夜ふかし閑談

夜更けの無駄話。おもにミステリー中心に小説、漫画、ドラマ、映画などの紹介・感想をお届けします

『金田一パパの事件簿』3巻 ”復讐のミイラ歌姫”編開幕 歌う殺人犯登場!

こんばんは、紫栞です。

今回は、『金田一パパの事件簿』3巻について、感想を少し。

 

金田一パパの事件簿(3) (コミックDAYSコミックス)

 

 

全巻は『金田一パパの事件簿』の最初の事件「私立探偵殺人事件」が終幕するまでが収録されていましたので、この3巻からはまた新たなる事件「復讐のミイラ歌姫」編が開幕です。

なんだよ、”ミイラ歌姫”って・・・・・・ですが(^_^;)。シリーズ30年もやってると怪人名のネタも切れてくるか。

 

 

「復讐のミイラ歌姫」

あらすじ

探偵事務所を営む金田一一は、息子の九十九と共に事務所のビラ配りをしていたところ、女医で「紅島病院」院長の紅島夏月から仕事を依頼される。

両親が亡くなり、祖父の代からの病院を継いだという夏月は、杜撰な手術を繰り返していくつもの訴訟を抱える美容整形外科医の叔父が経営していた「紅島ビューティークリニック」と名前が同じなために理不尽な苦情に悩まされているという。

最近は”ミイラ歌姫”という叔父の手術の被害者だと思われる人物がクリニックへの恨み節を歌う動画がバズり、嫌がらせが加速。

ついには「今度の金曜日 お前達は罪を償うことになる」という殺害予告ととれるような脅迫の手紙まで届いたので、念のために当日の金曜日に身辺警護をしてくれとの依頼だった。

しかし、依頼を引き受けた金田一が研究所の駐車場で見張りをしていた最中に、夏月は何者かに襲われてしまい——。

 

 

 

 

 

 

 

 

バズリ動画犯人

今回は初っ端に美雪が登場していますよ。九十九のこと事件現場には連れて行って欲しくないと割と深刻めにはじめちゃんに伝えています。ま、母親なら当然ですよね。

でも、そのすぐ後に営業のビラ配り一緒に行くのを「似た者親子なんだから・・・!」ってほほえましそうにつぶやいている。うーん。美雪としては心配な気持ちと高校生の時の自分たちを懐かしむのとで複雑な心境なのか。

 

個人的に、ビラ配りは目を離しがちになるので六歳児を連れていくのはどうかと思う。

 

 

問題の”ミイラ歌姫”なんですが、顔に包帯ぐるぐる巻いている女が歌っている動画がバズっているよと。このシリーズお馴染みの”怪人”も世界配信してフォロワー132万人ですよ。これも時代ですかね。

美容整形手術の失敗の所為で顔を包帯で隠しているのだという設定(?)なので、厳密に言うとミイラじゃないよねって思いますが。ミイラってのは乾燥した死体のことだからね。

 

包帯ぐるぐる巻いて顔を隠す犯人ならこれまでもシリーズで度々登場してきたもんですが。

顔が崩れて包帯を巻いているという点はオペラ座思い出しますね。しかし、「ルージュアイランドお前らのせいで人生終了~♪」とか歌われると、30年前より内容がチープになったな感が否めない。ちなみに、歌は上手いらしい。

 

『金田一37歳の事件簿』から引き続き、刑事さんとして真壁先輩が登場。九十九にデレデレしております。いやぁ、初登場の学園七不思議からは想像出来ない良好関係っぷりですよね。まさか後々、シリーズでこんなに真壁先輩を便利扱いすることになろうとは。

フミも登場しております。『金田一37歳の事件簿』の時は独身で彼氏の件で色々ありましたが、この七年ほどの間にご結婚されたそうで。どんな人かはまだ分からない状態ですね。子供はいないようですが。

アルバイト兼売れないミステリ作家を継続中のようです。時間に融通がきく身なので、九十九の子守頼んだという流れでの登場だったのですが、今後も急な子守要因で登場するかもですね。

 

 

 

定石

事件の方なのですが、警護の最中に依頼人の紅島夏月がまんまと襲われてしまったということで。夜中に金田一が夏月の居る部屋の窓を見張っていたところ、カーテン越しのシルエットで襲われているのに気付き、急いで駆けつけたら包帯で首を絞められたらしき夏月が倒れていて、意識不明のまま病院へ運ばれて精密検査。その数分後、まごうことなきクズ野郎の叔父・紅島久美彦が自宅で殺害される。

今巻は夏月先生が実は双子で、姉の秋葉が二年前の火事により植物状態で分院に長期入院中だという事実が判明して終わっています。

 

この後は久美彦の妻である彩芽が殺されるんだろうなって感じですが・・・・・・。

 

状況的に臭すぎますね。これはもう本格推理もの的には夏月さんが犯人ですわ!なんですけども。

 

まず、襲われて助かっている奴は犯人。

これは本格推理界といいますか、このシリーズ的に定石。前回の「私立探偵殺人事件」もそうでしたし。

そして、双子。

双子を出してくるならそれはもう入れ替わりトリックをするということ。

途中、火傷で顔に包帯を巻いている患者を担架で運んでいるシーンがあったので、それを利用して植物状態の姉と入れ替わったんじゃろ!と、推測するんですが・・・・・・どうでしょうか。

 

とはいえ、病院内に協力者がいないと厳しいかなと思うので、今回は共犯者ものかも?それだと怪しいのは朝江先生ですかねぇ。午前四時にコールしても出なかったってのが怪しいですわ。秋葉さんと関係もあるみたいですしね。

 

 

 

 

 

 

六歳児と殺人事件

子供が助手的役割をするのがこの『金田一パパの事件簿』の特色で物語の都合上しょうがないのでしょうが、夜中の警護の仕事に同行させるというのはダメだろうと思う。病院に行く時も連れて行っていたし。六歳児だからしょうがないかも知れないけど患者さんに失礼なこと言ってるのとかやっぱり気になってしまう。私が依頼人なら親の金田一の神経を疑ってしまいますね。

 

うーん。2巻までは気にならなかったんですけどね。やっぱり殺人事件の場に六歳児を絡める厳しさみたいなの出てきちゃいますよね。今回読んで少し不安になってきましたよ。上手く進めて欲しいもんですが・・・・・・。

 

 

 

次巻、第4巻は2026年6月頃発売予定とのこと。なにはともあれ、楽しみに待ちたいと思います。

 

ではではまた~

 

 

 

 

 

 

 

ジョン・ウィック シリーズ 観る順番・時系列を解説!

こんばんは、紫栞です。

今回はアクション映画のシリーズである【ジョン・ウィックシリーズ】をご紹介。

ジョン・ウィック (吹替版)

 

普段、当ブログではミステリものを中心にご紹介しているのですが、ちょっと年始から

個人的に喜ばしくないニュースが続きまして。「何も考えずにスカッとしたいッ!」と、こちらの映画シリーズを一気観したので、せっかくなのでまとめようかと。

 

私は映画もミステリとかサスペンスを観がちなのですが、アクションものもこんな風に気が向くとドバーと観ることが多いんですよね。超絶アクションが見られるのはやはり興奮するし楽しいし非日常的でこれぞエンタメって感じ。私自身の運動神経が悪くってのっそりした人間なので、アクションシーンを見るとより「凄い!凄い!」ってなるんですよね。自分が絶対出来ないから。同じような人いないかしら。

 

【ジョン・ウィックシリーズ】は、キアヌ・リーヴス演じる凄腕の殺し屋ジョン・ウィックによる闘いが描かれるシリーズ。

ジョン・ウィックは殺し屋を引退していたのですが、あることがきっかけで不本意ながらまた殺し屋界隈に戻ることとなり、戒律が厳しい巨大な殺し屋組織の中で色々とドタバタ、すったもんだして、ド派手に暴れ回ります。

 

シリーズで一貫して登場しているのはジョン・ウィックの他に、殺し屋専用でありながら敷地内では絶対に殺しは禁止の聖域認定されたホテル「コンチネンタル・ホテル」のニューヨーク支店支配人のウィンストン・スコット(イアン・マクシェーン)と、その右腕でコンシェルジュのシャロン(ランス・レディック)。

 

基本的に、一人対大勢(本当に大勢)でのアクションが主なシリーズになっていて、そこが見所。「いくらなんでも殺し屋いすぎぃ!」って毎度ツッコミたくなりますが、それもまた楽しいアクション映画シリーズです。あと、犬に優しいシリーズですね。

 

 

 

 

 

順番

 

●『ジョン・ウィック』

 

ジョン・ウィック (吹替版)

 

映画。2014年公開。

病気で亡くなった妻の贈り物である犬を殺した男たちに復讐するため、引退していた殺し屋のジョン・ウィックがまた物騒な世界に舞い戻るというストーリー。

 

犬を殺したのがロシアン・マフィアのボスの息子だったため、復讐がとんでもない規模になる。ちなみに、この息子はジョンの正体とか全く知らずに仲間と遊びの延長で家を襲撃してこのようなことに。とんでもないバカ息子ですな。父親も息子がしでかした事をして真っ青になって叱責している。

 

とんでもなく強いはずのジョンがなんでこんな奴らに最初やられてしまったのかはかなりの疑問。全シリーズ観た後だと特に。

上映時間が101分と、昨今の映画の中では少し短め。私が最初に観ようと思ったきっかけは二時間なかったからですね。

 

 

 

●『ジョン・ウィック:チャプター2』

 

 

映画。2017年公開。

前作から五日後の設定で、ジョン・ウィックの復讐、なんかまだ終わっていない。車を取り戻すためにロシアン・マフィアのアジトを単独で襲撃して壊滅させる。

と、それがオープニングって感じで、アジト襲撃の後に今度はイタリア系犯罪組織の幹部が接触してきて、とある殺しの依頼をしてくる。断ったら家を爆破されて、依頼を渋々受けるが・・・・・・てなストーリー。

 

この二作目から、シリーズの特徴の一つである殺し屋世界独自ルールが前面に出てくる。警印の掟、主席連合、コイン、聖域認定のホテルなどですね。

 

一作目は単純な復讐劇という感じでしたが、今作から色々と厄介なこととなって大きな勢力との闘いが本格的化してゆく。

上映時間は122分。

 

 

 

●『ジョン・ウィック:パラベラム』

 

 

映画。2019年公開。

タイトルの”パラベラム”ってのは「戦争の準備」という意味らしい。

前作の直後からスタート。絶対に殺しをしてはいけないコンチネンタル・ホテル内で「主席連合」のメンバーを殺してしまったジョン・ウィック。掟破りのため追放され、賞金首になってしまってニューヨーク中の殺し屋全員に狙われる事態に。今作はまさにその殺し屋たちから逃げるために走り回っているところから物語が始まる。

 

前作は殺し屋界の独自サービスを受ける様子が面白いところの一つだったのですが、今作では追放処分になってしまったため、各自サービスが使えない。

 

このシリーズ三作目から物語は私怨による復讐劇から完全に組織対ジョン・ウィックという全面戦争物語となる。

今作から日本の組織もチラホラしてきます。頻繁に心変わりするジョンには途中「ええ・・・」となりますが、終盤での籠城戦はやはりテンションが上がりますね。シャロンも大活躍ですし。

上映時間は131分。

 

 

 

 

●『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

 

 

映画。2023年公開。

”コンセクエンス”というのは日本語副題で、今作では「報い」という意味でつけられているのだとか。

前作のすったもんだで瀕死の状態になりながらも何とか生き延びたジョン・ウィック。回復後、報復を決意してまたもすったもんだする。

この頃になると、ジョンが頼って訪れた場所の人々は「主席連合」から襲撃を受けて大量に殺されるっていうのが定番化しており、もう本当にジョンは疫病神そのものですね。

序盤で大阪のコンチネンタル・ホテル(コンチネンタル・ホテルは各国に支店がある)出てきまして、真田広之さんが支配人役で登場。アクションも披露しています。この大阪の場面では日本人アクション監督の川本耕史さんが制作に参加しているのだとか。

 

日本の描写に関しては、忍者、刀、手裏剣、力士、妙な桜、妙な提灯、妙な着物・・・と、海外映画特有の”なんちゃって日本”が全開ですが、ま、割り切って観れば面白いです。

大阪のシーン以外にも、盲目の凄腕の殺し屋(ドニー・イェン)が出てきたり、長い階段落ちシーンがあったりと日本要素が随所に見られます。座頭市のようなキャラクターや鎌田行進曲での階段落ちって日本独自なのですかね?他の国にもあるのかな?

ドニー・イェンは今作の準主役という扱いになっているそうで。確かに出番が多かった。アクションも凄いです。階段落ちのシーンは長すぎてちょっと笑っちゃいました。「せっかく上ったのに!」っていう絶望感が凄い。

 

上映時間は169分とかなりのボリューム。でも本当に、ほとんどずっとアクションシーンで飽きがなく、ストーリーもツッコミどころは満載ですが集大成感があります。終わり方といい、シリーズの大きな一区切りって感じですね。

 

 

 

●『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』

 

 

ドラマシリーズ。2023年にAmazonPrimeVideoで配信されたシリーズで、全三話。

1970年代が舞台で、ウィンストンがコンチネンタル・ホテルのニューヨーク支店支配人になった経緯が描かれるシリーズ前日譚。シャロンとの出会いも描かれていてファン心をくすぐる。

コンチネンタル・ホテルの設定は【ジョン・ウィックシリーズ】でも特に異彩を放っていて面白く、特色の一つなのでこういった秘話が観られるのは嬉しいですね。

 

映画の方とくらべるとアクションシーンは少なめ。登場人物も多くってストーリー重視ですかね。でも最終話ではジョン・ウィックシリーズらしい大勢対少数でのホテル内戦闘があり、「これこれ~!」と、なります。

敵役でメル・ギブソンがキャスティングされているのが「お~!」ってなる。世代のせいですかね。ザ・悪役って感じの、王道悪役です。

 

ウィンストンは野心家で、ドライな部分はドライだし、割り切り方も容赦ないですが、基本的には情に厚い人物なんですよね。そこが魅力。このドラマではその魅力が存分に味わえます。

 

 

 

●『バレリーナ:The World of John Wick』

 

 

映画。2025年公開。

こちらはかつてジョン・ウィックも居た暗殺者教育機関でバレリーナとして(なぜかバレリーナとしても教育している)、暗殺者として腕を磨いたイブ・マカロ(アナ・デ・アルマス)が主役のスピンオフ作品。

描かれるのは幼い頃に父親を殺されたイブの復讐劇。

時系列は三作目の『ジョン・ウィック:パラベラム』と四作目の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』との間で、ウィンストンやシャロンはもちろん、ジョンもちゃんと登場する。終盤でめっちゃいいとこどりしています。やはりジョン・ウィックは強いんだなあと。

 

女性のアクションは見ていて楽しい。ドレスでの戦闘などは特に。今作でもやはり大勢対一人の戦闘が描かれています。床が凍っているバー、雪山、スケート靴を使ったりなど、アクションは全体的に「冬」がテーマだったのですかね。火炎放射器でのシーンが圧巻。しかも何度もある。

 

これも終わり方がなんだか続きそうな雰囲気を醸し出しているんですけど・・・今後どうなのですかね。同主人公で続編が出たりするのでしょうか?

シャロン役のランス・レディックは2023年に病気で亡くなり、今作が遺作になったとのこと。個人的に、このシリーズではシャロンが一番好きだったので悲しい・・・。

 

 

 

 

 

 

 

時系列・今後

 

時系列順に並べると、

『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』

『ジョン・ウィック』

『ジョン・ウィック:チャプター2』

『ジョン・ウィック:パラベラム』

『バレリーナ:The World of John Wick』

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

 

ですね。

 

 

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』で一旦本編は一区切り、その後はスピンオフが展開されているといった感じですね。

2014年からのシリーズなので、かれこれ十年以上続いている。映画内では短期間の出来事なんですけどね。キアヌ・リーヴスの見た目が変わらないのが凄い。

 

【ジョン・ウィックシリーズ】は映画フランチャイズらしく、今後も様々な派生作品を展開予定とのことです。ジョン・ウィックの生死も含めて、今後に期待ですね。

 

色々、掟だ組織だとごちゃごちゃ出てきますが、あまり深く考えずにアクションをこれでもか!と楽しめるシリーズになっていますので、気になった方は是非。

 

 

ではではまた~

『ω城の惨劇』Gシリーズがいつの間にか完結!これにて全て終了?

こんばんは、紫栞です。

今回は、新年早々に知ったショッキングなことについて少し。

 

ω城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case Gシリーズ (講談社文庫)

 

 

前に、森博嗣さんの『オメガ城の惨劇』の感想を当ブログで書いたのですけれども。

 

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2025年10月に文庫版で『ω城の惨劇』が刊行されたんですよね。

 

 

それは知っていたんですけど、単純に「あ、『オメガ城の惨劇』の文庫化ね~」って風に流してさほど気に留めないまま新年を迎えたんですよ。よく見るとタイトル変わってるのにね・・・( ̄▽ ̄;)

そしたら、作者の森博嗣さんが2026年で完全引退するってのをネット検索している時に知って。2026年ってことは、つまり今年ということですよ。当たり前ですけど。

 

で、2022年にノンシリーズとして刊行された『オメガ城の惨劇』が、文庫化の際に『ω城の惨劇』と改題されて【Gシリーズ】最終作にスライディングしたってぇじゃないですか。なんだよ、スライディングって・・・。

 

『オメガ城の惨劇』は会員制の会報誌にリニューアルした「メフィスト」の目玉作品の一つとして連載された作品なのですが、作者の森博嗣さん曰く、元々Gシリーズの最終作として構想していた作品だったが、「メフィスト」からの執筆依頼があって一旦はシリーズ外作品として発表したとのこと。

 

いや、え?そんなことってある?

 

ずっと、Gシリーズの最終作は『ωの悲劇』というタイトルだと告知されていて、シリーズ本の巻末にも今後の刊行予定で記載され続けていたんですよ。

ですので、ファンは”オメガ”ってタイトルにあるけど、『ωの悲劇』じゃないからGシリーズとは違うんだよね?シリーズ外作品に分類されてるし!って思って、ずっとずっとGシリーズの最終作だっていう『ωの悲劇』が発表されるのを待っていたんですよ。それが・・・!

 

『ω城の惨劇』に改題しての文庫化ですが、内容はどうやら『オメガ城の惨劇』と同じらしく。加筆も修正もないとのこと。

 

じゃあ私は、長年待ち望んでいたGシリーズの最終作をすでに読み終わっていたってこと?

 

それなりに長い私の読書人生で初ですよこんなの。『オメガ城の惨劇』って作品自体もキツネにつままれたような内容でしたが、現実世界でまでそんな・・・ダマされたというかなんというか、凄く妙な気持です。

 

しかしそれなら、改題するにしても『ωの悲劇』にしてくれれば良いのに。悲劇三部作って銘打っていたのだし。何故『ω城の惨劇』なのか解せぬ。いや、解せぬというなら何もかも解せぬのですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、森さんはもう小説は書かないと宣言しているらしく・・・いやいや、【wwシリーズ】と【xxシリーズ】が途中じゃないですか・・・今まで各シリーズきっちり終わらせて(少なくとも読めばちゃんと完結だと分かる作品)いたのに。wwシリーズはともかく、xxシリーズは引退するならシリーズ自体何で始めたのって感じなんだが。

 

※各シリーズについて、詳しくはこちら↓

 

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と、いいますか、四季サーガも全部終了ってこと?もの凄く壮大なことになっていたし、思わせぶりな描写やその後が気になる事柄も多く、残されている謎もまだまだあるのに。20年ほど読み続けてきてこれか・・・。

 

 

正直、まだ全然受け入れられない気持ちです。2026年・・・が、終わるまで・・・何かを期待してみます。はい。

 

 

ではではまた~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『猿』あらすじ 感想 京極夏彦ノンシリーズ長編!村と恐怖、そして猿の正体とは?

こんばんは、紫栞です。

今回は、京極夏彦さんの『猿』をご紹介。

 

猿 (角川書店単行本)

 

 

あらすじ

「猿がいる」

妙なことを言うパートナーを一人部屋に残し、祐美は亡くなった曾祖母が暮らしていたという岡山の山奥にある村・祢山村へと再従妹の芽衣と共に弁護士の案内で赴くこととなった。

祐美は曾祖母と一度も会ったことがなかった。曾祖母は百歳で亡くなるまで村にある家で一人暮らしをしていたのだという。芽衣が調べたところによると、祢山村は過疎の村で高齢者ばかりだが、六十歳以上の住民が入村しては死ぬ前に山を下りるため、人口も年齢構成も昭和からほぼ変わっていない謎が多い村らしい。

村に近づくにつれ、祐美は”何か”の気配を感じて不安に陥っていくが——。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノンシリーズ長編!

『猿』は2025年12月に刊行された長編小説。とはいえ、京極夏彦作品の長編は1000ページ越えがデフォでファンは毒されているので、360ページ程の今作は京極世界ではもはや短編感覚。あくまでこの世界線でのことですがね。360ページあれば長編です。普通に。

 

そして、今作はノンシリーズ長編。京極作品はジャンルやシリーズは違えど同一世界上で展開されているってことで、作品間で繋がりがあるのもまたデフォなのですが、この作品はどこともリンクの箇所がない、いわば”完全ノンシリーズ”の長編です。

 

時代小説や昭和が舞台の作品が多い京極さんですが、今回は現代が舞台。ジャンルはホラー。現代が舞台だからこそ描けるホラー小説ですね。

 

雑誌「怪と幽」で連載されていたものに大幅な書き下ろしが加えられたものということで、角川の怪談専門誌で掲載されていた短編集シリーズ【「 」談シリーズ】(現代怪談シリーズ)

 

 

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と同一の作品雰囲気です。【「 」談シリーズ】の長編版って感じですかね。

章による区切りもなく、ずっと主人公の祐美視点で物語が描かれているので、よりそう感じる。

 

 

 

 

 

 

以下、若干のネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因習”ではない”村

主な登場人物は主人公の祐美と従妹の芽衣、弁護士の山川とパラリーガルの尾崎の四人。

まず、祐美と芽衣が先に落ち合い、そこで芽衣から祢山について調べた事柄を聞き、その後、山川と尾崎の二人と合流。直接祢山村に関わっている二人から村が”どういう場所”なのかを知って、村に到着してからは村民から今現在村が置かれている状態と”本当の内情”を身をもって体験する。

村に向かう中で、徐々に村の謎が明らかになっていく過程にはミステリ的面白さもあります。

 

物語の概要だけですと昨今のホラーでよくある「因習村」ものかと思われるかも知れないですが、読んでみると全然違う。今作で描かれているのは”因習がない”からこその恐怖。

 

何も起こらないし、理由も原因も意味もない。ただ怖いだけ。

 

これはね、確かに怖いですよ。人間は安心を求めて理由や原因を無理やりつけようとするものですからね。それが、どんなに考えみても何も解らない。ただただ「怖い」という想いだけがある。こんなのもう、どうしようもないですもん。もしこんな状況に陥ったら、確かに耐えられないと。

 

【「 」談シリーズ】は様々な恐怖の形を描いている怪談短編ですが、今作は”怖いから怖い”という恐怖が描かれています。

 

 

 

 

冒頭部分にのみ祐美のパートナーである隆顕が登場していますが、この隆顕、二年前にコロナに罹患した時の病状である極度の倦怠感が消えず、仕事を休職して家に閉じこもっている状態。口を開けば愚痴と不平不満の悪態ばかりで、一緒に暮らしている祐美は息苦しい生活を送りつつも、耐えていればいずれ寛解するかもしれないという希望を捨てられず、パートナーである隆顕の世話を続けている。

 

物語はこの隆顕が「猿がいる」と言ったところから始まり、その時の会話が祐美の中でずっと尾を引き続けるので、登場は最初の数ページだけですが物語の要になっている人物です。

 

形や仕草が人に極めて似ているのに人ではないからこそ猿は怖い

 

と、隆顕は言う。

しかしこの言葉、そっくりそのまま今現在の祐美から見た隆顕の姿と重なる。人なのに、まともなコミュニケーションを取ることが出来ない。祐美にとっては隆顕との生活は猿と生活しているようなものなのです。

 

まるで人のように見えるから人間の常識で量ろうとしてしまうが、人ではないから通じることはない。だから怖い。

人じゃないと最初から解っていれば、これは”違うもの”、”そういうもの”だと受け入れられるが、似ているから人に寄せて考えてしまって恐怖する。通じないことに恐怖を感じるのですね。

 

 

恐怖の根源、人が感じる恐怖とは何なのかを追求している恐怖小説ですね。こういった感情の揺れ動きの描写は京極さんの真骨頂だと思う。読んでいて、やっぱり京極さんの書く文章好きだなぁ~となりましたよ。

 

ノンシリーズですが、京極夏彦作品のファンは絶対に好きだろう作品ですので、普段はシリーズの方しか読まないという方も是非。

京極作品読んだことないよって方でも、ノンシリーズなので手に取りやすいかと。

一般的に想像するホラー小説とは一味も二味も違いますので、ホラーが苦手だという方にもオススメです。

 

 

 

 

 

ではではまた~

 

 

 

 

 

 

『時計館の殺人』原作小説 ネタバレ感想 やりすぎ!な、本格推理小説

こんばんは、紫栞です。

今回は、綾辻行人さんの『時計館の殺人』をご紹介。

 

時計館の殺人<新装改訂版> 上下合本版 (講談社文庫)

 

 

あらすじ

オカルト雑誌の取材のために中村青司の建築した「時計館」を訪れた新米編集者の江南孝明。

十年前、「時計館」で少女が死んだ。その後、この館に関わる人物たちの死が相次ぎ、館には少女の霊が出ると噂されるようになった。雑誌の企画としてこの館で降霊術を行うことになり、江南は副編集長、カメラマン、霊能者、w**大学の超常現象研究会のメンバーと三日間≪旧館≫に閉じこもることとなったのだが、閉ざされた館の中で次々と人が殺されていき——。

その一方で、江南から話を聞いて興味をひかれた推理作家の鹿谷門美(島田潔)は取材班が≪旧館≫に閉じこもったその少し後で館を訪れ、時計館の管理人からある依頼をされるのだが・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリーズ第五作目!(ドラマ第二弾!)

『時計館の殺人』は1991年に刊行された長編推理小説で、【館シリーズ】

 

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の第五作目。第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作

 

シリーズ第一作目の『十角館の殺人』からおよそ四年後の設定で、『十角館の殺人』の時は大学生だった江南くんが新米の雑誌編集者になって再登場しております。

鹿谷門美(※これはペンネームで、本名は島田潔)は一応このシリーズの探偵役でほぼ毎度登場していますが(※作品によって例外あり)、江南くんは第一作でワトソン役的語り手を担っていたのにその後の三作品では登場せず状態だったので、五作目での再登場は初読の時に「おお!」となった記憶。

 

2024年に『十角館の殺人』がテレビドラマ化されましたね。

 

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www.ntv.co.jp

 

日本ミステリ界の超名作でありながら、絶対に映像化不可能だといわれ続けた『十角館の殺人』を一体どうやってドラマ化するんじゃ!!と、ミステリファンの間で話題になったものです。

多くの不安と心配の声をはねのけて問題の仕掛け部分をクリア。高評価を得ました。私も観てみて小説と同じような驚きを視聴者に与えられていると感心しましたよ。

 

で、このドラマの第二弾として今度は『時計館の殺人』が2026年にドラマ化されるとのことで、

www.hulu.jp

小説を数年ぶりに読み返してみました。

 

第二弾制作決定の一報の時に「次はどの作品をやるんだ?」となっておりましたが、五作目の『時計館の殺人』できたよと。

ま、第一弾のドラマキャスト続投ですからね。江南くん再登場の『時計館の殺人』をドラマの第二弾でやるのは順当ですかね。賞をとっていて評価も高いですし。

 

文庫で600ページと少しあって結構なボリュームでして、最初のうちはなかなか事件が起きないし、登場人物が多くって覚えるのに苦労しますが、後半戦に突入すると一気に加速して読むことが出来ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

以下ガッツリとネタバレ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時の流れが違う館

物語は、館に閉じ込められて殺戮の真っただ中に居る江南くんサイドと、急な葬儀が入って降霊術に参加出来なくなり、鹿谷(島田)さんと知り合って時計館のかつての事件について一緒に調べることとなった大学生の福西涼太サイドとが交互で描かれる構成になっております。

 

館で定番のクローズド・サークルが展開されている一方で、館内でそんなことが起こっているとはつゆとも知らずに過去の事件を追う島田さんとで並行して描かれるという物語構成は『十角館の殺人』を連想させますね。

 

 

トリックは単純で解りやすいものなのですが、書き手は組み立てるのが大変だろうなという代物。解決編で出てくる時系列表がもう、作者に「ご苦労様です」と言いたくなる。

館内の時計が全て同じ狂い方をすることで外界と時間の進み方が違っているというトリックは、まさに「時計館」にピッタリのトリックでロマンというか幻想的な感じもあって素晴らしいです。

世に時間誤認トリックは多々ありますが、ここまでの規模で行われるダイナミックなものはそうありませんからね。こんな館を建てた理由も狂ってはいますが納得出来るもので良い。

 

ま、それにしても「なんて手間のかかることを・・・・・・!」とは思いますが。事後処理も実際にやったらめっちゃ大変だろうなぁ。

 

 

 

 

 

やりすぎ!

『十角館の殺人』を連想させるというか、似通っている部分は他にもあります。動機の割に殺人の思い切りがよすぎて計画が壮大なのと、人が死にすぎなとこですね。

 

なんと、≪旧館≫に居た人間は江南くん以外全員が死んでしまいます。

犯人の動機は娘の復讐で、復讐対象は四人、もしくは五人なのですが、トリックが露見するのを恐れて殺しまくった結果、倍近い人数を殺すこととなる。

もうさ、なにそれ?

そんなんで復讐とか言われても納得出来んて( ̄▽ ̄;)。トリックにこだわりすぎてそんなに余計に人殺してたら本末転倒でしょ?

 

霊能者の光明寺美琴(寺井光江)とか、元々館の秘密知ってるからってだけで何もしてないのに最初から殺害計画に入れられちゃってるの本当に可哀想。ここからしてもう犯人に人の心無い。

 

動機に比べて犯人の”やりすぎ感”は『十角館の殺人』と共通するところですが、一応十角館の方は全員が元々のターゲットでしたからね。無茶苦茶だという点では今作の方が上でしょうか。

 

 

しかしながら、これらのツッコミは【館シリーズ】では無粋なんだろうなというのは重々承知しているところではあります。

そう、本格推理小説というのは知的遊戯ですから・・・。【館シリーズ】はそれを前提として愉しんでねってことなんですよね。それを踏まえると、この『時計館の殺人』はシリーズの中でも完成度が高く読み応えのある一冊ですので、ドラマ化などで気になった方は是非。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではではまた~

 

 

『変な地図』あらすじ 感想 青年栗原さんの青春ミステリ!

こんばんは、紫栞です。

今回は、雨穴さんの『変な地図』をご紹介。

 

変な地図

 

あらすじ

2015年7月。大学生の栗原文宣は父から飯田橋にある祖母の家を手放そうと思っていると告げられる。

十八年前に亡くなった母が相続した家で、今まで父が一人で管理していたらしい。文宣は売りに出す前に一度その家を見ていきたいと言い、父と一緒に祖母の家へと向かった。そこで、二十三年前に祖母がこの家の浴室で死亡したことを知る。

祖母は七体の妖怪が描かれた古い地図を握りしめて死んでおり、亡くなった母はその地図の謎を突き止めようと独自に調査をしていたようだ。

母の調査を完成させるため、文宣は地図に描かれた場所へと旅に出る。するとそこで、不可解な鉄道事故に遭遇して——。

 

 

 

 

 

 

 

 

栗原さん!!

『変な地図』は2025年10月に刊行された長編小説。2021年から続いている雨穴さんの【「変な」シリーズ】四作目です。

 

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毎年一冊は必ず本を出してくれるのは良いですねえ。いや、もっと出してくれたって良いのだけれど・・・・・・。

1作目が間取り図、2作目が絵、3作目が大量の間取り図ときて、四作目の今回は地図です。

特典で特大考察マップ付いてますと、帯に書いてあるのですが、私気が付くのにだいぶ時間がかかってしまいました。「なんだよ、どこについてんの?」みたいな・・・。本をめくってすぐのオレンジ色のですね。ピッタリくっついていて分らんかった。

 

雨穴さんによる『沖上喜見子の手記』の朗読もついています。これは巻末にあるQRコードからですね。

※2025年11月29日に動画が追加(?)特典で出ました!雨穴さんと栗原さんとの本の制作過程の動画で大変に面白いです!『沖上喜見子の手記』の朗読と同じ巻末QRコードから観られます。

 

 

四作目の今回は雨穴さんファンならみんな大好き栗原さんが主役。このシリーズは作者の雨穴さんがライターとして取材したことを本に書いているという設定で描かれているモキュメンタリー形式なのですが、今作は栗原さんの伝記を雨穴が書いているという”テイ”での長編ミステリ小説となっております。

 

毎度恒例の本のプロモーション的動画もYouTubeにアップされておりますよ。

 


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雨穴さんが栗原さんの伝記を書くことになった経緯と今作の序盤の内容が分かる動画ですね。

 

今作は2015年が舞台。栗原さんは22歳の大学生で就職活動中でして、理屈屋で正直者なせいで内定が取れないでいる只中。と、いうことは、2025年現在の栗原さんは32歳な訳ですが、今作の22歳の栗原さんは大学生らしいフレッシュさはほとんどありませんで。いつもの雨穴の動画で出てくる栗原さんそのままですね。敬語で、慇懃で、ほんのり失礼。

二作目の『変な絵』の時の大学生栗原さんには読んだときにフレッシュさを感じた気がしたんですが・・・・・・気のせいだったのかな(^_^;)。

 

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栗原さんは今まで人物の詳細が明かされない謎解き役をシリーズで担ってきていたのですが、今作は主役ですので今まで不明だった栗原さんの生い立ちやら内情やらを知ることが出来ます。ファンとしては興味深く、ミステリ部分以外でも愉しめるポイントですね。

栗原さんの御家族である父親と妹の沙耶も登場しています。確かに、『変な絵』の作中で妹がいるって言ってましたね。「妹いるんだ。へ~」とか思ったものです。

 

お父さんは気弱だけど愛想がよく、人付き合いが上手。妹の沙耶は社交的でコミュニケーション過多。栗原さんとは似ても似つかんですね。

驚きなのが、家族に対しても栗原さんが敬語で対応していること。ファンが知っている30代の栗原さんとまったく同じ調子なので、頭の中で勝手にあの栗原さんの音声が再生されてちょっと面白い。

 

『変な絵』で妹は逆子で産まれてきたと言っていたのですが、実は母親はその時の出産で亡くなっていたらしく。そのことがトラウマになっているご様子。不仲な訳じゃないけど、家族との接し方に距離があるのもそのせいだと。

じゃあ、『変な絵』で出産での死亡を語るのは結構くるものがあったんですかねぇ・・・。

 


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お母さんですが、好奇心旺盛な学者で語尾を「~」で伸ばすというなかなか癖強人物。優秀で謎への探求心が凄まじかったようで。たぶん栗原さんはお母さん似なんですね~。

 

400ページほどの長編ですが、いつも通り読みやすさに特化したつくりになっていて、図解や関係図などがふんだんにあって一気に読んでしまう一冊です。個人的に、雨穴さんの本はいつでも一気読み推奨ですね。

 

 

 

 

 

 

 

王道

この物語は2015年7月2日~12日までの出来事が描かれているものとなっています。

7月2日に沙耶を通じて父からの呼び出しがあり、祖母の家に行って自殺の事実を知り、自殺の原因を突き止めようと地図に描かれた河蒼湖集落の跡地へと向かう。道中で新人警察官で実家が旅館をしているという帆石水あかりと知り合い、そこの旅館に宿泊しながら遭遇した事件と祖母の自殺の真相を探る旅情ミステリですね。

 

最初、父親には就活中で時間ないのに今調査する必要ないだろうと止められるのですが、このままの心持じゃ第一志望の会社の面接を受けられないと主張し、面接の2日前である7月10日までという制限つきで実地調査をする。

なんか、いいお父さんですよね。息子の将来を心配しつつ、気持ちを汲んで条件を出す。妹の沙耶も良い子なんですよ。

 

調査先で事件関係者の同年代女性と知り合い、一緒に事件の謎を追うという流れは定番の2時間ドラマちっくですね。浅見光彦シリーズみたいな。

 

雨穴さんの本って突拍子もないところから色々繋がっていってとんでもない事件の真相が明らかになるといったつくりで今まで来ていて、構成や時系列、人物関係などが複雑化しているものが多いのですが、今回は割とシンプルな構成で描かれた王道ミステリになっているなと。

 

青年の栗原さんを主人公にしているので、事件を通しての成長も描かれている冒険譚であり青春物語にもなっています。そのため、読後感も今までになく穏やかな感じ。

とはいえ、日本の旧制的部分が事件に影響を及ぼしている点や、謎解きのプロセスなどは雨穴さんらしさ溢れるものとなっておりますのでファンの期待は裏切らない本になっているかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

考察?

いつも考察の余地を残すような描き方をするのも雨穴さんの作品の特徴ですが、今回は作中に書かれている謎解きをそのまま受け止めていいのではないかと思います。

 

なんか、すでに出ている考察サイトなどでは実行犯は別にいるとかあるようですが、私はそんなことはなく、栗原さんの推理したままの実行犯で間違いないかと・・・ま、雨穴さんのことですから、後になって何を出してくるかわかりませんが。

個人的には、祖母の自殺の方が最後まで読んでもしっくりこなかったですかね。理由が云々というのではなく、祖母である知嘉子さんの人物像的に自殺というのがそぐわない

気がする。

 

そもそもこの本、栗原さんの語ったことを小説にしているって設定のものですからね。栗原さんに意図的に何か隠されてたとこられたらもうお手上げなんですよ。

あとがきにも

私自身、文章を書きながら「栗原さん、これはさすがに自分を良く見せすぎでは?」と思う場面も多々あったが、今まで協力してもらった手前、そこは飲み込んで執筆に専念した。

て、ありますしねぇ。

 

文庫化とかの時に何かあるかもですが・・・この本は栗原さんの冒険譚として完成しているので、そんなに後になってからこねくり回さないで欲しいですかね。

 

とにかく、ファンは必見な物語ですので!気になった方は是非。

 

 

 

 

 

 

ではではまた~

 

 

 

 

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『完全版 変な家』感想 ただの加筆修正・リメイクじゃない!ファン必見の完全版

こんばんは、紫栞です。

2021年に刊行されて大ヒットした雨穴さんの『変な家』。当ブログでも小説と映画と感想記事を書いたのですが、

 

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なんと、2025年10月17日に『【完全版】 変な家』たるものがWebメディアの「オモコロ」で公開されたのですよ。

omocoro.jp

 

”完全版”ってなんぞ?だったんですけれども、新たに画像が100枚(!)追加され、物語も書き直したとのこと。

 

これは個人的に意外な動きでしたね。『変な家』はもうコミカライズと映画化とやりつくされた感ありましたので、まさか【完全版】たるものが出るとは思いもよらず。

10月24日にはこれを元とした新作動画もアップされましたし。しかも104分!映画レベルのボリューム。

 


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最初は小説家が文庫化などの際によくやる大幅加筆みたいなものかと思ったのですが、これがそういったものとは全然違いまして。

出てくる間取り図や大筋は同じなのですが、結末の真相が異なるのですよね。デビュー作の『変な家』は実は取材内容そのままではなく、事情を考慮して多分に創作で書かれていましたよっていう。

 

主に、「左手供養」や本家と分家の争い部分ですね。確かに、その部分はあまりに旧制的といいますか、因習色が強すぎて現在日本ではリアリティがなかった。この完全版ではそこがクリアになっていて、”実はこういうことだったのかもしれない”という全く別の真相が用意されています。

 

この【完全版】での真相の方がシンプルで解りやすいですかね。それでいて大前提が覆る仕掛けが施されているのでまた新鮮に驚かしてくれます。同じ作品で何通りも楽しませてくれるってのはゲームのマルチエンディングみたいで面白いですね。

 

たとえ作者本人によるものだとしても、気に入っていた作品が後になって大幅に加筆や修正されたりするのは個人的にあまり好きではないのですが、こういったリメイクなら大歓迎です。なんといっても、無料で読めるし観れるしね。

 

真相以外にも、画像の追加によってより家の状態が分かりやすくなっていてより”本を普段読まない人も読みやすい”作品となっています。

個人的一押しポイントは雨穴さんと栗原さんとのコミカルなやり取りが沢山追加されているところですね。二人のやりとりは「オモコロ」の記事とYouTubeの動画で結構違いがあるので、是非どちらも楽しんでほしいところ。

 

一作目の『変な家』を読んだ人には必ずこの【完全版】を!

「どうせそんなに違わないんでしょ?」と思って無視してしまうとホント、もったいないですから。無料ですから是非。

 

10月31日には新作『変な地図』も出るので楽しみです。こちらも読んだらまた感想記事を書こうと思います。

 

 

 

 

※読みました!詳しくはこちら↓

 

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