっていていいなぁ~と。
個人的には関谷純が出て来るシーンは総じて良かった。古い学生帽が似合っていますね。出番は少ないですが存在感が凄いです。
この映画は『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実を探るお話で、学生運動の頃の事情が出てきます。
「ん?三十三年前で学生運動?」と引っかかると思いますが、実はこの映画は2000年が舞台。原作が発売された年に合わせているみたいですが、ここは別に原作に忠実にしなくっても2017年現在の設定で良かったと思うんですよね。2000年にこだわる理由ないし、観ていてちょっと混乱します。まぁ“叔父さん”設定が厳しくなっちゃうからこうなのかな。
最後に
上記の点を踏まえて、こういう“静かな雰囲気”を楽しむ映画だと思って楽しんで下さい。注意事項としては内容に派手さが無いぶん、眠気に襲われやすいかな~と思われますので十分な睡眠を取ってある状態での鑑賞がオススメ(^^)
※原作はこちら↓
- 作者: 米澤穂信,上杉久代,清水厚
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2001/10/28
- メディア: 文庫
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漫画もあります↓
解説本も出たようです。書き下ろし短編が収録されているのですよ・・・↓
ではではまた~