夜ふかし閑談

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『金田一37歳の事件簿』8巻 ネタバレ・感想 ポルターガイストで人が死ぬ!?恐怖の館事件

こんばんは、紫栞です。

今回は金田一37歳の事件簿』8巻をご紹介。

 

金田一37歳の事件簿(8) (イブニングコミックス)

今回もオマケ付きの特別版などはなく、通常版のみの刊行。なんか、丸顔に見える絵ですね…。 

 

8巻は前巻から引き続き「騒霊館殺人事件」が収録されています。犯人を指摘する一歩手前までですね。やっぱりというかなんというか、やはりこの巻だけでは終わらずにまた跨ぐことに。

 

 

「騒霊館殺人事件」あらすじ

「壮麗館」というバブル期にスコットランドから移築されたものの廃墟となっていた洋館を再利用するリゾート計画。大手・電報堂の下請けとしてモニター企画の手伝いをすることになった音羽ブラックPR社の金田一一とその部下・葉山まりん。 

壮麗館はポルターガイスト現象が発生するという噂があり、“騒霊館”とも呼ばれていた。その噂の通り、一行が館に着くなり物が勝手に動くなどの怪奇現象が起こり、ついには

抽選で選ばれた9名の参加者の一人がひとりでに飛んできた毒薬に刺されて死亡してしまう。

警察を呼ぼうと橋を渡ろうとした金田一たちだが、渡っている途中にひとりでに火がついて橋は燃え落ちてしまった。

その後も不可解な状態で死人が次々と。はたして、これは“騒霊”の仕業なのか、それとも――。

 

 

 

前巻は玲香ちゃんが登場したり“空白の20年”について少し触れられたりで色々大注目でしたが、

 

www.yofukasikanndann.pink

 

今回はシンプルに通常(?)事件のことについてのみです。少年時代からのゲストもいませんしね。

 

やはりお約束で吊り橋が落ちてクローズド・サークルな「騒霊館殺人事件」。この漫画シリーズは「怪人名」が出てくるのがオキマリですが、今回は“騒霊(ポルターガイスト)”という超常現象の仕業だと見せかけての連続殺人事件で割と珍しいことかもしれない。

 

 

 

以下ネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は金田一たちが下請けとして請け負っているということで大手・電報堂から色々と理不尽な目にあうという描写が。こういう社会人ネタは37歳の事件簿ならではですね。後輩が泣き出すのも。

白鳥さんが凄いヤな感じの人に描かれている。事件が加速してからは嫌みを言う余裕もなくしてますけど。しかし、女性もいるのだし泊まりの仕事ならシャワーぐらいは貸して欲しいもんだ。ポルターガイスト現象だとか騒がれないために佐熊さんに色仕掛けして一時黙らせたものの、さほど効果を発揮していないのには少し笑ってしまった。

社会人金田一お客様の安心と安全のため謎を解かせて頂きます!と、宣言。数々の事件を経て事件への取り組み方が強気になってきている気がしますね。

 

 

 

立て続けにバタバタと三人が死亡。ポルターガイスト現象の仕業と見せかけるため、皆何らかの“物”が刺さるなどして亡くなっている。

謎の提示は大きく三つ。

●複数人が見ている眼前で、キャビネットに飾ってあった矢の一本がひとりでに飛んで被害者に刺さった謎。

●扉を開ける直前まで物音がしていた部屋の中で被害者が死んでいた謎。

●内側から板を釘で打ちつけられた密室の中で被害者が死んでいた謎。

 

今巻では矢がひとりでに飛んできた第1の謎が解き明かされて容疑者が四人に絞られたところまで収録されています。

 

大きな謎の他に、蝋燭にひとりでに火が付いたり、グラスがひとりでに割れたり、吊り橋がひとりでに燃え落ちたりといったポルターガイスト現象に見せかけるための細々した仕掛けがありますが、いずれも手品的仕掛けでマジック好きの金田一は難無く解いています。

リチウムだと水で火が付くというのは近年のミステリドラマなどでもよく見るトリックですね。

橋の真ん中よりやや向こう側の所に水の入った倒れやすい器を置き、そのまわりにリチウムのカケラをバラまいて人が渡ったときの揺れで発火させた。と、金田一は説明していますが、揺れやすい橋なのだし、犯人が器を設置するときが割と命がけなのではという気がする・・・(^_^;)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1の謎の“ひとりでに飛んできた矢”ですが、本格推理界の万能道具・テグスを使ったという「なんだ、やっぱりそういうヤツですか・・・」という解答でした。

 

この“ひとりでに飛んできた矢”ですが、キャビネットや扉との位置関係が掴みにくく描かれているので見取り図を表示してくれって感じでしたね。このトリックから犯人は部屋の外にいた四人に絞られる!ってなる訳なのですが、部屋や廊下の位置関係も画からは認識しづらいので読者にはこの時点での犯人指摘がしにくい。この時点では解らせないためにぼかして描いているのでしょうが、ちょっとアンフェアな気はしますね。

 

絞られた四人の容疑者は、事件直後に廊下から現われた白鳥麗桜、隣のリビングにいた鹿野美雨、先に自室に戻っていた花塚衣舞、厨房の方から現われた黒原太

 

鹿野は一人ではなく、二番目の被害者となった久門朝香と一緒に現われたので犯人とは考えにくい。ターゲット全員をモニター企画に参加させる必要がある点などから考えると電報堂の白鳥と黒原が怪しいかな~と(スコットランド出身のハーフで部長の栗原チャールズ達郎たる人物も何やら怪しいですがね)。第二の事件では被害者の部屋に鍵が掛かっていたけど、この二人ならマスターキーも普通に使えるし。

 

 

第二の「扉を開ける直前まで物音がしていた部屋の中で被害者が死んでいた謎」は金田一困難の分割と言っているので、割れた食器などは事前にセットして音を直前に鳴らしたということなのだと思う。

 

第三の「内側から板を釘で打ちつけられた密室の中で被害者が死んでいた謎」は金田一が遺体を見て「そういうことか・・・!」と言っていますが、どういうことか解らない・・・。その後の金田一が“何か”に気付いた様子もどういうことか・・・。携帯がつながらないはずなのに美雪から携帯にメッセージが届いたこと・・・かな?う~ん。

 

事の発端は数年前の大学での肝試しで起こった事件のようですが、犯人とは別に霊の声らしきものが作中に挿入されているのと、次巻予告から推察するに、どうも館のどこかに死体(おそらく女性)があるのではないかと。(学園七不思議思い出しますね・・・)

白鳥さんがエドガー・アラン・ポーの『黒猫』の本を持っているのが暗示的。

 

黒猫

黒猫

 

 

 

 

次巻!ついに彼女が…!?

巻末の予告によると、次の9巻は2021年3月刊行とのこと。

そして、この予告ページには「はじめちゃん」と発言する女性の後ろ姿と「そして!!とうとう“彼女”が金田一のもとへ――!」という煽り文句が。

 

美雪、やっとこさ登場でしょうか!?

 

連絡ツールで金田一とやり取りをしている描写のみで姿も声も登場せずだったので色々な穏やかでない憶測がファンの間では飛び交っていましたが、この予告ページの雰囲気だと読者の憶測を一笑するようなサクッとした登場の仕方しそうですけど…どうなのでしょう?玲香ちゃん登場の予告のときとだいぶ差がある…。 

 

「騒霊館殺人事件」の真相解明と美雪登場か否か。楽しみに待ちたいと思います!

 

 

ではではまた~