こんばんは、紫栞です。
この間、手塚治虫の未発表の新資料が公開されるというニュースが。
『ミッドナイト』の原型となったらしき『ドライブラー』のカラー原稿など計6点の新資料が、2023年6月16日に立東舎から発売される『ミッドナイト ロストエピソード』という本に収録されるのだとか。
ウィキペディアなどにも以前から書かれていましたが、『ドライブラー』って、1985年に連載予定だったけど、その前年末に手塚治虫が病気で入院したので中止になったって作品だそうで。その後、設定を大幅に変えて1986年から連載されたのが『ミッドナイト』だと。
『ミッドナイト』はタクシードライバーが主人公のヒューマン色が強い作品で、ブラック・ジャックが重要な役どころで登場するなど『ブラック・ジャック』のスピンオフ的要素もあるものでしたが、『ドライブラー』は超能力のあるロボット自動車が活躍するSF設定ものだったけれど、アメリカドラマの『ナイトライダー』と設定が似ているってことでお蔵入りになったそうな。
確かにタイトルも似ているので、もし当初の予定のまま連載に踏み切っていたら色々言われただろう事は想像に難くない。
ニュースで一部原稿が公開されていましたが、カラー原稿まであったとは驚き。画像見た感じ、キャラクターデザインだけでもまったくの別物ですね。
『ミッドナイト』では、主人公がロボット自動車に乗っている設定はそのままに、設定を複雑にして人間ドラマものの一話完結形式にしたってことでしょうか。
最終回が収録されていない本があること、最終回だけでなく、雑誌には掲載されたのに何故か本には収録されていない話が10作以上あることは前にこちらの記事で書いたのですが↓
6月に発売される『ミッドナイト ロストエピソード』には今まで単行本などで未収録だったそれらのエピソードがすべて収録されているそうです。
全67話のうち、単行本未収録だった11話分と、ブラック・ジャックが登場する3話分、巻末資料で全67話の扉絵原画、単行本の表紙絵、予告カット、そして『ドライブラー』の原稿・資料・解題を収録。B5サイズで、お値段は税込み4950円。
手塚治虫作品だとあるあるなのですが、別バージョンの最終回だとか、当初のコミックス化の際に省かれたエピソードだとか、読めるのは毎度このような豪華版のみになってしまうのですよね。
全67話を収録するのではなく、その中の未収録だった11話分とブラック・ジャック登場回の3話分の収録じゃ、そのまま読んでも意味が解らないところが多々あるだろうし、完全に『ミッドナイト』の本を既に持っているマニア向けの商品。
個人的に、大きさとかカラーは別にいいので、もっと普通本の状態で読める完全版を出して欲しい。気になるのはあくまで漫画の内容なので、雑誌掲載時と同じ順番で収められたものをコミックスで売ってくれよと。
多くの人に読んでもらいたいなら、通常版と豪華版、バージョン違いで出して欲しいものです。
読みたいけどお高いから毎度躊躇してしまうのよ。
しかし、『ドライブラー』はともかく、未収録だった11話分はどうしようもなく気になりますねぇ・・・・・・くぅぅ(>_<)。
表紙カッコイイですね・・・。マニアは是非。
ではではまた~