夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

叙述(じょじゅつ)トリック 有名小説6選

こんばんは、紫栞です。

前回に引き続き、叙述トリックものの話題をお届けします。

 

www.yofukasikanndann.pink

 

予告通り、叙述トリックの代表作・有名作と言われているもので私が読んだ小説6冊を簡単に紹介していきたいと思います。

以下、直接的なネタバレは避けますが“叙述トリックが使われている”と明言するだけでまぁネタバレではあるのでご注意下さい。

 

ではいきますよ~

 

筒井康隆ロートレック荘事件』

 

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

ロートレック荘事件 (新潮文庫)

 

 

文庫裏の内容説明のところに前人未到のメタ・ミステリー”と書いてありまして、「筒井さんだしSF顔負けのトンデモ展開がまちうけてるかもしんねぇ~!」と、だいぶ意気込んで、警戒して(笑)読んでいたんですが、が、・・・・・・見抜けませんでした~(T_T)と、いうか・・・いやいや、コレは見抜くの無理でしょって感じなんですが。

確かに読んでて「何かおかしいような気がするぞ・・・?」とは思うというか、何かしらの違和感がつきまとうんですけど、明確にどうとは言えないってまま真相へ。違和感の正体が明らかに!「あ、あ~そういうこと?」ってね。

解決編の犯人の罪の告白のところにご丁寧にもトリックを施した部分の箇所が記載されて(ページ数と行が記載されてる)いてかなり親切。おかげで一回一回ページ遡って確認してしまうので解決編読むのめっちゃ時間かかちゃいましたけど(^_^;)作者の苦労した感が凄い伝わってくる。

お話としては差別意識へのアンチテーゼ的な意味合いも込められてる(と、思う)

 

殊能将之ハサミ男

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 

わかった。コレは叙述トリックもののオススメページで見て、最初から警戒しながら読んだのでわかっちゃいましたね。

と、言っても根拠があって解いたとかではなく、文章の雰囲気が「これ、語り手〇〇〇なんじゃないかなぁ?」と、感じさせるので真相部分読んでも素直に納得したって感じなんですけど。ある意味書き分けがちゃんと出来てるって事だろうから良いことなのかも。シリアル・キラーものなので推理小説ってよりはサイコサスペンスっぽい。私はこういう結末は正直好きじゃないんですけど、お話的にはこの結末があってるのかなぁ~。ホラーちっく。

余談ですが、名探偵コナンのコミックス60巻に出てくる『ハンマー男』の話ってコレが元ネタだと思う。

 

我孫子武丸『殺戮にいたる病』

 

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 

ホラーです。猟奇殺人でエログロい描写、イカレテルだろってな犯人の心理描写がズダダダダっとマシンガンみたいに続くので「ひぇ~恐ろしいよぅ」「ホラーヤバいよぅ」と、油断していると一気にドボン。「この本、トリックものだったのか・・・」と読者は思い知らされる――と、いう寸法さね!そう、実は過剰なまでのエログロ描写も読者の目を他に向けさせるカモフラージュの一端だったのだ!

とはいえ、エログロで挫折する人もいるかと思われます。たとえトリック部分が無くてもホラー小説として十分成立する本だと思う。恐ろしい・・・。

 

歌野晶午『葉桜の季節に君を思うということ』

 

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

 

 

コレは警戒してても全然わかんなかったですね~!お見事です。本の末尾にある『補遺』を読むと「〇〇だからって勝手に思い込んじゃってる事多いんだなぁ~」と実感する。 最後まで読むとタイトルの意味が胸に染みわたります。

ミステリー部分とは別にラブストーリー部分も凄く良くっていろんな人に広めたいお話なんですが、映像化は絶対不可能ですね。今後も無いでしょう。読後感が爽やかで良いですよ~(^o^)あんまり言うとネタバレになるので言えないのが残念ですが・・・。

 

乾くるみイニシエーション・ラブ

 

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

恋愛小説だよ。別に殺人事件が起こる訳でもないし。一人の男と女が出会い、恋に落ち、そしてすれ違い・・・。ほろ苦青春小説~・・・と、思いきや!最後の最後で「え?何を読まされていたんだ?」と、読者は読み終わった直後に最初から読み返さなくってはいけなくなる。

木綿のハンカチーフカモフラミステリ(笑)

と、言いつつ。

私実は読んでて何となくわかったんですが。コレも文章の雰囲気の違いで「そうなんじゃないかなぁ~」とぼんやり思ってたってぐらいですけど。時間軸の詳細なところまではわかりませんでしたけどね。コレも本の末尾にある『イニシエーション・ラブを理解するための用語辞典』が面白いです。当然「実写化不可能じゃろ」と思っていたんですが2015年に実写映画化されましたね。私はいまだに観てないんですが「この話をどうやって・・・?」と激しく疑問。

 

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』

 

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

 

鬱小説で有名。確かに内容はかなり暗いです。主人公が小学生なんですが、取り巻く環境が辛い。こういうの読むと「子供ってなんて生きづらい生き物なのだろう」というやるせなさが溢れてきますね。

トリック部分はわかってすぐの感想としては「これはちょっとやり過ぎなんじゃ・・・」と思ってしまったんですが(^_^;)精神状態を鑑みるとこれくらいやり過ぎないといけない状況だったのかな~と思う。そして終盤、本人もその事にもう限界を感じて~・・・からのラスト。

鬱になるかもしれないですが、私は好きな本です。

 

 

 

他にも色々あったような気がしますが今回はこのくらいで。

叙述トリックは奥が深い!あんまり立て続けに読むとウンザリするときもありますが(^^;)今後も読んでいきたいと思います。

 

ではではまた~