こんばんは、紫栞です。
峰倉かずやさんによる漫画作品である【最遊記シリーズ】が、『最遊記RELOAD-ZEROIN-』という名で2022年1月からTVアニメスタートされます。
私は原作ファン歴かれこれ17年ほどなんですが、この間「またアニメ化されるね~」と友達と話している最中、必然的に歴代のアニメシリーズの話題になったんですけど、数が多くてこんがらがってきまして。私達と同じような事態になってしまう方が他にもいるかなというのと、新規ファンの方にも簡単に最遊記シリーズのアニメ遍歴を把握出来ますようにとの願いをこめ、今回はこれまでの【最遊記シリーズ】のアニメについてまとめたいと思います。
原作は来年で25周年。原作は現在も継続中なのですが、作者の闘病の関係などにより、25周年といっても原作の冊数はさほど多くありません。なので、TVアニメシリーズでやっても毎度原作のストックはすぐになくなるような状態なのですが、『最遊記』という作品自体に根強い人気があるので、数年おきに思い出したようにアニメ化されています。
【最遊記シリーズ】はこれまでTVアニメシリーズが4つ、OVAが4つ、劇場版が1つ、制作されていまして、今回は一つずつ紹介していこうという訳ですが、アニメの説明を読む前に念頭に置いて欲しいのが、
原作は『最遊記』(全9巻)→『最遊記RELOAD』(全10巻)→『最遊記RELOAD BLAST』(連載中で現在3巻)の順番でタイトルを変えて進んでいるということと、本編『最遊記』より500年前の出来事である前日譚『最遊記外伝』(全4巻)があるということ。
アニメはアニメで別タイトルが付いているものもあるので、これを踏まえておかないとごっちゃになってしまいますから・・・(^_^;)。くれぐれもよろしく。
では、一つずつ年代順にご紹介。
1999年発売。全2巻。
ドラマCDとの連動企画もので、初アニメ化作品。オリジナルストーリーで、なんか、イッチャってる科学者がジープ(白龍)に爆弾仕掛けたとか言って、どうする?ってな話。原案とキャラクターデザインは峰倉さんによるものです。
キャストは、玄奘三蔵:高木渉/孫悟空:岡野浩介/沙悟浄:山寺宏一/猪八戒:石田彰
と、今見ると色々と驚きのキャスト。
悟浄の山寺さんのキャスティングは、作者の峰倉さんが「悟浄の声は山寺宏一さんのイメージ」と言っていたら、そのまま出演してもらえたとのことで、『最遊記』4巻のあとがきで「言ってみるもんだ」と喜んでいました。その所為で、後に平田さんからチクチク言われてしまっていたようですが・・・。
まとめ紹介をしようというのにアレなのですが、実は私、このOVAだけは最後までちゃんと観てないんですよね。もう15年前ぐらいに、レンタルDVD借りてきて友達三人で上映会したんですけど、皆TVアニメシリーズのキャストで慣れてしまっていたので、あるキャラクターの第一声を耳にした瞬間、拒絶反応が出てしまって思わずリモコンの停止ボタンを・・・。それきり再生されることはありませんでした(^_^;)。ま、今となっては良い思い出ですね。
ストーリーは単発ものなので観ておかないと支障が出るなんてことはないのですが、原案が作者本人によるものでコレでしかお目にかかれないものですので、気になった方は観てみると良いと思います。TVアニメを観る前に・・・。
TVアニメ『幻想魔伝 最遊記』
2000年4月~2001年3月まで、テレビ東京系列で放送。全50話。
前作のOVAからキャストを大幅変更。玄奘三蔵:関俊彦/孫悟空:保志総一朗/沙悟浄:平田広明/猪八戒:石田彰
以後、ずっとこの四人でキャストは固定されています。石田さんだけ前作から続投ですね。
放送当時、原作コミックスは6~7巻ぐらいまで刊行されていた状態での4クール全50話ですので、アニメオリジナルのストーリーが多く、後半はアニメオリジナルキャラクターで、天界にて哪吨の後任で闘神をしていたという「焔(ほむら)」が、三蔵一行に(主に悟空に)絡んでくるというのを主軸に物語が展開されていました。その関係で『最遊記外伝』の原作ストーリーも少しやりましたね。このアニメ放送時、原作漫画の外伝連載はまだほんの序盤部分でしたので、やったのは本当に最初の方だけですが。
元々2クールの予定だったものが途中で4クールに延ばされることになったらしいので、後半で大胆にオリジナルを持ってきたってことだと思われ。今のアニメ業界では1クールが主流になりつつありますけど、この当時のアニメは半年や1年やるのが通常でしたね。
アニメ完全オリジナルキャラクターであるものの、キャラクターデザインは峰倉さんによるものということもあって、焔は人気がありました。“逆輸入”で漫画本編に登場しないのかと期待の声もありましたが、今のところ原作漫画には登場していません。(外伝で焔らしき後ろ姿が1コマ描かれている箇所はありますが)
他、幻想魔伝で有名と言えば、作画崩壊ですね。ものの見事に崩壊していまして、見るに堪えない・・・と、いうか、失笑を禁じ得ない回が多数あります。実際は友達と一緒に爆笑していたんですけど。これも今となっては良い思い出ですね。
劇場版『幻想魔伝 最遊記 Requiem 選ばれざる者の鎮魂歌』
2001年8月公開。
2クールの予定を4クールに延ばしたのみならず、幻想魔伝は放送後に劇場版まで制作されました。当時の人気の高さをうかがえますね。
アニメシリーズの劇場版ではありがちな総集編だの再編集ものではなく、完全新作のオリジナルストーリーとなっていて、このお話を小説化したノベルス版も刊行されています。
怪しげなところに行って、怪しげな目に遭うというストーリー・・・って、いうと雑すぎる説明なんですけど、一言で言うと「三蔵のヤバイストーカー話」ですね。だから他三人はとばっちりというか。とばっちりはいつものことというか、常態が(?)そうなのかもしれないですけど。三蔵様モテモテなんですよ。困っちまいますね。
全体的に何故かミステリアスでホラーテイストな演出となっています。ま、内容もある意味ホラーではあるのですが。最遊記特有のコミカルな四人の掛け合いが少なく、ギャグシーンもほぼ無いのが個人的には残念な点。
劇場版とあって、流石に作画は安定しています。ホラーテイストですけどね。
TVアニメ『最遊記RELOAD』
2003年10月~2004年3月まで、テレビ東京系列で放送。全25話。
今は一気見ブルーレイが出てる。ブルーレイだと全話1枚に収録できるんですね。凄い。
2年半ぶりの再アニメ化。勝手にもっと空いていた気になっていたのですが、2年半しか空いてないのですね。なので、原作も話数がさほど溜まっていない常態でして、アニメ開始時に刊行されていた漫画の『最遊記RELOAD』は2巻まで。タイトルこそ『最遊記RELOAD』となっていますが、原作のRELOADでのエピソードはこのアニメではほとんどやっていません。
ではどうしているのかというと、前半はほぼアニメオリジナルの一話完結型エピソードを続け、後半に幻想魔伝でやらなかった『最遊記』(以下、「無印」と表記)の終盤エピソード「カミサマ編」をヤマ場としてアニメのラストに持ってくるという構成になっています。
『最遊記RELOAD』というタイトルなのに、RELOADの話はほぼやらずに無印時代の内容をヤマ場に使っている。ここら辺が原作とアニメで内容がこんがらがってくる原因ですね。
他、RELOADのアニメの特徴は次回予告後にミニアニメの「うら最」があるところですね。峰倉さんの書き下ろし脚本のものもあるので必見です。
懸念される作画ですが、「改善された~!」と、見せかけて「おや?おやおや~?」となる感じ。幻想魔伝よりはマシになってはいるんですけどね。お話によって差が激しいといいますか、ムラッ気がある。悟空以外の他三人が原作よりガタイがよくなっていたりする時があって、個人的にそれが凄く嫌でしたね(-_-)。
TVアニメ『最遊記RELOAD GUNLOCK』
2004年4月~9月まで、テレビ東京系列で放送。全26話。
こちらも一気見ブルーレイがある。
タイトルにGUNLOCKが付け足されていますが、放送枠が深夜に異動になったというだけで実質RELOADからの続きです。放送期間も空いていませんし、スタッフも一緒。アニメでRELOADをやっている段階では、2クール以上やるかどうかは視聴者さんの反応を見てだとDVDで関さんが言っていた記憶が。反応が上々だったのか、深夜枠で続けてやることになった模様。「GUNLOCK」がつくタイトルはこのアニメだけのもので原作にはないので、ここら辺もまたこんがらがる原因ですね。
内容は原作のRELOADをやる・・・と、いっても、やはり原作は巻数が1冊増えた程度なので、紅孩児たち関連のエピソード以外はほぼアニメオリジナル。後半で原作にも登場するヘイゼルが出て来て大きな流れとなっていく訳ですが、このアニメ放送時、原作ではヘイゼルはまだ登場したばっかり。なので、原作とは違ったアニメオリジナルの「ヘイゼル編」が繰り広げられています。
2007年~2008年の間に発売。全3巻(全5章)。
原作『最遊記RELOAD』の3~4巻に収録されているエピソードで、「埋葬編」と呼ばれる部分のアニメ化。烏哭、三蔵、悟空、悟浄と八戒、各章で、それぞれの思い出話が描かれる。
原作エピソードですが、TVアニメシリーズでは丸々やっていなかったためOVAでってことなのか。確かに連続アニメの途中でいきなり思い出話をやられたら流れが変になりますからね。1,2話で終わるお話じゃないし。
原作通りに、忠実に再現された作品となっていて画も今までになく綺麗ですが、各巻収録時間が短くってビックリする。値は張るのに…OVA ってそういうものなんですかね。今は5章まとめてブルーレイ1枚に収録されているものも発売されています。
2011年~2012年の間に発売。全3巻。
原作の外伝やっと完結したよ!ってことで、満を持しての(?)アニメ化。と、いっても原作の18話からなので、最初の1冊分ぐらいは端折られてるんですけど。
「埋葬編」と同じく画は綺麗で原作に忠実ではあるのですが、どうも全体的にセカセカしていて「まきが入ってるのか?」と思ってしまい、原作よりも何やら感動が薄れる気がしなくもない。各巻ごとの尺の問題でもあるのですかね。
外伝はテンポの良さよりも演出でじっくり魅せるタイプの作品なので、間を持たせる演出などにはもうちょっとこだわって欲しかったなぁと。私がもったいぶって原作をゆっくり読んでいるだけなのかもしれないですけどね。最遊記関連のコミックスは刊行が数年おきなので、新刊が発売されるとなると私の中ではもう一大イベントと化してしまっていまして・・・読むときはいつも気合いが入ってしまう(^_^;)。
2013年発売。全1巻。
外伝2巻の作中エピソードで、天蓬視点による回想となっていて、捲簾との出会いや軍での出来事が描かれる。プロット構成は原作者の峰倉さん自らの手によるもの。原作の2巻に収録されていた「さいゆうきがいでん」もこのOVAで映像化されています。外伝に関しては、コミカルなシーンを見れば見るほど悲しくなってしまうのですけどね・・・。
こちらと合わせて外伝でまとめられたものも出ています。
TVアニメ『最遊記RELOAD BLAST』
2017年7月~9月まで、AT-X 他で放送。全12話。
GUNLOCKから大きく間が空いてのTVアニメ化。20周年企画ですね。発表されたときは「え?BLASTまだ2冊しか出てないのに!?」と、驚いた。※アニメ終了と同じぐらいに3巻が発売されました。
どうするのかと思いきや、間に外伝の内容を挿入するという荒技が披露される。「外伝は幻想魔伝とOVAでやったじゃん」って感じなんですけど、OVAで端折った序盤部分をちゃんとアニメでやろうということらしい(じゃあOVAで全話やれば良かったじゃんってなりますけど)。しかし、ドラマCDとかでもやっていますしね、何回外伝やってるんだよ感は否めない。
原作の2巻分は忠実に再現されていて、画もTVアニメシリーズのなかでは一番綺麗で安定しています。最終回付近でアニメが本誌の内容に追いついてしまったので、詰めの部分がオリジナルとなっていますね。
GUNLOCKのアニメオリジナル展開で死んでいたキャラクターが(※原作では死なない)、普通に生存し登場しているので、今までのTVアニメシリーズとは切り離されたものとなっています。
RELOADでやっていた「うら最」が復活したのにも驚きましたが、個人的に一番衝撃があったのは放送中に流れるゼロサムのCM。関さんが内容を紹介してくれるここだけのオリジナルCMだったんですけど、めちゃくちゃ人当たりの良さそうな、快活な先生ボイスで紹介していたので、アニメの三蔵とのギャップが凄かったですね。毎週「振り幅ぁー!」って感じだった。
2021年現在は以上。
あらためてまとめてみると、やはり原作の冊数が少ないので全体的にアニメオリジナル部分が多いシリーズとなっていますね。最遊記はキャラクターの個性が強くてハッキリしているので、オリジナルもつくりやすいのかなと思います。
原作エピソードのアレンジなどは文句を言いたいところも多々ありますが、幻想魔伝のオリジナル展開や一話完結物はコミカルな“お遊び”的な話も多くって観ていて楽しい。ストーリーがおかしかったり、キャラクターの解釈で「ん?」となったりしますが、それも含めてツッコんで愉しむのがこのアニメシリーズの醍醐味ですかね。これから4クール全50話なんて長くやることはないだろうから、オリジナルだらけになることはもう無いのかなとは思いますが、遊び心を忘れずにやっていって欲しいですね。
次はZEROINなんだってよ
さて、では2022年1月に放送開始のTVアニメ『最遊記RELOAD-ZEROIN-』なんですけど、GUNLOCKの時のように拳銃関連のオリジナルのタイトルとなっています。今に始まったことじゃありませんが、横文字ばっかで分りにくいしムカついてきますね。日本語にして欲しい。
2017年に『最遊記RELOAD BLAST』の3巻が発売されて以降、現段階で原作のコミックス刊行はなし。「今度こそやるの無いぞ!どうすんだ?」だったんですけど、前情報によりますと原作『最遊記RELOAD』の「Even a worm編」をよるんだそうです。また横文字でアレなんですけど、「Even a worm編」って「ヘイゼル編」のことですよ。GUNLOCKでやったじゃん!なんですけど、今度は原作通りにやるよってことなんですかね。確かに、GUNLOCKのラストは何じゃコレなことになっていましたけど。
TVアニメをやるのは新規ファン獲得に有効なので意義はあるのでしょうが(現に私もTVアニメからファンになったくち)。しかし、「ヘイゼル編」の後のエピソードのBLASTを既にアニメでやったのに、戻るのはアニメだけ観てきた人には違和感があるではないかと思いますね。「ヘイゼル編」でキャラクターの心情も変化したからこそBLASTの流れがある訳ですし・・・。
正直、私としては原作の「ヘイゼル編」って、一部辛い展開しててラストも駆け足でちょっと釈然としない感あったので、そんなに忠実なアニメ化って期待してなかったんですが・・・いや、でも、やるからには観ますけど。須く、見る。
ではではまた~